
首都・東京に隣接する千葉県は、太平洋に突き出した地形で三方を海に囲まれ、海洋性の穏やかな気候が特徴。水産業、農業ともに盛んで、臨海部には石油や鉄鋼などの工場も数多く、成田国際空港も要するなど、各産業にまつわる土木・建設工事が幅広く求められる地域だ。
2024年に「千葉県デジタル・トランスフォーメーション推進戦略」を策定した千葉県では、県で取り組む200事業での施策をとりまとめたばかりだ。
建設業については、おおむね10年後を目指して「建設現場等の生産性・安全性向上」を図る取り組みをスタートさせている。
同年から、県土整備部が発注する営繕工事(建築物の新築、増築、改築、修繕、模様替など)で情報共有システムや遠隔臨場の試行をはじめており、今年2025年5月から本格的に利用を拡大している。
また、一般社団法人千葉県建設業協会では、若い人に業界を知ってもらうためのユニークな広報活動に取り組んでいる。県内で建設業に従事する人々を“建者”と名付けて商標登録を行い、職業体験企画への参加や、建機体験会の開催など、「建者プロジェクト」として力を注いでいる。
本記事では、そんな千葉県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
千葉県船橋市に本社を置く横河ブリッジは、横河電機などからなる横河グループの中核企業のひとつだ。
1907年の創業以来、橋梁建設で国内最大級の事業を展開しており、設計から架設、補修補強、改築、更新まで一貫して手がける総合エンジニアリング会社として知られる。
(横河ブリッジWEBサイトより)
「技術の横河」との呼び名もある高い技術力を駆使して、新設橋梁事業、橋梁保全事業のほか、橋梁以外にも、新国立競技場の建築工事、世界貿易センタービルの解体工事、天文台などの可動建築工事やメンテナンスを数多く行っている。
また、国内に留まらず海外でも多くの実績があり、国際空港跡地に建設される香港最大のスポーツパーク「カイタックスポーツパーク」では、メインスタジアムアリーナの開閉屋根の設計、製作、施工、維持管理を担当している。
1901年に創業した平山建設は、木材と薪炭の営業から事業をスタートし、1963年に中学校舎建築を受注したことをきっかけに本格的に建設業に参入した企業だ。
千葉県北総地域を拠点として、「地元にあってよかった」と思われる存在を目指し実績を重ねている。
(平山建設WEBサイトより)
住宅、公共建築、倉庫などの産業用建築、店舗建築などを幅広く行っており、施工実績としては京成成田駅東口センターゲートビル、成田市内のナスパスタジアムなどがある。
2022年には、経済産業省が定めるDX認定制度に基づいた「DX認定事業者」に選定されており、翌年2023年には、建築DX事業を核とした東京都の企業であるネクストフィールド、NTT東日本と連携してDXの取り組みを協力会社にも展開するプロジェクトを立ち上げるなど、積極的な取り組みを続けている。
八州建機は、1976年に鉄筋加工業として創業し、1984年からは基礎杭工事を専業としてきた基礎工事に特化した企業だ。
従来のオールケーシング工法(揺動式)では不可能とされていた地盤でも施工できる全周回転式オールケーシング工法や、低振動・低騒音で施工できるリバース工法など、多数の工法と保有機械を導入して工事を行っている。

(八州建機WEBサイトより)
施工実績は県内外に広がっており、青森七戸風力発電所、宮城県の波路上漁港海岸防潮堤工事、東京外かく環状道路本線トンネルなどがある。
1950年に創業した山田工務所は、一般住宅から官公庁工事、土木工事、寺社工事まで幅広い施工実績を持つ総合建設業者だ。
(山田工務所WEBサイトより)
事業は、建設工事の請負・企画・設計・監理と、不動産の売買・賃貸・管理・仲介という2本柱からなる。
建設工事の実績は千葉市内を中心に県内に数多く、卸売市場の改築外工事、食品加工センターの新築工事、保育園や幼稚園の新築工事などがある。
上條建設は、1938年に千葉県市川市で創業した企業だ。現在では東京支店も構え、建築工事、舗装工事をはじめ、鋼構造物工事、とび・土工工事、管工事業土木工事、水道施設工事、造園工事、しゆんせつ工事を手広く行っている。
(上條建設WEBサイトより)
施工実績として、公共工事では市川市内の道の駅、市川市新第2庁舎新築などがあり、住宅や福祉施設新築といった民間工事も多数手がける。
また、東京支店を拠点として、錦糸中学校校舎耐震補強、錦糸公園野球場整備工事など、錦糸町をはじめとする都内での実績も持つ。
1966年に創立された松原建設は、しゅんせつ船と機材を多数保有し、水上土木のパイオニアとして、時代ごとに最新技術を採用しながら発展を続けてきた企業だ。
ダム・湖沼・河川・港湾などのしゅんせつ工事では、導入当時は画期的な「可搬式ポンプしゅんせつ船」をいち早く保有したほか、超軟弱地盤や湿地帯で陸上機械が入れない場合は泥上掘削機による工法を取り入れるなど、高い技術力が求められる現場での工事にも対応してきた。
(松原建設WEBサイトより)
また、一般台船の使用が難しい場所では、イギリスで開発された「ユニフロート工法」を導入しており、1989年からはユニフロートの製造販売権を譲り受けて、製造から施工までの一貫体制を整えて、全国5か所の機材センターに配備している。
実績は全国に広がっており、北海道の清水沢ダム施設改修工事、千葉県の銚子漁港しゅんせつ工事、石川県小松市の向本折大橋耐震補強工事、静岡県浜松市の馬込川浚渫工事、宮城県の新天王橋(旧北上川)架設工事などがある。
1984年に設立された太陽建設は、千葉県全域を営業エリアとして、土木工事、舗装工事業、リサイクル事業、アスファルト合材販売、再生砕石販売、産業廃棄物焼却事業を営んでいる。
2024年には年間売上高が41.1億円を突破するなど、千葉県をリードする土木事業者のひとつた。

(太陽建設WEBサイトより)
主な実績として、千葉県内の都市計画道路拡幅工事やバイパス新設工事、市原市内や浦安市内の商業施設の外構工事やテニスコート補修工事などがある。
また、2020年以降には、本社を置く長生郡で農産物直売所「ながら太陽ファーム」と飲食店の運営も行っており、地域に密着して事業を展開していることも特徴だ。
千葉市を拠点として、千葉県内をはじめ東京都内や三宅島などもフィールドに総合建設業を営む市原組は、1948年の創業、2000年の株式会社設立を経て、県屈指の企業を目指して日々技術力を磨き続けている企業だ。
(市原組WEBサイトより)
直近の実績として、グループ会社の一員として参加した「大阪万博」のハンガリーパビリオンが竣工したばかりだ。
2024年時点で社員の平均年齢が42歳と若いことが特徴で、働きやすい環境づくりと仕事の効率化に積極的に取り組んでいる。
例えば、「休める現場監督への挑戦」と題して、内閣府、厚生労働省、経済産業省と共同して提唱・推進する「ポジティブ・オフ運動」に賛同し、休暇取得日数の増加を目指したり、工事現場のICT化と並行して、社内会議はZOOMを使用してオンラインで行ったり、社内の連絡やデータ共有、出退勤などをクラウドで管理するといった試みを行っている。
新総建設は、1974年に一般土木、海洋土木、しゅんせつと埋立工事を主な事業として創業した。海上土木事業のパイオニアとして知られる東京都の若築建設株式会社のもとで、グループ会社として誕生した企業だ。
( 新総建設WEBサイトより)
グラブ浚渫船兼全旋回式起重機船、スパッド付多目的起重機船などの船舶を多数保有して工事にあたっている。
施工事例として、コンクリートミキサー船のコンクリート打設工事、工事用船舶のしゅんせつ工事などがある。下水道工事や造成工事も手がけており、海上から陸上まで、幅広く活躍している。
1948年に設立された大城組は、千葉県市川市を中心として、学校、幼稚園、福祉施設、オフィスビル、店舗、マンションなどの建設や、道路工事などのインフラ整備を通じて、地元のまちづくりに長く貢献してきた。規模の拡大ではなく、地元の発展を支え続けることを目指している企業だ。
(大城組WEBサイトより)
技術者の9割が一級建築士もしくは一級施工管理技士を持つプロフェッショナル集団であることが特徴で、さらに、設計や内外装、設備工事、電気工事などの専門業者をパートナーとして、高い技術力と誠実な姿勢で事業に取り組んでいる。
施工実績として過去には、施工した知的障がい者支援施設「上総喜望の郷 おむかいさん」が千葉県建築文化賞を受賞するなど、優良表彰も数多い。
千葉県松戸市の幸和建設興業は、1976年の創業時から自然環境や地球環境への配慮に留意しながら事業を展開してきた企業だ。
(幸和建設興業WEBサイトより)
道路工事や宅地造成工事などの土木工事、上下水道工事、造園工事のほか、土壌汚染等環境対策工事など環境対策工事も数多く手がけている。
近年の工事経歴としては、千葉県内での河川激甚災害対策特別緊急工事や公共運動公園周辺地区整備工事、清水建設と取り組んだ東京外環自動車道大泉シールド工事や市川南ポンプ所工事などがある。
千葉県香取市を拠点とする石井工業は、1904年の創業から120年を超える歴史ある総合建設企業だ。
現場にあわせた多様なソリューションを持っており、特に、物流倉庫などに特化したyess建築では5年連続受注面積千葉県1位を誇っている。
(石井工業WEBサイトより)
i-Constructionの取り組みにも注力しており、土木分野では2024年に最新型の移動体レーザースキャナーを起工測量へと導入したり、点群処理、3D設計データ作成、3D構造物モデル作成、BIM/CIM統合モデルなどを活用している。
建築分野でも、設計照査、現況測量、干渉チェック、施工ステップ作成、数量算出などの場面で3Dモデルを活かしている。
近年の施工実績としては、千葉県各所での倉庫・工場建築をはじめ、千葉県香取市の佐原駅周辺地区複合公共施設建設工事、県単交通安全対策工事などがある。
また、2024年時点の年齢構成は20代から60代までほぼ同程度の割合になっており、入社3年未満の社員定着率は7割を超える。
コロナ禍など社会情勢の変動が大きかったここ5年だけを見ても毎年新卒採用も行っており、若手の育成にも前のめりに取り組む企業だ。
新千葉建設は、1957年に初代が個人事業として開業した土木・建築工事業を土台として、1969年に会社を設立、1973年に現在の社名へと改称した歴史を持つ企業だ。
(新千葉建設WEBサイトより)
土木工事、舗装工事、建築工事を主軸としており、災害復旧工事や耐震化工事などの公共工事も幅広く手がけている。建築工事でも、公共の耐震化工事を多数担うなど、地域の発展と安全への貢献を続けている。
2021年には、長年工事に携わった都市計画道路の八幡椎津線、青柳海保線が開通し、新千葉建設を代表する施工事例のひとつとなっている。
1917年の創業から100周年を迎えた山内工業は、地域に根差した事業を展開する総合建設業者だ。豊富な専門知識と実績、創意工夫に富んだ表現力、創意工夫に富んだ表現力によって、選ばれ続ける価値を提供してきた。
(山内工業WEBサイトより)
土木、建築、とび土工、舗装、屋根、防水、塗装、鋼構造物、内装仕上、解体の各建設業許可を取得しており、幅広く工事を手がけている。
施工事例として、建築部門では、千葉県から受注した千葉県射撃場(静的射撃場)増築工事、東日本高速道路から受注した東京湾海ほたるPAトイレ改修工事などがある。
土木部門では、中部林業事務所から受注した千葉県市原市内の山地災害総合減災対策治山工事、千葉県から受注した県単舗装道路修繕工事などがある。
千葉県船橋市に本社を置く安藤建設は、2006年に鳶工事業を柱として創業し、2008年に設立されたばかりの新しい企業だ。
設立後、社会情勢や地域のニーズにあわせて事業領域を拡大しており、現在では、太陽光発電・風力発電などの自然エネルギー事業、土木事業も手がけている。
(安藤建設WEBサイトより)
東京オリンピックの関連施設や大規模商業施設の建設にも携わるなど、都内での事例が数多く、その活躍は目覚ましい。
鳶工事業においては、現場ごとに最適な施工を見極めながら、鉄骨工事、足場工事、タワークレーン工事といった、特殊な技術や重機の必要な工事を手がけている。
施工事例として、富士通ゼネラル技術研究棟の建設工事、東京ビックサイトの整備工事などがある。
また、環境エネルギー事業では、太陽光発電事業の企画・設計、施工、運用、保守をトータルサポートできる体制を持っており、千葉県内を中心として、多数の設置工事を行ってきた。派生する伐採・造成工事も自社で実施しており、そのノウハウを活かして、駐車場整備、造園工事、外構工事なども引き受けている。
2024年に「千葉県デジタル・トランスフォーメーション推進戦略」を策定した千葉県では、県で取り組む200事業での施策をとりまとめたばかりだ。
建設業については、おおむね10年後を目指して「建設現場等の生産性・安全性向上」を図る取り組みをスタートさせている。
同年から、県土整備部が発注する営繕工事(建築物の新築、増築、改築、修繕、模様替など)で情報共有システムや遠隔臨場の試行をはじめており、今年2025年5月から本格的に利用を拡大している。
また、一般社団法人千葉県建設業協会では、若い人に業界を知ってもらうためのユニークな広報活動に取り組んでいる。県内で建設業に従事する人々を“建者”と名付けて商標登録を行い、職業体験企画への参加や、建機体験会の開催など、「建者プロジェクト」として力を注いでいる。
本記事では、そんな千葉県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 横河ブリッジ
千葉県船橋市に本社を置く横河ブリッジは、横河電機などからなる横河グループの中核企業のひとつだ。
1907年の創業以来、橋梁建設で国内最大級の事業を展開しており、設計から架設、補修補強、改築、更新まで一貫して手がける総合エンジニアリング会社として知られる。

「技術の横河」との呼び名もある高い技術力を駆使して、新設橋梁事業、橋梁保全事業のほか、橋梁以外にも、新国立競技場の建築工事、世界貿易センタービルの解体工事、天文台などの可動建築工事やメンテナンスを数多く行っている。
また、国内に留まらず海外でも多くの実績があり、国際空港跡地に建設される香港最大のスポーツパーク「カイタックスポーツパーク」では、メインスタジアムアリーナの開閉屋根の設計、製作、施工、維持管理を担当している。
2. 平山建設
1901年に創業した平山建設は、木材と薪炭の営業から事業をスタートし、1963年に中学校舎建築を受注したことをきっかけに本格的に建設業に参入した企業だ。
千葉県北総地域を拠点として、「地元にあってよかった」と思われる存在を目指し実績を重ねている。

住宅、公共建築、倉庫などの産業用建築、店舗建築などを幅広く行っており、施工実績としては京成成田駅東口センターゲートビル、成田市内のナスパスタジアムなどがある。
2022年には、経済産業省が定めるDX認定制度に基づいた「DX認定事業者」に選定されており、翌年2023年には、建築DX事業を核とした東京都の企業であるネクストフィールド、NTT東日本と連携してDXの取り組みを協力会社にも展開するプロジェクトを立ち上げるなど、積極的な取り組みを続けている。
3. 八州建機
八州建機は、1976年に鉄筋加工業として創業し、1984年からは基礎杭工事を専業としてきた基礎工事に特化した企業だ。
従来のオールケーシング工法(揺動式)では不可能とされていた地盤でも施工できる全周回転式オールケーシング工法や、低振動・低騒音で施工できるリバース工法など、多数の工法と保有機械を導入して工事を行っている。

(八州建機WEBサイトより)
施工実績は県内外に広がっており、青森七戸風力発電所、宮城県の波路上漁港海岸防潮堤工事、東京外かく環状道路本線トンネルなどがある。
4. 山田工務所
1950年に創業した山田工務所は、一般住宅から官公庁工事、土木工事、寺社工事まで幅広い施工実績を持つ総合建設業者だ。

事業は、建設工事の請負・企画・設計・監理と、不動産の売買・賃貸・管理・仲介という2本柱からなる。
建設工事の実績は千葉市内を中心に県内に数多く、卸売市場の改築外工事、食品加工センターの新築工事、保育園や幼稚園の新築工事などがある。
5. 上條建設
上條建設は、1938年に千葉県市川市で創業した企業だ。現在では東京支店も構え、建築工事、舗装工事をはじめ、鋼構造物工事、とび・土工工事、管工事業土木工事、水道施設工事、造園工事、しゆんせつ工事を手広く行っている。

施工実績として、公共工事では市川市内の道の駅、市川市新第2庁舎新築などがあり、住宅や福祉施設新築といった民間工事も多数手がける。
また、東京支店を拠点として、錦糸中学校校舎耐震補強、錦糸公園野球場整備工事など、錦糸町をはじめとする都内での実績も持つ。
6. 松原建設
1966年に創立された松原建設は、しゅんせつ船と機材を多数保有し、水上土木のパイオニアとして、時代ごとに最新技術を採用しながら発展を続けてきた企業だ。
ダム・湖沼・河川・港湾などのしゅんせつ工事では、導入当時は画期的な「可搬式ポンプしゅんせつ船」をいち早く保有したほか、超軟弱地盤や湿地帯で陸上機械が入れない場合は泥上掘削機による工法を取り入れるなど、高い技術力が求められる現場での工事にも対応してきた。

また、一般台船の使用が難しい場所では、イギリスで開発された「ユニフロート工法」を導入しており、1989年からはユニフロートの製造販売権を譲り受けて、製造から施工までの一貫体制を整えて、全国5か所の機材センターに配備している。
実績は全国に広がっており、北海道の清水沢ダム施設改修工事、千葉県の銚子漁港しゅんせつ工事、石川県小松市の向本折大橋耐震補強工事、静岡県浜松市の馬込川浚渫工事、宮城県の新天王橋(旧北上川)架設工事などがある。
7. 太陽建設
1984年に設立された太陽建設は、千葉県全域を営業エリアとして、土木工事、舗装工事業、リサイクル事業、アスファルト合材販売、再生砕石販売、産業廃棄物焼却事業を営んでいる。
2024年には年間売上高が41.1億円を突破するなど、千葉県をリードする土木事業者のひとつた。

(太陽建設WEBサイトより)
主な実績として、千葉県内の都市計画道路拡幅工事やバイパス新設工事、市原市内や浦安市内の商業施設の外構工事やテニスコート補修工事などがある。
また、2020年以降には、本社を置く長生郡で農産物直売所「ながら太陽ファーム」と飲食店の運営も行っており、地域に密着して事業を展開していることも特徴だ。
8. 市原組
千葉市を拠点として、千葉県内をはじめ東京都内や三宅島などもフィールドに総合建設業を営む市原組は、1948年の創業、2000年の株式会社設立を経て、県屈指の企業を目指して日々技術力を磨き続けている企業だ。

直近の実績として、グループ会社の一員として参加した「大阪万博」のハンガリーパビリオンが竣工したばかりだ。
2024年時点で社員の平均年齢が42歳と若いことが特徴で、働きやすい環境づくりと仕事の効率化に積極的に取り組んでいる。
例えば、「休める現場監督への挑戦」と題して、内閣府、厚生労働省、経済産業省と共同して提唱・推進する「ポジティブ・オフ運動」に賛同し、休暇取得日数の増加を目指したり、工事現場のICT化と並行して、社内会議はZOOMを使用してオンラインで行ったり、社内の連絡やデータ共有、出退勤などをクラウドで管理するといった試みを行っている。
9. 新総建設
新総建設は、1974年に一般土木、海洋土木、しゅんせつと埋立工事を主な事業として創業した。海上土木事業のパイオニアとして知られる東京都の若築建設株式会社のもとで、グループ会社として誕生した企業だ。

グラブ浚渫船兼全旋回式起重機船、スパッド付多目的起重機船などの船舶を多数保有して工事にあたっている。
施工事例として、コンクリートミキサー船のコンクリート打設工事、工事用船舶のしゅんせつ工事などがある。下水道工事や造成工事も手がけており、海上から陸上まで、幅広く活躍している。
10. 大城組
1948年に設立された大城組は、千葉県市川市を中心として、学校、幼稚園、福祉施設、オフィスビル、店舗、マンションなどの建設や、道路工事などのインフラ整備を通じて、地元のまちづくりに長く貢献してきた。規模の拡大ではなく、地元の発展を支え続けることを目指している企業だ。

技術者の9割が一級建築士もしくは一級施工管理技士を持つプロフェッショナル集団であることが特徴で、さらに、設計や内外装、設備工事、電気工事などの専門業者をパートナーとして、高い技術力と誠実な姿勢で事業に取り組んでいる。
施工実績として過去には、施工した知的障がい者支援施設「上総喜望の郷 おむかいさん」が千葉県建築文化賞を受賞するなど、優良表彰も数多い。
11. 幸和建設興業
千葉県松戸市の幸和建設興業は、1976年の創業時から自然環境や地球環境への配慮に留意しながら事業を展開してきた企業だ。

道路工事や宅地造成工事などの土木工事、上下水道工事、造園工事のほか、土壌汚染等環境対策工事など環境対策工事も数多く手がけている。
近年の工事経歴としては、千葉県内での河川激甚災害対策特別緊急工事や公共運動公園周辺地区整備工事、清水建設と取り組んだ東京外環自動車道大泉シールド工事や市川南ポンプ所工事などがある。
12. 石井工業
千葉県香取市を拠点とする石井工業は、1904年の創業から120年を超える歴史ある総合建設企業だ。
現場にあわせた多様なソリューションを持っており、特に、物流倉庫などに特化したyess建築では5年連続受注面積千葉県1位を誇っている。

i-Constructionの取り組みにも注力しており、土木分野では2024年に最新型の移動体レーザースキャナーを起工測量へと導入したり、点群処理、3D設計データ作成、3D構造物モデル作成、BIM/CIM統合モデルなどを活用している。
建築分野でも、設計照査、現況測量、干渉チェック、施工ステップ作成、数量算出などの場面で3Dモデルを活かしている。
近年の施工実績としては、千葉県各所での倉庫・工場建築をはじめ、千葉県香取市の佐原駅周辺地区複合公共施設建設工事、県単交通安全対策工事などがある。
また、2024年時点の年齢構成は20代から60代までほぼ同程度の割合になっており、入社3年未満の社員定着率は7割を超える。
コロナ禍など社会情勢の変動が大きかったここ5年だけを見ても毎年新卒採用も行っており、若手の育成にも前のめりに取り組む企業だ。
13. 新千葉建設
新千葉建設は、1957年に初代が個人事業として開業した土木・建築工事業を土台として、1969年に会社を設立、1973年に現在の社名へと改称した歴史を持つ企業だ。

土木工事、舗装工事、建築工事を主軸としており、災害復旧工事や耐震化工事などの公共工事も幅広く手がけている。建築工事でも、公共の耐震化工事を多数担うなど、地域の発展と安全への貢献を続けている。
2021年には、長年工事に携わった都市計画道路の八幡椎津線、青柳海保線が開通し、新千葉建設を代表する施工事例のひとつとなっている。
14. 山内工業
1917年の創業から100周年を迎えた山内工業は、地域に根差した事業を展開する総合建設業者だ。豊富な専門知識と実績、創意工夫に富んだ表現力、創意工夫に富んだ表現力によって、選ばれ続ける価値を提供してきた。

土木、建築、とび土工、舗装、屋根、防水、塗装、鋼構造物、内装仕上、解体の各建設業許可を取得しており、幅広く工事を手がけている。
施工事例として、建築部門では、千葉県から受注した千葉県射撃場(静的射撃場)増築工事、東日本高速道路から受注した東京湾海ほたるPAトイレ改修工事などがある。
土木部門では、中部林業事務所から受注した千葉県市原市内の山地災害総合減災対策治山工事、千葉県から受注した県単舗装道路修繕工事などがある。
15. 安藤建設
千葉県船橋市に本社を置く安藤建設は、2006年に鳶工事業を柱として創業し、2008年に設立されたばかりの新しい企業だ。
設立後、社会情勢や地域のニーズにあわせて事業領域を拡大しており、現在では、太陽光発電・風力発電などの自然エネルギー事業、土木事業も手がけている。

東京オリンピックの関連施設や大規模商業施設の建設にも携わるなど、都内での事例が数多く、その活躍は目覚ましい。
鳶工事業においては、現場ごとに最適な施工を見極めながら、鉄骨工事、足場工事、タワークレーン工事といった、特殊な技術や重機の必要な工事を手がけている。
施工事例として、富士通ゼネラル技術研究棟の建設工事、東京ビックサイトの整備工事などがある。
また、環境エネルギー事業では、太陽光発電事業の企画・設計、施工、運用、保守をトータルサポートできる体制を持っており、千葉県内を中心として、多数の設置工事を行ってきた。派生する伐採・造成工事も自社で実施しており、そのノウハウを活かして、駐車場整備、造園工事、外構工事なども引き受けている。
WRITTEN by

國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。
建設土木の未来を
ICTで変えるメディア