
キヤノンは東京都大田区および東京科学大学と共同で、橋梁点検におけるデジタル画像とAI活用の効果を検証し、その成果が土木学会の「AI・データサイエンス論文集」に採択されたと発表した。
今回の共同研究では、特に点検作業に時間的・場所的制約のあるこ線橋と横断歩道橋に焦点を当てている。
高度成長期以降に整備された社会インフラの老朽化が進む中、国土交通省は道路橋やトンネルの近接目視を基本とする定期点検を義務付けている。
しかし、建設業界における人手不足や技術者の高齢化を背景に、「近接目視と同等の結果が得られる」方法としてデジタル技術の活用が認められるようになった。
キヤノンは2019年12月から、カメラメーカーとして培った撮影技術や画像解析技術を活かし、インフラ構造物の撮影画像からAIでコンクリートのひび割れや鉄筋露出などの変状を検知するサービス「インスペクション EYE for インフラ」を提供している。
〈横断歩道橋の腐食検知結果(赤色部分)〉
鉄道をまたぐこ線橋の点検では、列車が通過しない夜間に限定された短時間での作業が求められる。
今回の検証で、夜間のこ線橋点検において、現地で撮影した画像を持ち帰って分析を行っても、近接目視と同等の結果が得られることが確認された。
現地作業は撮影のみとなるため、作業時間の短縮も実現している。
また横断歩道橋の点検では、従来は高所作業車を使用するため交通規制が必要だった。
検証の結果、望遠レンズとミラーレスカメラを組み合わせて道路脇から撮影することで、交通量が多い日中でも交通規制を行わずに近接目視と同等の点検結果が得られることが実証された。
(夜間作業でのこ線橋のひび割れ検知結果)
これにより地域住民への影響を最小限に抑えながら効率的な点検が可能となる。
この研究成果は2025年5月26日に開催される「デジタルツイン・DXシンポジウム2025」で発表される予定である。
キヤノンと大田区は現在、ドローンを活用した小規模河川橋の点検や手持ちカメラによる橋面点検にも取り組んでおり、画像点検の適用範囲を拡大している。
将来的には点検作業の自動化も視野に入れており、社会インフラの維持管理における課題解決に貢献することを目指している。
なお、この検証はキヤノンおよびキヤノンマーケティングジャパンと大田区が2022年に締結した包括連携協定に基づいて実施されたものである。
交通規制や夜間作業の制約がある現場で近接目視点検と同等の精度を実現
今回の共同研究では、特に点検作業に時間的・場所的制約のあるこ線橋と横断歩道橋に焦点を当てている。
高度成長期以降に整備された社会インフラの老朽化が進む中、国土交通省は道路橋やトンネルの近接目視を基本とする定期点検を義務付けている。
しかし、建設業界における人手不足や技術者の高齢化を背景に、「近接目視と同等の結果が得られる」方法としてデジタル技術の活用が認められるようになった。
キヤノンは2019年12月から、カメラメーカーとして培った撮影技術や画像解析技術を活かし、インフラ構造物の撮影画像からAIでコンクリートのひび割れや鉄筋露出などの変状を検知するサービス「インスペクション EYE for インフラ」を提供している。

鉄道をまたぐこ線橋の点検では、列車が通過しない夜間に限定された短時間での作業が求められる。
今回の検証で、夜間のこ線橋点検において、現地で撮影した画像を持ち帰って分析を行っても、近接目視と同等の結果が得られることが確認された。
現地作業は撮影のみとなるため、作業時間の短縮も実現している。
また横断歩道橋の点検では、従来は高所作業車を使用するため交通規制が必要だった。
検証の結果、望遠レンズとミラーレスカメラを組み合わせて道路脇から撮影することで、交通量が多い日中でも交通規制を行わずに近接目視と同等の点検結果が得られることが実証された。

これにより地域住民への影響を最小限に抑えながら効率的な点検が可能となる。
この研究成果は2025年5月26日に開催される「デジタルツイン・DXシンポジウム2025」で発表される予定である。
キヤノンと大田区は現在、ドローンを活用した小規模河川橋の点検や手持ちカメラによる橋面点検にも取り組んでおり、画像点検の適用範囲を拡大している。
将来的には点検作業の自動化も視野に入れており、社会インフラの維持管理における課題解決に貢献することを目指している。
なお、この検証はキヤノンおよびキヤノンマーケティングジャパンと大田区が2022年に締結した包括連携協定に基づいて実施されたものである。
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