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デジコン編集部 2025.10.16

大成建設、シールドトンネル外周地盤調査技術を開発。坑内から安全かつ迅速に地盤性状をリアルタイム可視化

大成建設は、シールドトンネル外周地盤の性状をトンネル坑内から安全かつ迅速に調査し、結果をリアルタイムに可視化できる調査技術「T-iGeoViewer」を開発した。

本技術は小型化された計測装置とセグメントのグラウトホールを活用することで、地上に大がかりな測定機器等を設置せず、地下水位以下の環境でも土質試料の採取や詳細な土質試験を実施でき、供用中のシールドトンネルの修繕・補強工事に適用可能である。

独自の止水機構により地下水圧を制御し安全な調査を実現


国内の鉄道・道路、上下水道、共同溝などのシールドトンネルの多くは供用開始後30年以上を経過している。

供用期間中の外周地盤や地下水位の変化などの影響から劣化が進み、補修・補強が必要になる事例が増えている。

補修・補強工事の実施に際してはシールドトンネルの外周地盤がどのような状態にあるか精確な地盤情報の取得が重要である。

しかし従来、トンネル外周地盤の調査では地表からのボーリングや物理探査は、市街地での調査用地の確保などの制約から調査が必要な箇所での詳細な地盤情報を精度よく迅速に把握することが困難であることが課題となっていた。

本技術により、小型化した計測装置で都市部でも地表面に調査用地の確保が不要となり、調査準備期間の短縮や作業負荷の軽減、コスト抑制を実現しトンネル坑内から調査箇所の詳細な地盤情報を効率的に取得できる。

(試験結果のリアルタイム可視化)

独自開発の止水機構により地下水圧を制御し、トンネル坑内への地下水の流入を防止しながら調査する。

調査箇所での地盤の試料採取や原位置土質試験を安全かつ精確に実施できる。
(土質試料の採取と土質試験の実施に使用する機材)

二重管サンプラーを用いて土質試料を採取し、電気式コーン貫入試験により支持力や間隙水圧などを連続測定する。

砂・粘土の土層構成や硬さなどの地盤物性を即時に把握しリアルタイムに可視化する。

測定結果は水漏れ・損傷などの異常時の原因究明や適切な対策工の迅速な検討に有効である。





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