ニュース
デジコン編集部 2025.11.14

建設技術研究所など4社がBIM/CIM配筋モデル自動生成ツールに2次元図面連動機能を実装。作業時間を10分の1に削減

建設技術研究所、大林組八千代エンジニヤリング、Terra Droneの4社は共同開発により、BIM/CIM配筋モデルを自動生成するツールに2次元図面を同時に自動生成・修正する機能を実装した。

3次元モデルと2次元図面の連動を実現し、生産性の向上および品質の確保に貢献する。

従来115時間の作業が約10時間で完了、2連ボックスカルバートにも対応


土木事業ではBIM/CIMモデルの活用が進んでいるが、現状では発注者へ納品する2次元図面を作成した後にBIM/CIMモデルを作成し、さらに2次元図面との整合を照査する必要がある。

複雑な配筋モデルの構築には多大な時間を要することに加え、2次元図面とBIM/CIMモデル間の齟齬による手戻り作業が生じ、かえって生産性を低下させる要因の一つとなっていた。

4社は今般、BIM/CIM配筋モデルと2次元図面を同時生成する機能実装を実現した。

国土交通省は将来的に3次元モデルを契約図書とすることや、3次元モデルと2次元図面が互いに連動する場合は両者の整合確認を不要とする方針を示している。


本ツールはこの連動を配筋情報まで具現化したツールとなる。

本ツールの特長は、パラメータ入力によりBIM/CIM配筋モデルと2次元配筋図を同時に自動生成し、作成の手間と両者間の齟齬をなくすことで設計品質を確保し生産性を向上できる点だ。

両者を連動させることで、条件変更があった場合でも修正内容を相互に即時反映でき、生産性を向上させ設計・施工段階でのミスや手戻りを防止する。

自動生成したBIM/CIM配筋モデルから鉄筋数量表と鉄筋加工図を自動で作成し、2次元配筋図作成に必要な作業の大幅な削減が可能となった。

本ツールはこれまで単ボックスカルバートに対応してきたが、新たに車線数が多い場合に用いられる2連ボックスカルバートとアンダーパスとのアプローチ部などで用いられるU型擁壁にも対応した。

対応できる躯体形状が増えたことで、ツールを活用できる機会がさらに拡大している。


今回実装した機能によって、従来は約115時間かかっていた作業が本ツールを使用すると約10時間で実施でき、10分の1の省力化を実現できる。

今後は2次元配筋図の図面としての体裁を整える機能や、グラフィカルで判りやすい入力システムの開発を進める予定だ。

4社は設計・施工段階のみならず、積算、維持管理に必要となる機能を実装することにより、各建設プロセスに亘って一元的に管理・連携するBIM/CIMの取り組みを推進する。




印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木のICT活用など、
デジコンからの最新情報をメールでお届けします

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。