トータルステーション(TS)は土木・建設現場での測量に欠かせない機器だ。しかしその専門性ゆえに、実際に使ってみると、思ったより手間やコストがかかるということも多い。
この記事では、あらためて現場でよく聞かれるTSの課題と問題点を整理し、解決策を紹介する。
TSは水平角・鉛直角と距離を同時に測定できる精密測量機器で、座標取得・工事測量・多角測量・起工竣工測量など幅広い用途に使用される。光波測距儀と電子セオドライトを組み合わせた機器が現在の主流で、建設・土木現場におけるデジタル測量の基盤機器として長年定着している。
TSには大きく「汎用TS」と「自動追尾型TS」の2種類がある。汎用TSは機器側の観測者と、ターゲット(反射プリズム)を持って測点を移動する作業者の2名体制が基本だ。一方、自動追尾型TSはプリズムを自動で追跡するため、1名でのワンマン測量が可能になる。
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現場でよく耳にする課題の多くは、特に「汎用TS」を使用した場合に顕在化しやすいが、自動追尾型TSにも固有の課題がある。

汎用TSは観測者とターゲット持ちの2名が同時に現場に必要なため、スケジュール管理が難しい。特に建設業界では技術者不足が深刻化しており、「測量できる人間を2名確保する」こと自体がハードルになっているケースが増えている。
測量業務が特定の担当者に集中しがちな現場では、その担当者の不在がそのまま現場の遅延につながるリスクも伴う。自動追尾型TSはワンマン対応できるが、機器の運搬やセットアップも1名でこなす必要があり、別の負担が生じることがある。
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TSの新品購入価格は機種によって幅があり、汎用TSのエントリーモデルで30〜80万円程度、ミドルからハイエンドモデルでは80万〜150万円超、自動追尾型TSでは150万〜400万円前後が目安とされている(いずれも市場参考値。実際の価格は商談・時期により異なる)。
本体価格だけでなく、三脚・反射プリズム・タブレット・専用アプリライセンスなどの周辺機器も必要になるため、導入時の総費用は本体価格をさらに上回るケースが多い。購入に加えてリースやレンタルの選択肢もあるが、汎用TSのレンタルで700〜850円/日(別途基本料)、自動追尾型では3,950〜4,100円/日程度が市場の参考値として見られる。
TSは精度を維持するために定期的な校正が欠かせない機器だ。日本測量機器工業会(JSIMA)では年1回の定期校正を推奨しており、使用頻度が高い現場ではさらに頻繁な点検が必要になる。
校正・点検費用は業者や機種により異なるが、点検・調整込みで13万円台からという事例が見られる。また、修理が必要になった場合は7〜14日程度の修理期間が生じるため、その間は代替機を手配しなければならない。これらの維持コストは導入前に見落とされがちな「隠れたコスト」として、使用し始めてから初めて実感するという声も多い
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TSの操作には、誤差の種類と管理・後方交会などの測量手法・気象条件や現場状況に応じた判断など、一定の専門知識とスキルが必要だ。習熟には個人差があるが、即日使いこなすことは難しく、社内での教育・研修が必要になる。
こうした専門性の高さから、現場の測量業務が特定の担当者に依存してしまう「属人化」が起きやすい。担当者が退職・異動した場合のリスクは大きく、後継者育成も重要な課題の一つだ。また、国・自治体発注の公共測量(路線・基準点測量等)では測量士資格が必要になるケースがあり、資格保持者の確保も求められる(工事の出来形管理・確認のための工事測量では必ずしも資格は必要でない場合が多い)。
TSは精密機器のため、取り扱いには相応の注意が必要だ。本体・三脚・プリズムポールなどをまとめて現場まで運搬し、設置・整準(水平出し)・後視設定などのセットアップを毎回行う必要がある。
複数の測点を順に計測する場合は、機器の移動・再設置を繰り返すことになり、これが1日の作業時間を大きく左右する。傾斜地や狭い現場では設置場所の選定にも手間がかかる。

TSの課題は現場の規模・稼働パターンによって異なる形で現れる。自社の現場がどのパターンに当てはまるか整理しておくと、対策の方向性を絞り込みやすくなる。
2名体制の課題を解消する方法として、自動追尾型TSへの移行がある。プリズムを自動追跡するため1名での作業が可能になる一方、以下の点はワンマン化後も残る課題として把握しておきたい。
近年注目されているのが、スマートフォンのLiDARセンサーとGNSS(GPSはその一種)を組み合わせたスマホ測量アプリだ。専用の大型機材が不要で、スマートフォン1台(と対応するGNSSアクセサリー・GNSS補正配信サービス)を現場に持ち込むだけで高精度の測量ができる製品が登場している。機材の運搬負担が大幅に減り、操作もスマホ感覚のUIのため習熟コストも低い。

OPTiM Geo Scan(オプティム ジオスキャン)は、株式会社オプティムが提供するスマートフォンベースの3次元測量アプリプラットフォームだ。国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)でVE(Value Engineering)評価を取得しており、i-Constructionに対応した出来形管理にも活用されている。
Geo Scanはスマートフォンを持ち歩きながら測量するため、2名体制は不要だ。位置出し・起工測量・杭打ちガイダンスなど複数の作業に対応しており、汎用TSで課題となっていた「2名確保の難しさ」を根本から解消する。
直感的なスマートフォン操作をベースにした設計のため、測量の専門資格がなくても使い始めることができる。若手や未経験者でも短期間で現場投入しやすく、TSで問題になりがちな「担当者への属人化」を緩和できる。
スマートフォンと小型のGNSSアクセサリーだけで測量が完結するため、重い機材を運ぶ必要がない。複数現場を少人数でカバーする企業にとって、機動力の大幅な向上が期待できる。
一方で、基準点測量・多角測量などの高精度な公共測量や、トンネル・地下空間での測量は現時点ではTSが担うべき領域も残る。「TSを完全に置き換える」のではなく「最もコストや手間がかかっている用途から試す」というアプローチが、現実的な導入の進め方だ。
TSは精度と信頼性において長年の実績を持つ測量機器だが、2名体制・高コスト・維持管理・属人化といった現場課題を抱えているケースも多い。
こうした課題を感じているなら、スマホ測量アプリという新しい選択肢を知っておくことが、今後の意思決定の幅を広げることにつながる。「どんな機能がある?」「精度はどのくらい?」「価格はどのくらい?」を資料で確認することが、最初の一歩だ。
スマホ測量アプリを詳しく知る(サービスサイトへ)
この記事では、あらためて現場でよく聞かれるTSの課題と問題点を整理し、解決策を紹介する。
トータルステーション(TS)とは?
TSは水平角・鉛直角と距離を同時に測定できる精密測量機器で、座標取得・工事測量・多角測量・起工竣工測量など幅広い用途に使用される。光波測距儀と電子セオドライトを組み合わせた機器が現在の主流で、建設・土木現場におけるデジタル測量の基盤機器として長年定着している。
汎用TSと自動追尾型TSの違い
TSには大きく「汎用TS」と「自動追尾型TS」の2種類がある。汎用TSは機器側の観測者と、ターゲット(反射プリズム)を持って測点を移動する作業者の2名体制が基本だ。一方、自動追尾型TSはプリズムを自動で追跡するため、1名でのワンマン測量が可能になる。
関連記事:自動追尾型トータルステーションとは?
現場でよく耳にする課題の多くは、特に「汎用TS」を使用した場合に顕在化しやすいが、自動追尾型TSにも固有の課題がある。
現場でよく聞かれるTSの5つの課題

① 2名体制が前提で、人員確保・スケジューリングが難しい
汎用TSは観測者とターゲット持ちの2名が同時に現場に必要なため、スケジュール管理が難しい。特に建設業界では技術者不足が深刻化しており、「測量できる人間を2名確保する」こと自体がハードルになっているケースが増えている。
測量業務が特定の担当者に集中しがちな現場では、その担当者の不在がそのまま現場の遅延につながるリスクも伴う。自動追尾型TSはワンマン対応できるが、機器の運搬やセットアップも1名でこなす必要があり、別の負担が生じることがある。
関連記事:ワンマン測量とは?
「2名体制コスト」を金額で試算すると...
建設技術者の人件費を2.5〜4万円/日/人と仮定した場合、汎用TSの2名体制では1日あたり5〜8万円程度のコストが発生する。年間100日の測量作業がある現場では、年間500〜800万円の人件費試算になる。ワンマン作業に移行すれば同条件で年間250〜400万円程度に半減する計算だ。機器の初期費用の差は数年分の人件費削減効果で相殺できるケースも多く、「本体価格だけ」で比較すると割高に見える機器が総コストでは有利になることもある(数値はあくまで目安の試算)。
② 初期費用・周辺機器コストが高い
TSの新品購入価格は機種によって幅があり、汎用TSのエントリーモデルで30〜80万円程度、ミドルからハイエンドモデルでは80万〜150万円超、自動追尾型TSでは150万〜400万円前後が目安とされている(いずれも市場参考値。実際の価格は商談・時期により異なる)。
本体価格だけでなく、三脚・反射プリズム・タブレット・専用アプリライセンスなどの周辺機器も必要になるため、導入時の総費用は本体価格をさらに上回るケースが多い。購入に加えてリースやレンタルの選択肢もあるが、汎用TSのレンタルで700〜850円/日(別途基本料)、自動追尾型では3,950〜4,100円/日程度が市場の参考値として見られる。
③ 定期校正・維持管理コストが継続して発生する
TSは精度を維持するために定期的な校正が欠かせない機器だ。日本測量機器工業会(JSIMA)では年1回の定期校正を推奨しており、使用頻度が高い現場ではさらに頻繁な点検が必要になる。
校正・点検費用は業者や機種により異なるが、点検・調整込みで13万円台からという事例が見られる。また、修理が必要になった場合は7〜14日程度の修理期間が生じるため、その間は代替機を手配しなければならない。これらの維持コストは導入前に見落とされがちな「隠れたコスト」として、使用し始めてから初めて実感するという声も多い
関連記事:TSで注意すべき誤差とは?
④ 操作習熟に時間がかかり、属人化しやすい
TSの操作には、誤差の種類と管理・後方交会などの測量手法・気象条件や現場状況に応じた判断など、一定の専門知識とスキルが必要だ。習熟には個人差があるが、即日使いこなすことは難しく、社内での教育・研修が必要になる。
こうした専門性の高さから、現場の測量業務が特定の担当者に依存してしまう「属人化」が起きやすい。担当者が退職・異動した場合のリスクは大きく、後継者育成も重要な課題の一つだ。また、国・自治体発注の公共測量(路線・基準点測量等)では測量士資格が必要になるケースがあり、資格保持者の確保も求められる(工事の出来形管理・確認のための工事測量では必ずしも資格は必要でない場合が多い)。
⑤ 機材の運搬・設置・移動に手間がかかる
TSは精密機器のため、取り扱いには相応の注意が必要だ。本体・三脚・プリズムポールなどをまとめて現場まで運搬し、設置・整準(水平出し)・後視設定などのセットアップを毎回行う必要がある。
複数の測点を順に計測する場合は、機器の移動・再設置を繰り返すことになり、これが1日の作業時間を大きく左右する。傾斜地や狭い現場では設置場所の選定にも手間がかかる。
TSの課題が特に顕在化するケース

TSの課題は現場の規模・稼働パターンによって異なる形で現れる。自社の現場がどのパターンに当てはまるか整理しておくと、対策の方向性を絞り込みやすくなる。
| 現場の特性 | 顕在化しやすい課題 |
|---|---|
| 小規模・単発作業(500㎡未満) | 機材の運搬・セットアップ時間が測量作業本体の時間より長くなりやすい。「準備だけで半日」というケースも珍しくない |
| 複数現場を少人数でカバー | 機材の移動・再設置が繰り返し必要で担当者の移動負担が大きい。日程調整も複雑になりやすい |
| 長期・大規模現場 | 複数機器・複数オペレーターが必要になり、校正・維持コストが複数台分発生する。技術者の引き継ぎ問題も長期化すると顕在化する |
TSの課題を解決する選択肢
ワンマン測量機器への切り替え
2名体制の課題を解消する方法として、自動追尾型TSへの移行がある。プリズムを自動追跡するため1名での作業が可能になる一方、以下の点はワンマン化後も残る課題として把握しておきたい。
- 機器コスト:汎用TSより大幅に高価(150〜400万円前後)で、初期投資の課題は解消されない
- 運搬・セットアップの手間:機材が重く、三脚・本体・プリズムを現場まで運搬し、設置・整準する手間は汎用TSと同等
- 追尾が外れた場合の対処:障害物や遮蔽による追尾切れが発生した際の再接続も1名でこなす必要がある
- 校正・維持コスト:高価な精密機器のため、定期校正費も汎用TSと同等かそれ以上かかる傾向がある
スマホを使った高精度測量という選択肢
近年注目されているのが、スマートフォンのLiDARセンサーとGNSS(GPSはその一種)を組み合わせたスマホ測量アプリだ。専用の大型機材が不要で、スマートフォン1台(と対応するGNSSアクセサリー・GNSS補正配信サービス)を現場に持ち込むだけで高精度の測量ができる製品が登場している。機材の運搬負担が大幅に減り、操作もスマホ感覚のUIのため習熟コストも低い。
OPTiM Geo Scanが解決できるTSの課題

OPTiM Geo Scan(オプティム ジオスキャン)は、株式会社オプティムが提供するスマートフォンベースの3次元測量アプリプラットフォームだ。国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)でVE(Value Engineering)評価を取得しており、i-Constructionに対応した出来形管理にも活用されている。
ワンマンで完結する測量
Geo Scanはスマートフォンを持ち歩きながら測量するため、2名体制は不要だ。位置出し・起工測量・杭打ちガイダンスなど複数の作業に対応しており、汎用TSで課題となっていた「2名確保の難しさ」を根本から解消する。
専門知識なしで始められる操作性
直感的なスマートフォン操作をベースにした設計のため、測量の専門資格がなくても使い始めることができる。若手や未経験者でも短期間で現場投入しやすく、TSで問題になりがちな「担当者への属人化」を緩和できる。
機材の運搬コストが大幅に低減する
スマートフォンと小型のGNSSアクセサリーだけで測量が完結するため、重い機材を運ぶ必要がない。複数現場を少人数でカバーする企業にとって、機動力の大幅な向上が期待できる。
一方で、基準点測量・多角測量などの高精度な公共測量や、トンネル・地下空間での測量は現時点ではTSが担うべき領域も残る。「TSを完全に置き換える」のではなく「最もコストや手間がかかっている用途から試す」というアプローチが、現実的な導入の進め方だ。
TSの課題が気になったら、まず情報収集を
TSは精度と信頼性において長年の実績を持つ測量機器だが、2名体制・高コスト・維持管理・属人化といった現場課題を抱えているケースも多い。
こうした課題を感じているなら、スマホ測量アプリという新しい選択肢を知っておくことが、今後の意思決定の幅を広げることにつながる。「どんな機能がある?」「精度はどのくらい?」「価格はどのくらい?」を資料で確認することが、最初の一歩だ。
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