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デジコン編集部 2025.11.14

安藤ハザマが大分市と下水道用低炭素セグメントの実証実験を開始。CO2排出量を従来比70%削減

安藤ハザマは大分市上下水道局と共同で、コンクリート劣化等の下水道インフラが直面している課題を解決可能な「下水道用低炭素セグメント」について、実用化に向けた実証実験を開始した。

防菌剤と低炭素セグメントを組み合わせて硫酸劣化に対する抵抗性能を向上


近年、下水道施設のコンクリート劣化が原因となる道路陥没事故が全国で頻発している。

安藤ハザマが独自開発した「防菌剤」と「低炭素セグメント」を組み合わせることにより、下水道施設特有の硫酸劣化に対する抵抗性能が高く、製造時のCO2排出量を従来比70パーセント削減可能なRCセグメントを製造し、その実用化を推進している。

防菌剤は下水道施設で発生する硫化水素をコンクリートの腐食原因となる硫酸に変える硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌などの活動を阻害する薬剤だ。

防菌剤をコンクリートに適正に配合することで、下水道施設特有の硫酸劣化に対する抵抗性を向上させる。

(下水道用低炭素セグメントの試作品)

低炭素セグメントはポルトランドセメントの一部を高炉スラグ微粉末で置換して、コンクリートのCO2排出量を最大75パーセント削減しつつ、1日2サイクル施工も可能な早強性を確保したRCセグメントの製造技術で、2025年9月には安藤ハザマ興業千葉工場において、防菌剤を配合した低炭素セグメントの試作に成功し、実用的な製造技術を確立した。

2025年10月には大分市上下水道局の下水道施設において、実環境での硫酸劣化抵抗性能の実証実験を開始している。

今後は耐久性能に加えて力学性能の実証実験も進めることで本技術の実用化を推進し、今後見込まれる下水道更新工事への適用を目指す方針である。




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