トプコン、新型GNSS受信機を発売。最大60度の傾斜補正機能と通信距離1.5倍拡大を実現

トプコンは、マルチGNSSに対応した高精度測位性能に加え、ポールの傾きを常に監視するTILT補正機能を強化し、通信距離を大幅に伸長したアンテナ一体型GNSS受信機「HiPer XR」を7月に発売する。

建設現場での測量作業における効率性と精度の向上を図るため、従来機からの大幅な性能向上を実現している。

壁際での測定が可能になる60度傾斜対応と82チャンネル無線通信

新製品は米国のGPSに加え、ロシアのGLONASS、日本の準天頂衛星、中国のBeiDou、EUのGalileoなど各国が独自に運用する衛星測位システムに対応している。

都市部や山間部といった受信環境が厳しい場所においても、安定した高精度な測位を実現する仕様となっている。

同社独自のTILT補正機能を強化し、最大60度までの傾斜に対応することで、従来では観測が困難だった壁際などのポールを垂直に立てられない箇所でもスムーズに測定できるようになった。

作業者のスキルに左右されることなく、スピーディーかつ安定した精度で観測を行うことが可能である。

通信面では、従来機比で約1.5倍に伸長された通信距離と、82チャンネルに増加したデジタル簡易無線の搭載により、RTK観測の安定性と対応エリアが大幅に向上している。

チャンネル数は従来の30から82チャンネルへと大幅に増加し、混信の多い工事現場においても安定した通信を実現している。


新たに1W出力に対応したことで、より広範囲での通信が可能となり、障害物の多い現場や広範囲にわたる測量作業においても高い作業効率を実現する。

データ転送速度の向上により、GPS・GLONASS・準天頂衛星・BeiDouなど受信可能な複数の衛星から取得した高精度なデータをリアルタイムに送受信できる。

通信および充電インターフェースには汎用性の高いUSB Type-Cコネクタを採用し、高速充電に対応して短時間での充電が可能である。

グローバル対応の4Gセルラーモジュールを搭載しており、別途SIMカードを用意することなく、携帯電話ネットワークを利用した通信が可能となっている。

耐環境性能では、IP67に準拠した防塵・防水性能に加え、米国国防省の調達基準であるMIL-STD-810G 516.6の定める落下衝撃試験をクリアしている。

過酷な現場環境下でも安心して使用できる堅牢設計を実現しており、建設現場でのデジタルトランスフォーメーション推進に貢献する製品として期待される。