
富山県南砺市・富山市で総合建設業を展開する岡部が、建設現場での熱中症対策として本格的な取り組みを開始している。
ファッションブランドデザイナーと共同でオリジナル空調服とポロシャツを制作し、スマートウォッチ型体調管理システムも導入する包括的な安全対策だ。
「作業着という従来のイメージを払拭し、私服としても着用できるようなお洒落な制服を目指したい」。
岡部竜一社長のこの言葉から始まった同社のユニフォーム改革は、2023年の創業80周年記念事業がきっかけだった。
新たなOKABEブランディングの一環として、これまでファッションブランドデザイナーと協力してオリジナルデザインの作業着、防寒着、ヘルメットを制作してきた実績がある。
今回の夏対策は、その延長線上にある取り組みだが、単なるデザイン性の向上にとどまらない。

2025年6月に施行された政府による職場での熱中症対策義務化を背景に、企業に求められる従業員の健康と安全を最優先にした環境づくりへの対応でもある。
「例年にない早さで夏のような暑さが訪れる中、建設現場での熱中症リスクの高まりに対応したい」と同社は説明する。
現場で働く社員一人ひとりが少しでも快適に過ごせるよう、衣服の素材や着心地にまで配慮した見直しを行うとともに、体調の変化にも目を配れる仕組みを整えている。
今回導入した空調服は、従来の空調服に対する現場社員の声をもとに課題を改善し、機能面を改良した仕様となっている。
特に車両移動時にファンが干渉するという課題に対しては、ファンの位置を変更することで実際の使用環境に即した仕様に仕上げた。
生地には夏季の使用を考慮した薄手素材を採用しながらも、ファン稼働時の膨張による引き裂きやほつれを抑えるため、高密度のリップストップ(格子状補強)構造を取り入れている。
さらに野外作業に対応できる撥水性に加え、ノンコーティングによる優れた透湿性を実現し、ソフトでしなやかな肌ざわりで快適な着心地を保つ。

デザイン面では胸元に配した社名のほか、ファスナーやボタンなどのパーツには同社のコーポレートカラーである「藤色」をあしらい、さりげないアクセントを加えている。
また袖口にはリフレクタープリントで社名を表記し、夜間作業時の視認性と安全性にも配慮した。
新たに制作したオリジナルポロシャツは、現場での実用性と日常使いの両立を追求した仕上がりとなっている。

生地には環境への配慮としてリサイクルポリエステル糸を使用し、毎日着用することを想定して家庭での洗濯やお手入れが簡単になるよう形態安定性に優れた仕様としている。
吸水速乾性を持ち、表面が毛玉になりにくい抗ピル加工も施され、建設現場での屋外作業が多いことを踏まえ、紫外線対策としてUVカット機能を取り入れている。
加えて衣服の内側の要所には消臭効果を高めるテープが配置され、汗や臭いが気になる夏場でも快適に着用できるよう配慮している。
熱中症リスクの高まる夏場において、社員の安全をより確実に守るため、同社では体調管理システムを導入した。
このシステムでは専用のスマートウォッチから収集された現場作業員の心拍数と年齢、現場の暑さ指数(WBGT値)が指標の閾値を超えた場合に、瞬時に作業管理者と作業者本人に警報アラートを通知する。
クラウド上で複数の現場を一括で確認できるため、異常な兆候をいち早く察知し、早期対応につなげることが可能だ。
現場ごとの温度や湿度に左右される体調変化を見える化することで、危険を未然に防ぎ、社員が安心して作業に集中できる環境づくりを支援している。
実際に新しい空調服を着用している社員からは「以前に比べてデザイン性が高く、素材感も良いため着心地がよくなった」「体感的にも以前より涼しく感じられて、作業中の快適さが向上している」「ファンの位置が変わったことで、車に乗って座るときに背中に当たる違和感もなくなり、より快適に使用できるようになった」といった声が寄せられている。
同社は今回の取り組みが建設業にとどまらず、暑熱環境で働くすべての職種における職場環境の改善と従業員の健康維持に貢献することを目的としている。
ファッションブランドデザイナーと共同でオリジナル空調服とポロシャツを制作し、スマートウォッチ型体調管理システムも導入する包括的な安全対策だ。
創業80周年で始まったブランディング戦略が熱中症対策に発展
「作業着という従来のイメージを払拭し、私服としても着用できるようなお洒落な制服を目指したい」。
岡部竜一社長のこの言葉から始まった同社のユニフォーム改革は、2023年の創業80周年記念事業がきっかけだった。
新たなOKABEブランディングの一環として、これまでファッションブランドデザイナーと協力してオリジナルデザインの作業着、防寒着、ヘルメットを制作してきた実績がある。
今回の夏対策は、その延長線上にある取り組みだが、単なるデザイン性の向上にとどまらない。

2025年6月に施行された政府による職場での熱中症対策義務化を背景に、企業に求められる従業員の健康と安全を最優先にした環境づくりへの対応でもある。
「例年にない早さで夏のような暑さが訪れる中、建設現場での熱中症リスクの高まりに対応したい」と同社は説明する。
現場で働く社員一人ひとりが少しでも快適に過ごせるよう、衣服の素材や着心地にまで配慮した見直しを行うとともに、体調の変化にも目を配れる仕組みを整えている。
現場の声を反映した空調服とポロシャツで機能性とデザイン性を両立
今回導入した空調服は、従来の空調服に対する現場社員の声をもとに課題を改善し、機能面を改良した仕様となっている。
特に車両移動時にファンが干渉するという課題に対しては、ファンの位置を変更することで実際の使用環境に即した仕様に仕上げた。
生地には夏季の使用を考慮した薄手素材を採用しながらも、ファン稼働時の膨張による引き裂きやほつれを抑えるため、高密度のリップストップ(格子状補強)構造を取り入れている。
さらに野外作業に対応できる撥水性に加え、ノンコーティングによる優れた透湿性を実現し、ソフトでしなやかな肌ざわりで快適な着心地を保つ。

デザイン面では胸元に配した社名のほか、ファスナーやボタンなどのパーツには同社のコーポレートカラーである「藤色」をあしらい、さりげないアクセントを加えている。
また袖口にはリフレクタープリントで社名を表記し、夜間作業時の視認性と安全性にも配慮した。
新たに制作したオリジナルポロシャツは、現場での実用性と日常使いの両立を追求した仕上がりとなっている。

生地には環境への配慮としてリサイクルポリエステル糸を使用し、毎日着用することを想定して家庭での洗濯やお手入れが簡単になるよう形態安定性に優れた仕様としている。
吸水速乾性を持ち、表面が毛玉になりにくい抗ピル加工も施され、建設現場での屋外作業が多いことを踏まえ、紫外線対策としてUVカット機能を取り入れている。
加えて衣服の内側の要所には消臭効果を高めるテープが配置され、汗や臭いが気になる夏場でも快適に着用できるよう配慮している。
スマートウォッチで心拍数とWBGT値を監視し早期警告システムを構築
熱中症リスクの高まる夏場において、社員の安全をより確実に守るため、同社では体調管理システムを導入した。
このシステムでは専用のスマートウォッチから収集された現場作業員の心拍数と年齢、現場の暑さ指数(WBGT値)が指標の閾値を超えた場合に、瞬時に作業管理者と作業者本人に警報アラートを通知する。
クラウド上で複数の現場を一括で確認できるため、異常な兆候をいち早く察知し、早期対応につなげることが可能だ。
現場ごとの温度や湿度に左右される体調変化を見える化することで、危険を未然に防ぎ、社員が安心して作業に集中できる環境づくりを支援している。
実際に新しい空調服を着用している社員からは「以前に比べてデザイン性が高く、素材感も良いため着心地がよくなった」「体感的にも以前より涼しく感じられて、作業中の快適さが向上している」「ファンの位置が変わったことで、車に乗って座るときに背中に当たる違和感もなくなり、より快適に使用できるようになった」といった声が寄せられている。
同社は今回の取り組みが建設業にとどまらず、暑熱環境で働くすべての職種における職場環境の改善と従業員の健康維持に貢献することを目的としている。
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