「バイタルPalette Custom」提供開始。作業員個別の体質・健康状態に応じたオーダーメイド熱中症予兆検出システム。Momo社

Momoは7月8日から、作業員のバイタルデータをリアルタイムに可視化するウェアラブルシステム「バイタルPalette」シリーズの新製品として、個別しきい値設定に対応した「バイタルPalette Custom」の提供を開始した。

作業員ごとに異なる体質・健康状態に応じてオーダーメイドの安全基準を設定でき、改正労働安全衛生規則（2025年6月施行）への対応と重大事故の未然防止を実現する。

画一的アラートから脱却し体温・心拍数・血圧・血糖値・SPO2を多角的監視

改正労働安全衛生規則により、熱中症対策の強化はすべての現場で急務となっている状況にある。

しかし従来のバイタルモニタリングの多くは「心拍数と体温」といった限定的なデータに依存し、しかも一律の基準値でアラートを出すものが主流だった。

そのため猛暑に慣れたベテランと若手、既往歴のある作業員と健康な作業員といった「個人差」を考慮できず、「過剰なアラートで現場が混乱する」「本当に危険な兆候を見逃してしまう」といった課題が続出していた。

こうした現場の声を受けて、同社は「複数のバイタルデータ」×「個別しきい値設定」による次世代型の安全管理ソリューションを開発した。


熱中症リスクの判断において「体温」「心拍数」に加え、「血圧（最高/最低）」「血糖値」「SPO2（血中酸素飽和度）」など多角的な健康指標をリアルタイムで取得可能である。

これらの全てに対して、作業員ごとの体質や健康状態に合わせてしきい値を個別に設定でき、健康状態の悪化リスクをより精密に検知する仕組みとなっている。


（設定画面：作業員ごとの体質や健康状態に合わせてしきい値を個別に設定）

さらに「高所作業」「重量物運搬」「屋内作業」など、その日の作業内容や環境条件に応じて、動的にアラート基準を最適化することも可能である。

想定される導入シーンとして、若手とベテランが混在し暑さ耐性が異なる現場では、高齢ほど高温下での運動耐性が落ちるため心拍数の上限を低く設定し、早めの対策を促すことができる。

高血圧や既往歴をもつ作業員が在籍する現場では、個別設定で「必要なアラートだけ」が鳴る安心感を実現する。

ゼネコン・自治体など、入札加点や制度対応が求められる案件では「個別安全基準」運用の実績として加点評価の対象になる可能性がある。

人手不足下で「体調を自己申告しづらい」環境では、各作業員のコンディションを管理者が正確に把握可能になるとしている。