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デジコン編集部 2025.3.31

沿線の枯死木をドローンとAIで自動検出。神戸電鉄とDeepForest社が実証実験

神戸電鉄とDeepForest Technologiesが線路沿いの枯死木調査の効率化を目指し、ドローンAI技術を活用した実証実験を行った。

この取り組みは、増加する沿線の倒木トラブルを未然に防ぐことを目的としている。

従来の目視点検からドローン・AI活用への転換で作業効率が大幅向上


近年、ナラ枯れなどによる枯死木の増加が問題となっており、特に山間部の沿線では枯死木が線路に倒れ、列車運行に支障をきたすケースが増えている。

このトラブルを防ぐため、神戸電鉄では従来、作業員による巡回目視点検で枯死木を検出していたが、手間とコストが課題だった。


今回の実証実験では、市販のDJI製ドローン「Mavic 2 Pro」を使用し、高度100mから15分間のフライトで約5ヘクタール(鉄道沿線400m強)のエリアを撮影した。

撮影した画像は、DeepForest社の3次元画像合成ソフト「DF BIRD」で処理され、160枚の写真から約1時間でオルソ画像やDSM(Digital Surface Model)を生成した。


さらに、同社の森林解析ソフトウェア「DF Scanner」を用いて、AIによる樹種識別機能で枯死木を検出し、樹高や胸高直径の推定も自動で行った。

約5ヘクタールの範囲を20分程度で処理することに成功し、検出した枯死木には位置情報と樹高情報が紐づけられているため、線路からの距離が近い樹木のみを抽出したり、倒木時に線路に到達するかの判定も可能になった。


実証実験の最終段階では、現地調査用アプリ「DF Walker」を使用し、検出した枯死木の現地確認を実施した。

スマートフォンやタブレットで使用できるこのアプリは、GPSと連携して現在地を表示しながら解析結果を確認できるため、目標箇所への到達が容易になった。

現地調査の結果、解析結果と実際の状況が一致していることが確認され、さらにアプリ上で新たなファイルを作成する機能により、解析では検出できなかった場所の記録にも活用できることが判明した。






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デジコン編集部

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