ツール紹介
デジコン編集部 2025.8.8

Arent社、プラントAIツールを新開発。配管計装図から接続リストを自動生成し作業時間50パーセント削減

Arentは、プラント設計における初期工程の効率化を支援するAIツール「PlantStream P&ID AI Data Extractor」を開発し、先行体験版の提供を開始した。

配管計装図をアップロードするだけで配管の接続情報をAIが自動で抽出・一覧化し、従来手作業で行っていた配管情報の整理を約50パーセントの時間で完了できるシステムである。

P&ID図面解析で従来の手作業を自動化、ドラッグ&ドロップで簡易修正も可能


新ツールは、プラントや工場の設計に用いられる配管計装図(P&ID:Piping and Instrumentation Diagram)をアップロードするだけで、配管の接続情報(From-To List)をAIが自動で抽出・一覧化する機能を持つ。

従来、P&IDに描かれた配管の接続関係を読み取り、「どこからどこへ」つながっているかを表にまとめるFrom-To Listの作成作業は、エンジニアが手作業で実施しており、多大な時間と労力を要していた。

こうした作業は非常に手間がかかるうえに属人化しやすく、現場にとって大きな負担となっていた課題があった。

新システムでは、誤認識があった場合でも画面上でドラッグ&ドロップによる簡易修正が可能で、CADや配管に関する高度な専門知識がなくても扱えるユーザビリティを備えている。



作業時間を従来比で約50パーセント削減できるほか、接続情報のミスや漏れを防止し、From-To List作成から3Dモデル設計の工数を74パーセント削減する効果が期待される。

Arentは建設業界のDXを推進する中で、業務ごとの課題に特化したSaaSアプリケーションを連携させる「アプリ連携型プラットフォーム戦略」を展開している。

建築・土木・プラントといった各分野に対し、自社開発やM&Aにより最適なプロダクトを提供し、現場の生産性向上を支援している。

今回のPlantStream AIDEはその一環として、プラント設計の初期段階で重要となる接続情報の整備作業をAIで効率化し、設計スピードを向上させるために開発された。

将来的には自社製品「PlantStream®」との連携も想定しており、プラント設計業務の効率化を支援するツールとして展開していく方針である。

正式リリースは2025年冬を予定しており、クラウド型SaaSとして提供される見込みである。

同社は「暗黙知を民主化する」をミッションに建設業界のDXを推進する企業で、BIMを誰でも直感的に扱えるように設計されたRevit向けプラグイン群「Lightning BIM」シリーズなどを展開している。








印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。