トプコンが油圧ショベル用のICT建機システム「MC-Maxショベル」を発売。施工履歴データ収集と自動制御機能で生産性向上

トプコンは、油圧ショベル用の次世代ICT建機システム「MC-Maxショベル」を発売すると発表した。

作業進捗をリアルタイム把握する施工履歴機能とチルトローテータの自動制御で省人化と高精度施工を実現

「MC-Maxショベル」は、GNSSやトータルステーションを位置情報センサーとして活用するマシンガイダンスとマシンコントロールの両方に対応した製品で、建設現場の施工効率化や高精度化を図るシステムである。

国土交通省が2024年4月に発表した新たな建設DX政策「i-Construction 2.0」を背景に、建設分野における生産性向上と省人化に貢献する技術として注目される。

本システムの主な特長の一つは、施工履歴データの収集・記録機能である。

バケットの刃先位置を正確に計測し、施工履歴データとして記録することで、作業の進捗をリアルタイムに把握することが可能となる。

従来は施工の進捗を把握するために数週間に1回程度の現状計測が必要だったが、この機能により計測頻度を大幅に削減できる。

また、施工後に設計通りの作業が行われたかを検査する工程も省略できるため、作業効率の向上につながる。

もう一つの大きな特長は、バケットを傾斜・回転させるチルトローテータの自動制御機能である。

この機能により、バケットが人間の手首のように自由に動くことができ、一カ所から建機を移動させずに作業できる範囲が広がる。

特に複雑な施工や狭いスペースでの作業が容易になるだけでなく、作業の精度やスピードも向上する。

また、チルトローテータが自動制御されるため、オペレーターの技能に左右されない高品質な施工が実現できる点も大きなメリットである。

操作面でも、10.1インチの大型ディスプレー「GX-90」を採用し、マルチタッチ対応により拡大・縮小などの直感的な操作を可能にしている。

高い視認性と操作性によって、作業効率の向上をサポートする設計となっている。

さらに、通信範囲が半径約300mの長距離Bluetooth通信「LongLink」を搭載しており、施工現場に「LongLink」対応のGNSS受信機を基準局として設置することで、無線登録が不要かつランニングコストがかからない施工が可能となる。

1つの基準局から3台の「MC-Maxショベル」をコントロールでき、効率的かつ高精度な施工を低コストで実現できる点も注目される。