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デジコン編集部 2024.6.10

鹿島、国内初!山岳トンネル工事で2ノズル吹付け機を自動化

鹿島は、次世代の山岳トンネル自動化施工システム「A⁴CSEL for Tunnel」(クワッドアクセル・フォー・トンネル)の開発を進めているが、施工ステップの一つである吹付け作業において、今回、2ノズル吹付け機の自動化に成功した。

2023年1月に確立した1ノズルによる「自動吹付けシステム」と、エレクタ(把持装置)付き2ノズル吹付け機を組み合わせることで実現した。

これにより、従来2名の技能者が操作していた2つのノズルを使った吹付け作業を、キャビン(操作室)内のオペレータ1名で行うことが可能になる。

鹿島では、山岳トンネル工事の掘削作業を6つの施工ステップ(1)穿孔 (2)装薬・発破 (3)ずり出し (4)アタリ取り (5)吹付け (6)ロックボルト打設 に分け、各ステップで使用する重機を自動化し、それらを一元管理する次世代の建設生産システム「A⁴CSEL for Tunnel」を勧めている。
(A⁴CSEL for Tunnel」のコンセプト)

このうち、(5)吹付けについては、2023年1月に神岡試験坑道(岐阜県飛騨市)において、複雑な凹凸を有する岩盤面に対して、支保工間の吹付け仕上がり精度±20mmという高精度で平滑にコンクリートを自動で吹き付ける技術を実証した。

「自動吹付けシステム」は、吹付け前のスキャニングによる切羽形状の測定結果をもとに、平滑な仕上がり面を確保するための最適な吹付けパターンを決定する吹付け計画と、機械が計画通りに作業を行うための制御プログラムから構成される。


本システムに、エレクタによるノズルの可動範囲制限を加えることで、左右のノズルがそれぞれの吹付け動作を効率的に行うようにプログラムを改良。

さらに、自動吹付け作業中はエレクタおよび左右ノズルのブーム挙動を監視し衝突を防ぐ衝突防止機能のほか、左右のノズルが接近すると、互いに可動速度を調整し合う競合防止機能を実装している。

その結果、オペレータ1名で2つのノズルを使った効率的な吹付け作業が可能になり、自動吹付け能力48m3/hを実現。

これにより、吹付け作業時間を従来の1ノズル自動吹付けと比べて約50%短縮できることを実証した。



参考・画像元:鹿島プレスリリース
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デジコン編集部

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