ミツフジ、e-SIM搭載スマートウォッチ「hamon band N」を6月16日発売。熱中症対策義務化に対応し複数拠点の作業員安全管理を一元化

ミツフジは猛暑環境下で働く作業者の安全を守るウェアラブルデバイス「hamon band」シリーズの新モデル「hamon band N」を6月16日から販売開始する。

2025年6月1日に職場の熱中症対策が法的義務となったことを受け、e-SIM搭載によるネットワーク連携機能で複数拠点の作業員安全管理をリアルタイムで一元化できる点が特徴である。

脈波から深部体温変化を推定する特許技術でリアルタイム猛暑リスク監視

新製品「hamon band N」は、脈波のみで深部体温の変化を推定する独自アルゴリズム（特許第7175473号）を活用した同社の技術を基盤としている。

今年4月24日に発売された前モデル「hamon band S」は発売以降、累計7万本の導入実績を持つ製品の進化版として位置づけられており、気候変動により猛暑が常態化する中で作業現場での安全確保が急務となっている状況に対応している。

最大の特徴となるe-SIM搭載のネットワーク連携機能により、従来の作業者本人への通知機能を超えて、複数拠点にいる作業者全体の猛暑リスクをリアルタイムに可視化・共有することが可能になった。

この機能により現場の責任者は遠隔地からでもダッシュボード上で状況を一元管理し、迅速な対応を行うことができる体制を構築している。

具体的な動作としては、作業者本人にはアイコン・画面の色・バイブレーションによって猛暑リスクが通知される仕組みとなっており、同時にクラウドへもデータが自動送信される。


この二重の安全管理システムにより、現場全体の一元管理と作業者個人の状況確認の両方を実現し、管理者による迅速な対応や指示が可能となっている。

さらに安全管理機能以外にも時計機能、歩数検出、着脱検知、SOS機能を搭載しており、作業現場での総合的な安全管理ツールとしての役割を果たす。

特に熱中症が発症された場合には、24時間分のローデータを抽出してデータ分析を行うことができる機能も備えており、事後の原因分析や予防策の検討にも活用できる設計となっている。

法制度面では2025年6月1日から職場における熱中症対策が法的義務となったことで、企業にとって作業員の安全管理体制の整備が喫緊の課題となっている。

こうした背景の中で「hamon band N」のようなウェアラブルデバイスによる科学的な安全管理手法は、従来の経験や勘に頼った対策から客観的データに基づく予防的管理への転換を促進する効果が期待されている。

なお、同製品は医療機器ではないため、あくまで作業環境における安全管理補助ツールとしての位置づけとなるが、特許技術による高精度な深部体温推定機能と遠隔監視システムの組み合わせにより、現場の安全管理水準の大幅な向上に寄与することが見込まれている。