コラム・特集
平田 佳子 2024.8.9

解説!「盛土規制法」とは?

土工事は、土地を高くするために土や砂を積み上げる工事で、道路や建物の基礎工事、農地造成など様々な目的で行われる。

しかし、適切に計画や管理がなされない場合、地滑りや浸水などの災害リスクが高まる。これを受けて、盛土工事に対する規制を強化する「宅地造成等規制法の一部を改正する法律」(令和4年法律第55号。通称「盛土規制法」/国土交通省と農林水産省(林野庁含む)による共管法)が制定された。

本記事では、盛土規制法の概要や制定の背景などについて解説していく。


盛土規制法の背景


近年、都市化や開発の進展に伴い盛土工事(土地を高くするために土や砂を積み上げる工事)が増加し、それに伴う災害も頻発している。
(画像:国交省盛土・宅地防災WEBページより)

とくに2021年の静岡県熱海市の土砂災害は、盛土の不適切な処理が原因とされ大きな問題となった。また、危険な盛土などに関する法律規制が十分ではないエリアが存在していたことから、これを受けて、盛土規制法が制定された。

盛土規制法の概要


盛土規制法は、特に地形的にリスクが高い地域を対象としている。具体的には、急斜面や地滑りの多発地域、洪水の危険がある地域などが該当する。また、一定規模以上の盛土工事についても適用される。
(画像:国交省盛土・宅地防災WEBページより)


規制区域と対象


都道府県知事等が、宅地、農地、森林等の土地の用途にかかわらず、盛土等により人家等に被害を及ぼしうる区域を規制区域として指定する。農地・森林の造成や土石の一時的な堆積も含め、規制区域内で行う盛土等を許可の対象とする。

盛土等の安全性の確保


盛土等を行うエリアの地形・地質等に応じて、災害防止のために必要な許可基準を設定。
許可基準に沿って安全対策が行われているかを確認するため、(ア)施工状況の定期報告、(イ)施工中の中間検査及び(ウ)工事完了時の完了検査を実施する。
(画像:国交省盛土・宅地防災WEBページより)


責任の所在の明確化と罰則措置


盛土等が行われた土地について、土地所有者等が安全な状態に維持する責務を有することを明確化する。さらに、災害防止のため必要なときは、土地所有者等だけでなく、原因行為者に対しても、是正措置等を命令できることとする

罰則が抑止力として十分機能するよう、無許可行為や命令違反等に対する罰則について、条例による罰則の上限より高い水準に強化。最大で懲役3年以下・罰金1,000万円以下・法人重科3億円以下。

盛土規制法の課題と今後の展望


盛土規制法は、公共の安全を確保するための重要な法律であるが、いくつかの課題も存在する。

例えば、盛土工事の許可や監視業務は、地方自治体に大きな負担をかける。特に、小規模な自治体では、専門知識を持つ職員が不足している場合が多い。

盛土の安全対策については、行為者等による是正措置を基本としつつ、地方公共団体が実施する安全性把握のための詳細調査や盛土の撤去、擁壁設置等の対策工事に要する費用の一部を補助しているほか、地方公共団体が行う基礎調査の費用の一部についても支援を行っている。詳しくは、各自治体ホームページなどを参照してほしい。

スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」なら、盛土の堆積計算、管理にスマホ測量アプリがラクラク!一人でできる!

今、土木・建設、建築、インフラの現場で活躍しているのが、スマホ測量アプリOPTiM Geo Scan」だ。

iPhoneにデフォルトで搭載されているLiDARセンサーを活用して3次元測量GNSS測量ができるアプリなのだが、このアプリを契約すれば、無料で「体積計算」ができる機能が使えるようになるのだ。切土や盛土の土量管理、資材体積の計算、日々の工事の進捗確認で活用できる。

(撮影:デジコン編集部)

(撮影:デジコン編集部)

しかもその使い勝手は優れもので、測量士/測量士補などの専門の知識はいっさい不要。数十分使い方のレクチャーさえ受ければ、誰でも簡単に、ひとり測量や土量計算が行える測量アプリなのだ。直感的な操作だから、サクサク進む。

「アプリだから精度が厳しいんじゃないの?」と懐疑的な目を向けている方もご安心あれ。

(撮影:デジコン編集部)

測位精度は、令和4年度の国土交通省 「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」にも準拠していることから、「出来形測量」「起工測量」でも使用することができる。もし気になる業界関係者の方は以下の資料請求ボタンから無料資料をダウンロードしてみてほしい。


 


参考・画像元:国土交通省「盛土規制法とは」参照
印刷ページを表示
WRITTEN by

平田 佳子

ライター歴15年。幅広い業界の広告・Webのライティングのほか、建設会社の人材採用関連の取材・ライティングも多く手がける。祖父が土木・建設の仕事をしていたため、小さな頃から憧れあり。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。