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デジコン編集部 2025.11.18

DJI DOCK3対応のオフグリッド型ドローンポートを常設公開。電源インフラ不要で災害現場や山岳地での運用が可能。SORABOTとアイ・ロボティクス

SORABOTとアイ・ロボティクスは、太陽光発電と蓄電池を活用するオフグリッド型ドローンポートを共同で整備し、茨城県稲敷郡河内町の「ドローンフィールドKAWACHI」に常設公開した。

商用電力網に接続せず現地で電力を自給自足しながらドローンポートを運用できる仕組みで、電源インフラ不要でドローンの自動離着陸や充電を行える。

1から2日程度の準備で稼働可能、砂防ダムや堰堤での斜面監視に対応


近年、山岳・離島・森林地帯、さらには災害現場など、電源や通信といった社会インフラが乏しい地域におけるドローン活用ニーズが急速に高まっている。

災害時に電力が復旧する前の被害調査や、深刻化する熊の出没対策を含む鳥獣被害の広域モニタリング、山林内での斜面崩落・土砂災害の予兆監視、離島における海岸線・河川の巡視など、危険・広域・高頻度の監視が求められる領域では、ドローンの遠隔化・自動化が不可欠な要素となっている。

しかしこれらの地域の多くは商用電源が整備されておらず、実際にドローンポートの導入を検討する自治体・事業者が「電源がないため設置できない」という課題に直面することも多々ある。

電力インフラの不足は遠隔運用・自動化を進める上での最大のボトルネックであるともいえ、電力さえあれば衛星を介した通信を確保することが可能だ。

オフグリッド型ドローンポートの技術面では、電柱・電線・電気工事を必要とせず、1から2日程度の準備で稼働が可能となっている。



停電中の災害現場や、砂防ダム、堰堤、ダムなど、発電機の持ち込みすら困難な場所にも迅速に展開できるモジュール構成だ。

山林地帯や農地における熊の出没監視など、商用電源がない場所でも設置できる。

日照環境を活かし、太陽光とバッテリーのみで自立稼働する仕組みで、夜間・雨天時には電力消費を抑える自動オン・オフ制御により省エネ運用を実現している。


電源確保が困難な山岳地、砂防ダム、堰堤、ダムなどのインフラ監視や、災害の予兆監視の現場で効果を発揮する。

DJI DOCK3対応のシステムにより遠隔からの無人自動飛行を可能にし、省人化と安全性向上に貢献する。


本環境では、オフグリッド運用の実証とパフォーマンス評価、山岳・離島・災害現場を模した環境での継続監視ワークフローの検証、ドローンの自動離着陸・充電のデモ・技術展示などが可能だ。

常設でいつでもデモが可能なため、実際の運用イメージを確認しながら現場導入に向けた具体的な検討が行える。

SORABOTとアイ・ロボティクスは今後、山岳・離島・林業・砂防・防災領域での共同実証の拡大、点群・オルソ画像の差分解析やAI自動解析との本格的な連携、災害発生時の遠隔監視・進捗管理の標準ワークフロー化を計画している。





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