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デジコン編集部 2022.10.7

大成建設、車両と現場作業員の「接触防止システム」を開発

大成建設はIIU(高度な診断技術を開発する企業)と共同で、現場の車両と作業員の接触を防止するシステム「T-iSafety Truck(ティーセーフティートラック)」を開発した。



過去の不安全行動での警告件数や推移を見える化


工事現場では、車両による搬出入作業で、誘導員を配置して業務を行っているが、現場での目視確認だけでは見落としが生じるケースがあり、誘導員と搬出入車両の接触事故や誘導員の死角になる箇所での事故発生リスクがあった。

「T-iSafety Truck」は、現場内に取り付けたカメラと高速・高精度に物体を認識できるAIを活用して、搬出入車両と作業員の近接状況をリアルタイムに検知する。

車両自体にセンサーやAIカメラを搭載する必要がなく、あらかじめ対象車両をAIに学習させることで、工事に関係する全ての車両に対応する。

(「T-iSafety」の機材の設置状況)

加えて、使用するAIでは、作業員と車両の近接状況を判定した結果を基に、搬出入車両と作業員が接近した時に警告灯の表示と警報音の発報を行う。警報音では「車両が接近しています」などの具体的な内容を音声で伝える。

(「T-iSafety」による車両と作業員の近接検知状況)

さらに、誘導員の服装をAIに学習させることで、誘導員とその他の作業員をAIが自動的に判別。この機能により、誘導員は車両との一定離隔距離内で、その他の作業員は危険エリア内で警報を発するなど、適した安全基準設定で近接検知が行える。

(AIで自動判別する誘導員(右)とその他の作業員(左)の服装)

また判定結果は、画像とともにクラウド上に蓄積されるため、専用のWebアプリを使用すれば、過去の不安全行動で警告を発した件数や期間ごとの推移といった統計情報も閲覧が可能だ。




参考・画像:大成建設プレスリリース
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デジコン編集部

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