ビルや施設をはじめとした多くの建築物や橋、ダム、トンネル、道路など、あらゆる構造物に使われているコンクリート。
今回は、建設現場で不可欠なコンクリートの基礎知識を押さえておこう。
セメントと水と骨材(砂や砂利)の3つの材料を練り混ぜて作られる、コンクリート。
自由な形にでき、耐久性や耐火性に優れているという利点がある。
最初はドロドロの状態だが、セメントに水を加えると「水和反応(化学反応の一種)」が生じて硬く固まっていく。
まだ固まってない状態のコンクリートを「生コン(生コンクリート)」という。
施工の際は、工場で練り混ぜられた生コンクリートを、固まらない状態で現場まで運ぶ必要がある。
そのまま運ぶと材料が分離して品質に影響が出てしまうため、専用のアジテータトラック(生コン車)を使ってゆっくりとドラムで撹拌し続けながら、コンクリートが均一になるように運んでいく。
建設現場で最も一般的なレディーミクストコンクリートは、JIS A 5308に規定された品質基準に基づいて製造される。
呼び強度は18~60N/mm²で、一般的な建築物では24~36N/mm²が多用される。
高強度コンクリートは、設計基準強度が60N/mm²以上で、超高層ビルの下層階に使用される。
低水セメント比(30%程度)と高性能AE減水剤の使用により、優れた強度特性と耐久性を実現する。最新の配合技術では、200N/mm²を超える超高強度も実用化されている。
軽量コンクリートは、普通コンクリートの単位容積質量2.3t/m³に対し、1.75t/m³程度まで軽量化が可能だ。
人工軽量骨材を使用し、建物の自重を30%程度低減できる。耐火性にも優れ、設計の自由度を高める特徴がある。
特殊用途では、膨張コンクリート、繊維補強コンクリート、自己充填コンクリートなども開発されている。
膨張材や各種繊維を混入することで、ひび割れ抵抗性や施工性を向上させている。
コンクリートの品質管理は、フレッシュ時と硬化後の両段階で実施される。
フレッシュ時の代表的試験であるスランプ試験(JIS A 1101)では、所定の形状の型枠を用いて作業性を数値化する。
一般的な範囲は8~18cmで、打設箇所や工法に応じて適切な値を選定する。
圧縮強度試験は、φ100×200mmの円柱供試体を用い、材齢28日で実施するのが標準だ。
JIS A 1108に基づき、供試体3個の平均値で判定する。強度発現は水セメント比に大きく依存し、温度管理や養生条件も重要となる。
空気量は、AE剤の添加により4.5±1.5%程度に調整される。エアメーター法(JIS A 1128)で測定し、凍結融解抵抗性や施工性に影響を与える重要な指標となる。
近年は、ICTを活用した品質管理も進んでおり、センサーによるリアルタイムモニタリングや、AIによる強度予測なども実用化されている。
コンクリート産業のCO2排出量は、世界の総排出量の約8%を占めると言われ、環境負荷低減が急務となっている。
環境配慮型コンクリートでは、普通ポルトランドセメントの一部を高炉スラグ微粉末やフライアッシュで置換する。置換率40~70%で、CO2排出量を最大70%削減可能だ。
リサイクル骨材は、JIS A 5021~5023で品質規定され、Hクラスでは構造用コンクリートにも使用可能となっている。加熱すりもみ処理や機械的処理により、付着モルタルを除去し、天然骨材に近い品質を確保する。
最新のCO2削減技術として、CO2を直接吸収固定化する炭酸化コンクリートや、加熱エネルギーを低減できる省エネ型セメントの開発も進んでいる。
さらに、デジタル技術を活用した配合最適化により、必要最小限の資源で要求性能を満たす取り組みも始まっている。
こうした扱いに注意が必要なコンクリート。今、現場で使われず産業廃棄物として処分される余剰な生コンクリート、いわゆる「残コン」の問題が浮かび上がっている。
コスト面でも環境面でもムダなコンクリートを削減することが求められ、そのためには正確なコンクリートの使用量計算が一つの鍵だ。
残コン削減対策の一つとしておすすめなのが、3次元スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」だ。
iPhoneを使って現場の地形や構造物の正確な数値を3次元点群データで取得し体積計算が可能で、人的なミスを防ぎ、コンクリートの必要量を高い精度で見積もることができる。
単純に測量できない特殊な形状でも正確に測量でき、初心者でも1人で簡単に使える操作性のメリットも大きい。
すでに清水建設などの大手ゼネコンでも導入され、実際に残コン削減への手応えを実感しているという。
OPTiM Geo Scanの無料体験会も行っているため、残コン対策を検討中の建設業界の方はぜひ検討してみてはいかがだろう。
今回は、建設現場で不可欠なコンクリートの基礎知識を押さえておこう。
コンクリートの基本!なぜ固まる?どう運ぶ?
セメントと水と骨材(砂や砂利)の3つの材料を練り混ぜて作られる、コンクリート。
コンクリート:
セメントと水と骨材(砂や砂利)の3つの材料を練り混ぜて作られる
セメントと水と骨材(砂や砂利)の3つの材料を練り混ぜて作られる
自由な形にでき、耐久性や耐火性に優れているという利点がある。
最初はドロドロの状態だが、セメントに水を加えると「水和反応(化学反応の一種)」が生じて硬く固まっていく。
まだ固まってない状態のコンクリートを「生コン(生コンクリート)」という。
施工の際は、工場で練り混ぜられた生コンクリートを、固まらない状態で現場まで運ぶ必要がある。
そのまま運ぶと材料が分離して品質に影響が出てしまうため、専用のアジテータトラック(生コン車)を使ってゆっくりとドラムで撹拌し続けながら、コンクリートが均一になるように運んでいく。
コンクリートの種類と特性
建設現場で最も一般的なレディーミクストコンクリートは、JIS A 5308に規定された品質基準に基づいて製造される。
呼び強度は18~60N/mm²で、一般的な建築物では24~36N/mm²が多用される。
呼び強度:
コンクリートの設計基準強度に対して、温度補正を加えて発注される数値のこと
コンクリートの設計基準強度に対して、温度補正を加えて発注される数値のこと
高強度コンクリートは、設計基準強度が60N/mm²以上で、超高層ビルの下層階に使用される。
低水セメント比(30%程度)と高性能AE減水剤の使用により、優れた強度特性と耐久性を実現する。最新の配合技術では、200N/mm²を超える超高強度も実用化されている。
軽量コンクリートは、普通コンクリートの単位容積質量2.3t/m³に対し、1.75t/m³程度まで軽量化が可能だ。
人工軽量骨材を使用し、建物の自重を30%程度低減できる。耐火性にも優れ、設計の自由度を高める特徴がある。
特殊用途では、膨張コンクリート、繊維補強コンクリート、自己充填コンクリートなども開発されている。
膨張材や各種繊維を混入することで、ひび割れ抵抗性や施工性を向上させている。
コンクリートの品質管理の重要ポイント
コンクリートの品質管理は、フレッシュ時と硬化後の両段階で実施される。
フレッシュ時の代表的試験であるスランプ試験(JIS A 1101)では、所定の形状の型枠を用いて作業性を数値化する。
スランプ試験:
凝固する前のコンクリートの流動性を示す値を調べる試験です。
凝固する前のコンクリートの流動性を示す値を調べる試験です。
一般的な範囲は8~18cmで、打設箇所や工法に応じて適切な値を選定する。
圧縮強度試験は、φ100×200mmの円柱供試体を用い、材齢28日で実施するのが標準だ。
JIS A 1108に基づき、供試体3個の平均値で判定する。強度発現は水セメント比に大きく依存し、温度管理や養生条件も重要となる。
空気量は、AE剤の添加により4.5±1.5%程度に調整される。エアメーター法(JIS A 1128)で測定し、凍結融解抵抗性や施工性に影響を与える重要な指標となる。
近年は、ICTを活用した品質管理も進んでおり、センサーによるリアルタイムモニタリングや、AIによる強度予測なども実用化されている。
コンクリートの持続可能性への取り組み
コンクリート産業のCO2排出量は、世界の総排出量の約8%を占めると言われ、環境負荷低減が急務となっている。
環境配慮型コンクリートでは、普通ポルトランドセメントの一部を高炉スラグ微粉末やフライアッシュで置換する。置換率40~70%で、CO2排出量を最大70%削減可能だ。
リサイクル骨材は、JIS A 5021~5023で品質規定され、Hクラスでは構造用コンクリートにも使用可能となっている。加熱すりもみ処理や機械的処理により、付着モルタルを除去し、天然骨材に近い品質を確保する。
最新のCO2削減技術として、CO2を直接吸収固定化する炭酸化コンクリートや、加熱エネルギーを低減できる省エネ型セメントの開発も進んでいる。
さらに、デジタル技術を活用した配合最適化により、必要最小限の資源で要求性能を満たす取り組みも始まっている。
残コン削減にスマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」が役立つ!?
こうした扱いに注意が必要なコンクリート。今、現場で使われず産業廃棄物として処分される余剰な生コンクリート、いわゆる「残コン」の問題が浮かび上がっている。
コスト面でも環境面でもムダなコンクリートを削減することが求められ、そのためには正確なコンクリートの使用量計算が一つの鍵だ。
残コン削減対策の一つとしておすすめなのが、3次元スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」だ。
iPhoneを使って現場の地形や構造物の正確な数値を3次元点群データで取得し体積計算が可能で、人的なミスを防ぎ、コンクリートの必要量を高い精度で見積もることができる。
単純に測量できない特殊な形状でも正確に測量でき、初心者でも1人で簡単に使える操作性のメリットも大きい。
すでに清水建設などの大手ゼネコンでも導入され、実際に残コン削減への手応えを実感しているという。
OPTiM Geo Scanの無料体験会も行っているため、残コン対策を検討中の建設業界の方はぜひ検討してみてはいかがだろう。
WRITTEN by
建設土木の未来を
ICTで変えるメディア