
本州のほぼ中心に位置する群馬県は、海抜12〜2500mと起伏の変化ある地形を持つ。県土の85%を山地が占め、浅間山をはじめとする多くの火山があることでも知られる。
また、一級河川である利根川をはじめとした河川や、湖、沼地といった多様な水辺の環境を有することも特徴だ。
国有林と民有林を合わせた保水能力は11億8千万tにのぼり、主要なダム8つの有効貯水量は5億3千万tも加え、首都圏の水がめとしても重要な役割を果たしている。
そうした環境でインフラ整備や工事を行う土木・建設業においては、県をあげて全国最先端クラスのデジタル県を目指しており、県土整備部に政策・DX推進係を設置している。2020年には「ぐんま・県土整備プラン2020」で「society5.0の実現に向けたDX」の推進を定めるなど取り組みを進めている。
本記事では、そんな群馬県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
総合建設業者である佐田建設は、群馬県内の建設業をリードする存在として、群馬県庁、前橋市役所をはじめ、さまざまな土木、建築工事を手掛けてきた。1920年に創業し、2024年3月時点で従業員370名を超える企業へと成長した。

特に建築工事では、群馬県内に留まらず、関東地方を中心に東日本一円、東海地方、関西地方などでも事業を展開している。
近年の施工事例では、前橋市議会庁舎、GCCザスパーク(前橋市ローズタウンサッカー場)、東京消防庁赤羽消防署庁舎、東京都杉並区の荻窪八幡神社社務所などがある。
計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入し、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルに連携・発展させるCIM施工、ICT建設機械の位置をGNSS衛星による測位情報と3次元設計データによって照合比較し、操作支援や自動制御などを行うICT施工を積極的に採用し、各工事に取り組んでいる。
「建設プロダクト」をコンセプトとするヤマトは、1945年に解散した理研工業株式会社前橋製作所の一部が分離独立して創業したという歴史を持つ。
2024年6月時点で770名、グループ会社を含めると1000名以上の従業員を抱える東証上場企業だ。群馬県に本社を置き、東京、千葉、埼玉、横浜、東北にも支店を広げ、関東・東北で大規模な事業を多数手がけている。

建設製品の提供にあたって、販売ではなく、土木工事業などの各種免許や営業許可を自社で取得し、建設にまつわる基本計画から、設計、施工、メンテナンス、資産管理、一部運用や資金供給まで、ワンストップで提供するサービスに強みがある。
多岐にわたるソリューションが特徴的で、環境省エネルギー建築賞などを受賞した大温度差蓄熱空調システムをはじめとする空調衛生エンジニアリング、省エネなどに力を注ぐ食品流通エンジニアリング、上下水道・水処理などの環境エンジニアリングといったさまざまな技術を駆使している。
実績として、埼玉会館や総合東京病院といった公共施設や医療機関、そのほか工場、オフィスビル、レジャー施設、店舗などがある。
1952年に創業した宮下工業は、土木、建築、リフォーム、不動産の分野で長年にわたり群馬県の発展に貢献してきた企業だ。
道路・河川整備・橋梁・造成など、社会インフラの整備・構築を行う土木工事では、重機車両の自社保有数は県内トップレベルを誇り、最新の測量機器やソフトウェアを駆使した施工を行っている。

関東地方整備局、群馬県、前橋市などからの表彰実績が多数あり、官公庁から高い評価を受け続けている。また、国土交通省から災害時の事業継続計画(BCP)の認定を受け、地域を守る企業としての役割も担っている。
建築工事においては、施工管理はもちろんのこと、土地の選定、運営、自社での設計デザイン、資産形成コンサルティングの提案まで、ワンストップで提供している。
近年、建築業界で話題を集める群馬県前橋市の「まえばしガレリア」でも新築工事を担当したほか、2024グッドデザイン・ベスト100を受賞した「007 Product Restroom」の新築工事も担当し、建物がある「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」の土木工事とともに高い評価を得ている。
塚本工務店は、1914年に開業した大工業をはじまりとして、建築工事をメインに土木建築請負の総合建設業者へと発展した企業だ。
顧客最優先主義を社訓に掲げ、群馬県と埼玉県を中心とした北関東地域で事業を行っている。

1963年に群馬県内の富岡郵便局の新築工事を手がけたことを皮切りに、郵政公社(現在の日本郵政グループ)からの発注を受けて多数の国営局舎を担当した。
また、日本電信電話公社(現在のNTTグループ)からも多数発注を請け負っており、今日まで引き続いて高い管理技術を培ってきた。
主な実績として、建築工事では、県立藤岡特別支援学校高等部新築工事や国土交通省関東地方整備局前橋出張所建築事業などがあり、明治時代に建てられた柏屋四郎右衛門邸の再生工事では藤岡市都市景観賞を受賞している。
土木工事の実績としては、藤岡インターチェンジ西産業団地造成工事、社会資本総合整備
(防災・安全)(交安・重点)歩道整備などがある。
1910年に創業した小野里工業は、建設業のプロフェッショナル集団として、建築工事、土木工事、住宅のリフォームとリニューアル、不動産と土地活用の事業に取り組んでいる。
「まあるい発想」というユニークな企業理念のもと、地球環境を考えながら自然、人間、技術をテーマに柔軟な発想力で建築物やサービスを提供している企業だ。

施工実績として、医療機関や高齢者施設、マンション、官公庁や教育機関、店舗、住宅、そして道路や河川などの土木工事と幅広く積み重ねてきた。
環境保護やコスト削減に配慮した工法を多数採用しており、例えば、建設廃材を大幅に削減できる大型型枠RC工法などがある。
瑞穂建設は、1950年に創業した建設会社だ。土木、建築、住宅、上下水道、軌道、下水道維持管理などの事業を幅広く展開している。
実績として、群馬県内の渋川総合公園陸上競技場建設工事、渋川市民会館耐震改修工事などがある。

i-Constructionを積極的に導入していることも特徴だ。最新型レーザースキャナーを活用し、3D点群による起工測量と出来形管理を行うことにより、正確に地形をとらえてリアルな現況を表現したり、差分の比較が容易なヒートマップによって精度の高い設計と照査を実現している。
設計データ作成にも3D点群データを活用し、現場の規模に合わせたICT建設機械を使用することで、土工や舗装工での作業時間が大幅に短縮されている。
また、新たな人材育成に向けて、オンライン説明会を随時開催したり、インターンシップを随時受け入れるなどの取り組みにも力を注いでいる企業だ。
1953年に土木工事業、建築工事業を柱として創業した三原工業は、その後、アスファルト舗装合材の製造販売を加えて発展を続けてきた。
土木部門では、「快適な地域・環境の創造」を目指し、道路の新設や改良、舗装工事、橋梁や河川の工事、下水道の施工や区画整理、林道や砂防ダムの建設、テ二スコ一卜の造成や公園の整備などを行っている。

建築部門では、公共施設や商業施設、レジャー施設、福祉施設、さらに一般住宅までを手がける。
令和6年度には、群馬県内の国道の舗装補修工事などが前橋土木事務所長表彰を受けるなど、毎年多数の表彰を受けている。
池下工業は、1913年の創業から110年以上を超える歴史ある総合建設業者だ。群馬県に密着し、豊かな地域づくりのために土木・建築にまつわるサービスを提供してきた。
土木分野では、道路や河川整備、造成などの社会インフラ整備・構築を行う。建築分野では、医療福祉施設、教育文化施設、共同住宅、商業施設を中心に、設計から施工、修繕工事までを手がけている。

主な実績には、高崎商科大学4号館、群馬大学大学会館、前橋市医師会館などのほか、群馬県内各地の河川災害復旧工事や道路改良工事などがある。
1981年に個人営業をスタートさせたフジ建装は、1991年に法人化し、舗装工事業、防水工事業、土木工事業、建築工事業と許可取得を徐々に増やしてきた。

建築工事では、利根実高等学校体育館改修工事、埋蔵文化財調査センター第3収蔵庫フィルム保管庫新設工事などの実績を持つほか、得意とする塗装工事では、渋川市第二庁舎屋上防水改修工事をはじめ、架橋やレジャー施設の遊具など多くの実績がある。
また、建設事業に加え、2009年からは福祉事業を立ち上げて介護施設の運営などを行なっているほか、コロナ禍を経て2023年には人材事業部を立ち上げている。
インフラ整備に留まらず、住民が求めるサービスに取り組む地域密着型の企業だ。
河本工業は、1946年に創業した河本組を前身とする企業だ。240名の従業員を抱え、総合建設業を柱として事業に取り組んでいる。
経済産業省が地域経済牽引事業の担い手の候補となる地域の中核企業2,148社を選定した「地域未来牽引企業」にも選ばれている。

大規模工事だけでも幅広い実績を持ち、群馬県の川俣駅周辺複合施設整備事業、板倉町役場庁舎、東武鉄道、東京地下鉄道、JRなどの駅舎や高架化工事などを手がけている。
DX、デジタル化に社をあげて取り組んでおり、営業プロセスや施工プロセスでUAV・LSによる測量、3次元モデルの作成やBIM・CIMを内製化し活用している。
そうした取り組みが評価され、2021年には令和2年度i-construction大賞を受賞した。
さらに2023年には、取り組みの精度と鮮度の向上を目的にDX推進委員会を設置。2024年には、群馬県内の建設業者として初めて、DX推進に関する優良な取り組みを実施している事業者として経済産業省からDX認定を取得している。
1989年に創業した佐藤建設工業は、ハイブリッド重機の保有台数で全国トップクラスを誇る土木工事のスペシャリスト集団だ。
ダム、道路、造成工事などの土木工事を中心としており、インフラ整備事業によって群馬県の発展に長く貢献し続けてきた。

3次元設計データ(BIM/CIM)、AR技術を積極的に活用している。例えばAR技術では、新設の道路や構造物、既存の地下埋設物、完成時の景観などの仕上がりイメージを現実空間に重ねた状態で360度確認することができるため、現場でイメージを確認してから作業に着手することによって、安全対策や仮設計画をスムーズに進めることが可能となっている。
実績として、八ッ場ダム工事事務所、群馬県内各地の公共道路改築事業や農作業道整備工事、メガソーラーの建設工事、砂防堰堤補強工事などがある。
群馬県館林市に拠点を置く柳瀬建設は、群馬、栃木、埼玉の道路工事や河川工事を中心として手がけている。
1968年に設立されて以降、群馬県、館林市、東部農業事務所、群馬東部水道企業団などを主な取引先として実績を積み重ねてきた。

土木建設工事に加え、水道工事、舗装工事、菅工事、造園土木工事など、幅広い工事を行う。ドローンによる測量と撮影を取り入れており、精度の向上と作業効率化を図っている。
建築事業では、個人向けの住宅新築やリフォーム工事も手がけており、公共事業で培った技術を一般向けにも活用している。
施工実績として、国道の電線共同溝工事、橋梁補修工事、道路舗装工事などがある。
木材店としてはじまった1878年の創業から140年以上の歴史を持つ研屋は、群馬県を代表する総合建設業者のひとつだ。
事業の3本柱は、一般住宅から商業施設、ビル建築まで幅広く手がける建築事業、大規模な構造物の施工や道路舗装、下水道工事を行う土木事業、原木の栽培から加工、プレカットを経て販売する木材事業だ。

建築部の施工実績としては、県立高校の体育館長寿命化改修建築工事、寺院の観音堂新設工事、個人住宅など多岐にわたる。
研屋のウェブサイトでは、140年の間に手がけた工事経歴を年代に分けて公開している。
1963年に創業したタルヤ建設は、木造住宅の建築から事業をスタートさせ、現在では、公共施設、商業店舗、工場、アパート、マンション、娯楽施設など幅広く手がける総合建設業者へと発展した企業だ。

新技術の導入や大規模な建築にチャレンジする「TRY」の精神を企業のスピリットとしており、「Togethe お客様、取引先、地域、社員と共に」「Refreshing 常にさわやかに、斬新な気持ちで」「Yes 『はい、よろこんで』と活発に」という思いも込められている。
そうしたスピリットを反映として、近年では、国宝や重要文化財の保護に積極的に取り組んでいる。
群馬県を象徴する国宝富岡製糸場では、西置繭所の保存修理工事や東置繭所の耐震対策工事、国指定名勝の楽山園では環境整備事業として復元的建設物建設工事などを担当している。
1927年に創業し、1947年に会社設立を行なった冬木工業は、群馬県高崎市の本社に加え、県内に自社の柱工場と梁工場、そして東京支社を構えている。
総合建設部門では、企画・設計から施工、アフターフォローまで、一貫した施工体制を確立している。総合建設業界では数少ない、国土交通大臣認定Hグレードの建築鉄骨製造工場を持っていることも強みだ。

施工実績として、めんたいパーク群馬、建築業界で昨今注目を集めている白井屋ホテルなどの商業施設のほか、工場・倉庫、教育施設、医療・福祉施設、集合住宅などを幅広く手がけている。
また、一級河川である利根川をはじめとした河川や、湖、沼地といった多様な水辺の環境を有することも特徴だ。
国有林と民有林を合わせた保水能力は11億8千万tにのぼり、主要なダム8つの有効貯水量は5億3千万tも加え、首都圏の水がめとしても重要な役割を果たしている。
そうした環境でインフラ整備や工事を行う土木・建設業においては、県をあげて全国最先端クラスのデジタル県を目指しており、県土整備部に政策・DX推進係を設置している。2020年には「ぐんま・県土整備プラン2020」で「society5.0の実現に向けたDX」の推進を定めるなど取り組みを進めている。
本記事では、そんな群馬県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 佐田建設
総合建設業者である佐田建設は、群馬県内の建設業をリードする存在として、群馬県庁、前橋市役所をはじめ、さまざまな土木、建築工事を手掛けてきた。1920年に創業し、2024年3月時点で従業員370名を超える企業へと成長した。

特に建築工事では、群馬県内に留まらず、関東地方を中心に東日本一円、東海地方、関西地方などでも事業を展開している。
近年の施工事例では、前橋市議会庁舎、GCCザスパーク(前橋市ローズタウンサッカー場)、東京消防庁赤羽消防署庁舎、東京都杉並区の荻窪八幡神社社務所などがある。
計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入し、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルに連携・発展させるCIM施工、ICT建設機械の位置をGNSS衛星による測位情報と3次元設計データによって照合比較し、操作支援や自動制御などを行うICT施工を積極的に採用し、各工事に取り組んでいる。
2. ヤマト
「建設プロダクト」をコンセプトとするヤマトは、1945年に解散した理研工業株式会社前橋製作所の一部が分離独立して創業したという歴史を持つ。
2024年6月時点で770名、グループ会社を含めると1000名以上の従業員を抱える東証上場企業だ。群馬県に本社を置き、東京、千葉、埼玉、横浜、東北にも支店を広げ、関東・東北で大規模な事業を多数手がけている。

建設製品の提供にあたって、販売ではなく、土木工事業などの各種免許や営業許可を自社で取得し、建設にまつわる基本計画から、設計、施工、メンテナンス、資産管理、一部運用や資金供給まで、ワンストップで提供するサービスに強みがある。
多岐にわたるソリューションが特徴的で、環境省エネルギー建築賞などを受賞した大温度差蓄熱空調システムをはじめとする空調衛生エンジニアリング、省エネなどに力を注ぐ食品流通エンジニアリング、上下水道・水処理などの環境エンジニアリングといったさまざまな技術を駆使している。
実績として、埼玉会館や総合東京病院といった公共施設や医療機関、そのほか工場、オフィスビル、レジャー施設、店舗などがある。
3. 宮下工業
1952年に創業した宮下工業は、土木、建築、リフォーム、不動産の分野で長年にわたり群馬県の発展に貢献してきた企業だ。
道路・河川整備・橋梁・造成など、社会インフラの整備・構築を行う土木工事では、重機車両の自社保有数は県内トップレベルを誇り、最新の測量機器やソフトウェアを駆使した施工を行っている。

関東地方整備局、群馬県、前橋市などからの表彰実績が多数あり、官公庁から高い評価を受け続けている。また、国土交通省から災害時の事業継続計画(BCP)の認定を受け、地域を守る企業としての役割も担っている。
建築工事においては、施工管理はもちろんのこと、土地の選定、運営、自社での設計デザイン、資産形成コンサルティングの提案まで、ワンストップで提供している。
近年、建築業界で話題を集める群馬県前橋市の「まえばしガレリア」でも新築工事を担当したほか、2024グッドデザイン・ベスト100を受賞した「007 Product Restroom」の新築工事も担当し、建物がある「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」の土木工事とともに高い評価を得ている。
4. 塚本工務店
塚本工務店は、1914年に開業した大工業をはじまりとして、建築工事をメインに土木建築請負の総合建設業者へと発展した企業だ。
顧客最優先主義を社訓に掲げ、群馬県と埼玉県を中心とした北関東地域で事業を行っている。

1963年に群馬県内の富岡郵便局の新築工事を手がけたことを皮切りに、郵政公社(現在の日本郵政グループ)からの発注を受けて多数の国営局舎を担当した。
また、日本電信電話公社(現在のNTTグループ)からも多数発注を請け負っており、今日まで引き続いて高い管理技術を培ってきた。
主な実績として、建築工事では、県立藤岡特別支援学校高等部新築工事や国土交通省関東地方整備局前橋出張所建築事業などがあり、明治時代に建てられた柏屋四郎右衛門邸の再生工事では藤岡市都市景観賞を受賞している。
土木工事の実績としては、藤岡インターチェンジ西産業団地造成工事、社会資本総合整備
(防災・安全)(交安・重点)歩道整備などがある。
5. 小野里工業
1910年に創業した小野里工業は、建設業のプロフェッショナル集団として、建築工事、土木工事、住宅のリフォームとリニューアル、不動産と土地活用の事業に取り組んでいる。
「まあるい発想」というユニークな企業理念のもと、地球環境を考えながら自然、人間、技術をテーマに柔軟な発想力で建築物やサービスを提供している企業だ。

施工実績として、医療機関や高齢者施設、マンション、官公庁や教育機関、店舗、住宅、そして道路や河川などの土木工事と幅広く積み重ねてきた。
環境保護やコスト削減に配慮した工法を多数採用しており、例えば、建設廃材を大幅に削減できる大型型枠RC工法などがある。
6. 瑞穂建設
瑞穂建設は、1950年に創業した建設会社だ。土木、建築、住宅、上下水道、軌道、下水道維持管理などの事業を幅広く展開している。
実績として、群馬県内の渋川総合公園陸上競技場建設工事、渋川市民会館耐震改修工事などがある。

i-Constructionを積極的に導入していることも特徴だ。最新型レーザースキャナーを活用し、3D点群による起工測量と出来形管理を行うことにより、正確に地形をとらえてリアルな現況を表現したり、差分の比較が容易なヒートマップによって精度の高い設計と照査を実現している。
設計データ作成にも3D点群データを活用し、現場の規模に合わせたICT建設機械を使用することで、土工や舗装工での作業時間が大幅に短縮されている。
また、新たな人材育成に向けて、オンライン説明会を随時開催したり、インターンシップを随時受け入れるなどの取り組みにも力を注いでいる企業だ。
7. 三原工業
1953年に土木工事業、建築工事業を柱として創業した三原工業は、その後、アスファルト舗装合材の製造販売を加えて発展を続けてきた。
土木部門では、「快適な地域・環境の創造」を目指し、道路の新設や改良、舗装工事、橋梁や河川の工事、下水道の施工や区画整理、林道や砂防ダムの建設、テ二スコ一卜の造成や公園の整備などを行っている。

建築部門では、公共施設や商業施設、レジャー施設、福祉施設、さらに一般住宅までを手がける。
令和6年度には、群馬県内の国道の舗装補修工事などが前橋土木事務所長表彰を受けるなど、毎年多数の表彰を受けている。
8. 池下工業
池下工業は、1913年の創業から110年以上を超える歴史ある総合建設業者だ。群馬県に密着し、豊かな地域づくりのために土木・建築にまつわるサービスを提供してきた。
土木分野では、道路や河川整備、造成などの社会インフラ整備・構築を行う。建築分野では、医療福祉施設、教育文化施設、共同住宅、商業施設を中心に、設計から施工、修繕工事までを手がけている。

主な実績には、高崎商科大学4号館、群馬大学大学会館、前橋市医師会館などのほか、群馬県内各地の河川災害復旧工事や道路改良工事などがある。
9. フジ建装
1981年に個人営業をスタートさせたフジ建装は、1991年に法人化し、舗装工事業、防水工事業、土木工事業、建築工事業と許可取得を徐々に増やしてきた。

建築工事では、利根実高等学校体育館改修工事、埋蔵文化財調査センター第3収蔵庫フィルム保管庫新設工事などの実績を持つほか、得意とする塗装工事では、渋川市第二庁舎屋上防水改修工事をはじめ、架橋やレジャー施設の遊具など多くの実績がある。
また、建設事業に加え、2009年からは福祉事業を立ち上げて介護施設の運営などを行なっているほか、コロナ禍を経て2023年には人材事業部を立ち上げている。
インフラ整備に留まらず、住民が求めるサービスに取り組む地域密着型の企業だ。
10. 河本工業
河本工業は、1946年に創業した河本組を前身とする企業だ。240名の従業員を抱え、総合建設業を柱として事業に取り組んでいる。
経済産業省が地域経済牽引事業の担い手の候補となる地域の中核企業2,148社を選定した「地域未来牽引企業」にも選ばれている。

大規模工事だけでも幅広い実績を持ち、群馬県の川俣駅周辺複合施設整備事業、板倉町役場庁舎、東武鉄道、東京地下鉄道、JRなどの駅舎や高架化工事などを手がけている。
DX、デジタル化に社をあげて取り組んでおり、営業プロセスや施工プロセスでUAV・LSによる測量、3次元モデルの作成やBIM・CIMを内製化し活用している。
そうした取り組みが評価され、2021年には令和2年度i-construction大賞を受賞した。
さらに2023年には、取り組みの精度と鮮度の向上を目的にDX推進委員会を設置。2024年には、群馬県内の建設業者として初めて、DX推進に関する優良な取り組みを実施している事業者として経済産業省からDX認定を取得している。
11. 佐藤建設工業
1989年に創業した佐藤建設工業は、ハイブリッド重機の保有台数で全国トップクラスを誇る土木工事のスペシャリスト集団だ。
ダム、道路、造成工事などの土木工事を中心としており、インフラ整備事業によって群馬県の発展に長く貢献し続けてきた。

3次元設計データ(BIM/CIM)、AR技術を積極的に活用している。例えばAR技術では、新設の道路や構造物、既存の地下埋設物、完成時の景観などの仕上がりイメージを現実空間に重ねた状態で360度確認することができるため、現場でイメージを確認してから作業に着手することによって、安全対策や仮設計画をスムーズに進めることが可能となっている。
実績として、八ッ場ダム工事事務所、群馬県内各地の公共道路改築事業や農作業道整備工事、メガソーラーの建設工事、砂防堰堤補強工事などがある。
12. 柳瀬建設
群馬県館林市に拠点を置く柳瀬建設は、群馬、栃木、埼玉の道路工事や河川工事を中心として手がけている。
1968年に設立されて以降、群馬県、館林市、東部農業事務所、群馬東部水道企業団などを主な取引先として実績を積み重ねてきた。

土木建設工事に加え、水道工事、舗装工事、菅工事、造園土木工事など、幅広い工事を行う。ドローンによる測量と撮影を取り入れており、精度の向上と作業効率化を図っている。
建築事業では、個人向けの住宅新築やリフォーム工事も手がけており、公共事業で培った技術を一般向けにも活用している。
施工実績として、国道の電線共同溝工事、橋梁補修工事、道路舗装工事などがある。
13. 研屋
木材店としてはじまった1878年の創業から140年以上の歴史を持つ研屋は、群馬県を代表する総合建設業者のひとつだ。
事業の3本柱は、一般住宅から商業施設、ビル建築まで幅広く手がける建築事業、大規模な構造物の施工や道路舗装、下水道工事を行う土木事業、原木の栽培から加工、プレカットを経て販売する木材事業だ。

建築部の施工実績としては、県立高校の体育館長寿命化改修建築工事、寺院の観音堂新設工事、個人住宅など多岐にわたる。
研屋のウェブサイトでは、140年の間に手がけた工事経歴を年代に分けて公開している。
14. タルヤ建設
1963年に創業したタルヤ建設は、木造住宅の建築から事業をスタートさせ、現在では、公共施設、商業店舗、工場、アパート、マンション、娯楽施設など幅広く手がける総合建設業者へと発展した企業だ。

新技術の導入や大規模な建築にチャレンジする「TRY」の精神を企業のスピリットとしており、「Togethe お客様、取引先、地域、社員と共に」「Refreshing 常にさわやかに、斬新な気持ちで」「Yes 『はい、よろこんで』と活発に」という思いも込められている。
そうしたスピリットを反映として、近年では、国宝や重要文化財の保護に積極的に取り組んでいる。
群馬県を象徴する国宝富岡製糸場では、西置繭所の保存修理工事や東置繭所の耐震対策工事、国指定名勝の楽山園では環境整備事業として復元的建設物建設工事などを担当している。
15. 冬木工業
1927年に創業し、1947年に会社設立を行なった冬木工業は、群馬県高崎市の本社に加え、県内に自社の柱工場と梁工場、そして東京支社を構えている。
総合建設部門では、企画・設計から施工、アフターフォローまで、一貫した施工体制を確立している。総合建設業界では数少ない、国土交通大臣認定Hグレードの建築鉄骨製造工場を持っていることも強みだ。

施工実績として、めんたいパーク群馬、建築業界で昨今注目を集めている白井屋ホテルなどの商業施設のほか、工場・倉庫、教育施設、医療・福祉施設、集合住宅などを幅広く手がけている。
WRITTEN by

國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。
建設土木の未来を
ICTで変えるメディア