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デジコン編集部 2024.9.4

Starlink活用によるトンネル建設現場からの3D点群データのリアルタイム伝送に成功。KDDI、清水建設ら

KDDI、KDDI総合研究所、KDDIスマートドローン清水建設は、北海道新幹線の渡島トンネル工区で、Starlinkを活用した「Satellite Mobile Link」を使い、3D点群データをリアルタイムで伝送する実証実験に成功した。

この技術は、建設現場のDX推進において、特に施工管理や定期巡回の効率化を実現する大きな一歩となっている。

3次元点群データとは


3次元点群データは、奥行き情報を含む立体的な情報を取得できる技術で、測量や施工管理に幅広く活用されている。

しかし、そのデータ量は非常に多く、遠隔地との即時共有が従来は困難だった。通常、記録媒体を持ち運ぶか、膨大な時間をかけてクラウドにアップロードする必要があった。

実証の成果


今回の実証では、Starlinkによる「Satellite Mobile Link」を用いて、四足歩行ロボットやドローンに搭載したLiDAR 3Dスキャナーで撮影されたデータを、清水建設のイノベーション創出拠点「温故創新の森 NOVARE」へリアルタイムで伝送。

KDDI総合研究所が開発したデータ圧縮技術により、データの帯域を従来の約1/20に削減し、遠隔でのデータ確認を10秒以内で実現した。

この技術により、これまで数時間かかっていた施工進捗や異常確認を数秒で行うことが可能となり、現場管理の時間を大幅に短縮。将来的には、遠隔操作や自動化による監視や検査の効率化、安全性の向上が期待されている。

今回の技術は、土木や建築の分野で、設計情報であるBIMデータとリアルタイムに比較し、進捗管理や品質管理に活用できる。また、大規模なデジタルツインへの応用も可能で、点群データを使った高度な施工管理が期待されている。

KDDIや清水建設は、引き続き多様なパートナーと協力し、建設分野における技術開発と社会実装を進め、未来のDX化を目指していく予定だ。


参考・画像元:KDDIスマートドローンプレスリリース
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デジコン編集部

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