日本海沿岸に位置する石川県は、豪雪や強風、塩害といった厳しい気象条件にさらされる地域であり、建設・土木業に求められる技術的要件が高いといえる。
特に、積雪への対応として、道路の除雪体制、橋梁や斜面の耐久性向上などは重要なテーマとなっており、県内企業は長年にわたり防災・維持管理分野のノウハウを蓄積してきた。
また、大きな被害が記憶に新しい能登半島地震などの経験から、災害に備えたインフラ更新、公共施設の耐震化が継続的な需要を生み出している点も特徴である。
一方、金沢市を中心とした都市部では、北陸新幹線開業後の観光需要拡大に対応し、ホテル・商業施設などの建築需要が伸びている。
石川県では、2022年から2025年度までの期間を設けて石川県デジタル化推進計画を立てており、土木・建設分野では、ICT技術のさらなる普及と促進を図ることが目指されている。
具体的には、公共土木施設の維持管理にAIやドローンを活用したり、3次元測量データを活用した簡易型ICTの導入を推進することで、業務の効率化と高度化を図るといった取り組みが進められているところだ。
本記事では、そんな石川の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1907年に宮大工として創業した真柄組から続く真柄建設は、国指定の重要文化財である尾山神社の神門、金沢城の二の丸御殿の築城にも関わるといった石川県土に根付いた歴史を持つ。
主な事業展開として、建設事業、リニューアル事業、総合エネルギー事業を掲げ、伝統的な木造・文化財建築から、インフラ整備、都市開発まで、幅広く手がけている。「ベル・ミクロ工法」など独自技術の開発で、安全・安心な構造物づくりにも注力している。
(画像元:真柄建設WEBサイトより引用)
また、ICT/DX領域においても、2024年にはインフラDX認定建設会社の認定を受け、現場のデジタル化にも先進的に取り組んでいる。
直近では、大阪万博2025バーレーン王国パビリオン、東京都の善福寺川整備工事などの実績があり、北陸三県のみならず、全国政令都市での多数の施工実績を誇る。
北川ヒューテックは、1927年に石川県金沢市で北川アスファルト工業所として創業し、昭1947年に法人化して以来、道路網の整備に一貫して貢献してきた。
金沢市に加え、東京にも本社機能を持ち、全国25箇所以上を拠点に事業を展開している。
(画像元:北川ヒューテックWEBサイトより引用)
売り上げの7割余りを占める道路事業では、コンクリート舗装とアルファルト舗装の長所を合わせ持つ「半たわみ性舗装」や、排水性や透水性に優れた舗装を多数手がけている。自社の技術研究所を所有することで、施工だけでなく、技術創造にも力を入れている。
また、主軸の道路事業に加え、スポーツ施設事業では、道路舗装で培ったノウハウを活かし、陸上競技場やテニスコート、野球場やサッカー場などで、天然土タイプから全天候型、各種スパイク対応などさまざまな舗装を行っている。
建築事業では、金沢港機能強化整備(クルーズターミナル)建設工事、金沢美術工芸大学建設工事、さらにはオフィスビル、商業施設、生産施設、一般住宅と、金沢市内を中心に幅広いニーズに対応している。
各種工事には、ICT技術をいち早くから導入しており、すべての建設機械にICT技術を採用しているほか、石川県として初となるICT建機を活用した「県道宇出津町野線小間生バイパス」の施工などを行っている。
豊蔵組は、石川県金沢市を本拠地に、1952年に創業し、1964年に法人化して以来、土木、建築事業を営む総合建設業者として地域に貢献してきた。
主な事業領域は、土木部では、公共インフラとなる河川、ダム、橋梁、道路、上下水道、公共施設などの土木工事、建築部では新築、増築、改修から解体工事までを手がけている。
また、公務部では、一次業者として建設現場に入り、仮設工事・土工事・躯体工事を請負っているほか、豊蔵組一級建築士事務所では建築企画を担当している。
(画像元:豊蔵組WEBサイトより引用)
主な実績として、津幡町新庁舎・福祉センター、石川県内の森林公園屋内木育施設建設工事、白山総合車両所ビジターセンターなど、地域に根差したプロジェクトが並ぶ。
月に数回の1day会社説明・現場見学会を開催しており、私服参加可、昼食付、交通費補助ありと、参加のハードルを下げながら求職者との接点をつくる取り組みも行っている。
4. ウィルビー
ウィルビーは、1977年に石川県金沢市で創立された総合建設・建材企業だ。
建築事業本部では、物流センター・倉庫・工場・商業施設などサプライチェーンを支える大規模構築物を設計から施工、メンテナンスまで一貫して手がけており、日鉄物産システム建築や横河システム建築の代理店という強みも持つ。
(画像元:ウィルビーWEBサイトより引用)
建材事業本部では、体育館・プールなどのスポーツ施設専門工事、オリジナルフローリングKATTENAや無垢三層フローリングALPEATなどを通じて、内装・床・環境分野においても幅広く事業展開している。
所在地を金沢市に置きながら北陸、中部、関西地域も施工エリアを広げ、 機能性やコスト意識の高い施工提案を実現している。
1974年に会社を設立した白山建設は、石川県白山市に本社を、本社とは別に白山市南営業所を構える建設会社だ。
長年にわたり道路整備・河川改修・橋梁工事など公共インフラの構築を主要事業とし、地域防災と暮らしの安心を支えてきた。
建築分野では、プラント、商業施設、オフィス、公共施設、官公庁施設といった幅広い施工実績を持ち、システム建築、鋼板内蔵薄肉コンクリート部材による外付け耐震補強工法であるピタコラム工法など、技術を駆使して地域のニーズに応えている。
(画像元:白山建設WEBサイトより引用)
具体的な施工実績としては、白山ろくテーマパーク公園センター、白嶺小中学校屋内運動場棟、石川ウッドセンターなどがあり、白山エリアに根付いた企業であることがうかがえる。
1951年に創業した兼六建設は、医療・社会福祉施設、商業施設、公共事業、そして不動産開発を営む総合建設業者だ。
郷土とともに発展を遂げてきた歴史の中で、石川県庁、石川県政記念しいのき迎賓館、金沢海みらい図書館、金沢城内の休憩所「玉泉庵」といった県を象徴する建築を数多く担当してきた。
(画像元:兼六建設WEBサイトより引用)
近年の主な施工事例としては、金沢美術工芸大学、いしかわ特別支援学校高等部、津幡町住吉公園屋内温水プール「アザレア」、石川県外では和歌山県のとれとれビレッジV期建設工事などを手がけている。
公式ウェブサイトでは若手社員のインタビューを掲載するなど、新たな人材の育成と発掘にも力を注いでいる。
大日土建は、石川県金沢市に本社、白山市に営業所を置き、土木・建築両面で地域インフラの整備を担う総合建設企業だ。
道路や河川の築造、下水道・ガス管・水道管といった都市インフラの整備から、山間部の砂防工事まで、幅広い土工を手がけている。
(画像元:大日土建WEBサイトより引用)
施工実績として、石川県立中央病院外構、金沢市を象徴する河川である犀川の河道堀削などがある。
建築分野では、公共施設や住宅・集合住宅をメインに手がけており、石川県立図書館キャノピー、鳥越中学校武道館、旧一の宮駅舎といったプロジェクトを手がけている。
多数の実績で培った技術力、施工力での地域貢献に加え、地域密着型の企業であることにも重きを置いており、災害対応として川の氾濫に備えて常時1000袋の土のう袋を用意し、24時間体制で応急対策に臨む体制を整えている。
1970年に創立されたトーケンは、県内有数の規模を誇る企業として地域の発展に貢献している企業だ。
建設事業を基盤に据えつつ、不動産開発事業、賃貸マンション事業、屋上緑化の企画や施工を行う環境関連事業、そして地域のニーズを組んだ高齢者介護施設紹介事業を展開しており、建設総合サービス業の立ち位置を自認している。
(画像元:トーケンWEBサイトより引用)
工場・倉庫、社屋、公共・教育文化施設、医療・福祉施設、アパートマンション、商業施設、PFI事業などを幅広く手がけており、石川県かほく市にある日本最大級の産業観光施設KAJI FACTORY PARKや、石川県立中央病院、北陸新幹線小松駅の高架下観光交流センターなどの施工実績がある。
人材育成・働き方改革にも力を入れており、これまで、石川県経営者協会主催の「かがやきカンパニー大賞」をはじめとする受賞や優良法人としての認定を多数受けている。建築から環境、不動産、福祉にまでわたる暮らしを支える複合サービス企業として今後も注目される存在だ。
特定建設業者として県知事の許可を受けた辰村道路は、1972年に創業した企業だ。本社を金沢市に構え、県内の津幡町、七尾市に営業所、工場を置いている。
舗装工事、土木工事に加え、アスファルト合材の製造と販売、アスファルト廃材中間処理兼収集、運搬の事業に取り組んでいる。
(画像元:辰村道路WEBサイトより引用)
自社のアスファルト合材生産施設は、ラッシュ時には1時間あたり200トンの出荷能力を持っており、リサイクルプランとは1時間最大60トンのリサイクル製造に対応しているなど、持続可能な施工体制を確立している。
また、薄層舗装やエスマック舗装(排水層+不透水層)などの高機能型舗装、さらには、フットサル場やテニスコート、グラウンドなどスポーツ関連施設の施工も手がけている。
1951年に創業した山﨑組は、石川県白山エリアを中心に建設業を営む地域密着型の企業だ。
1989年には、電気工事、水道施設管工事、コンクリートポンプ圧送など幅広い事業を展開する山﨑商事が立ち上がり、YAMAZAKIグループとして地域の生活基盤を支え続けてきた。
山﨑組は、公共工事を中心とした土木工事業を展開しているほか、太陽光発電・地熱調査事業を展開している。
グループ会社である山﨑商事と密に連携を取り、土木工事、電気工事、設備工事、コンクリート製造、運輸業、コンクリート圧送業など、各部門のノウハウを集約させた高い技術力を発揮できるのが強みだ。
(画像元:山﨑組WEBサイトより引用)
近年の実績として、令和2年度ふるさと林道整備事業として取り組んだ白山線応急対策工事、令和元年度の林道災害復旧事業として取り組んだ同じく白山線の災害復旧工事などがあり、防災や応急対策工事を特に数多く手がけている。
小山組は、石川県加賀市に本社を置き、1949年の創業以来、地域のインフラ整備を担ってきた総合建設会社である。
土木・建築の両分野を軸に、道路・橋梁・河川の整備、公共施設の建設、民間の建築工事まで幅広い領域を手がけ、加賀エリアを中心に長年にわたり地域の暮らしを支えてきた。
特に、地元行政からの信頼が厚く、入札工事での実績も豊富。地域の防災・減災を見据えた河川改修や道路の維持管理など、生活基盤を守る取り組みに力を注いでいる。
(画像元:小山組WEBサイトより引用)
建築分野では、庁舎や学校、医療・福祉施設といった公共性の高い建物の実績が多く、地域利用者の目線に立った丁寧な設計・施工が特徴。
現場管理では、安全・品質・工程の徹底に取り組み、長年の実績で培われた確かな施工力を誇っている。また、社員教育にも注力し、資格取得支援や若手の育成環境の整備によって、未来の地域建設を担う人材育成を推進している。
「地元とともに歩む建設会社」として、時代の変化に向き合いながら、誠実な仕事を積み重ねてきた小山組。加賀エリアの持続可能なまちづくりに欠かせない存在として、その役割を着実に広げている。
「真心をもって創造する」とモットーとする創真建設は、石川県金沢市を本社として、2008年に設立された総合建設会社だ。地域密着型の施工体制と、確かな技術力を強みに事業を展開している。
医療・福祉・教育施設、店舗・商業施設、マンション・共同住宅、工場・社屋、住宅建築を幅広く手掛けており、自社社屋自体も第38回金沢都市美文化賞を受賞するなど、景観への配慮や建築的な美を追求したものづくりにも高い評価を受けている。
(画像元:創真建設WEBサイトより引用)
そのほかの施工実績としては、金沢市内の金城樓改装(宿泊室増設)計画、金沢市武蔵町の老人ホーム新築工事などがあり、関西や首都圏での実績もある。
また、地域の企業として、地元人材の雇用や若手育成にも注力しており、社員が長く安心して働ける体制づくりにも取り組んでいる。
1950年に創業した日本海建設は、金沢港の浚渫から事業をスタートさせ、その後、石川県内にある各港湾の建設に携わってきた企業だ。
現在では、造成工事、道路、橋、下水道などの土木工事を中心として、幅広く実績を重ねている。
施工実績には、地域を象徴する建築が多数並ぶ。例えば、金沢市から発注を受けた金沢21世紀美術館(企業体の一員として受注)、石川県から発注を受けた金沢城公園いもり堀の整備工事などだ。

さらに、土木分野では、山側環状御所高架橋、内灘海浜橋、石川県小松市の海岸人口リーフ、金沢市を代表する河川である犀川の改修などがある。
施工管理者、重機オペレーターともに未経験者や新卒の募集を行っており、住みよい環境づくりを目指す企業として、次世代の育成にも取り組んでいる。
宏州建設は、1963年に創業し、建築、住宅、不動産、リフォームを手広く手がけている。不動産賃貸管理や修繕、土地開発事業などを軸とするコーワ商事をグループ会社に持つことも強みのひとつだ。
建築事業では、金沢市立中央小学校や金沢市役所耐震改修工事、石川県総合スポーツセンターといった公共工事から、店舗などの商業空間、オフィスなどのビジネス空間、アパート・マンションの工事を行なっている。
(画像元:宏州建設WEBサイトより引用)
木造住宅ブランド「コーワの家」を通じて、耐震・制震仕様やZEH(ゼロエネルギーハウス)対応など最新の技術を導入し、木のぬくもりと安心の住まいづくりを提供しているほか、
リフォーム事業では PanasonicリフォームClub 加盟企業として、水回りから大規模改修まで、幅広いニーズに応えるサービスを展開している。
近年では能登半島地震の復興支援として、木造応急仮設住宅の建設に取り組んだり、県産材を活用した住まいの推進など、地域の防災・環境課題にも積極的に応えており、技術・サービス・社会責任において一歩先を見据える姿勢が特徴である。
城東建設は、1924年に注文住宅を手がける大工としてはじまり、1944年には、第二次世界大戦の最中に飛行機の部品をつくる会社として会社設立を迎えたという変遷をたどってきた。その後、1957年に城東建設として新たなスタートを切った。
石川県内を中心に、北陸3県をフィールドに事業を展開しており、公共施設をはじめ一般建築の木造住宅にいたるまで、最新の技術と創造力を駆使した工事が強みだ。
(画像元:城東建設WEBサイトより引用)
手がけてきた施工実績の中でも、石川県林業試験場展示館は、中部建築賞、建築業協会賞、公共建築賞受賞と多数の表彰に輝いた代表的な事例となっている。
また、歴史をさかのぼると、石川県の礎を築いた前田家の移設を請け負った経緯もあり、伝統建築との結びつきも深く、現在では、金沢城公園の建築・復元工事に携わっている。
特に、積雪への対応として、道路の除雪体制、橋梁や斜面の耐久性向上などは重要なテーマとなっており、県内企業は長年にわたり防災・維持管理分野のノウハウを蓄積してきた。
また、大きな被害が記憶に新しい能登半島地震などの経験から、災害に備えたインフラ更新、公共施設の耐震化が継続的な需要を生み出している点も特徴である。
一方、金沢市を中心とした都市部では、北陸新幹線開業後の観光需要拡大に対応し、ホテル・商業施設などの建築需要が伸びている。
石川県では、2022年から2025年度までの期間を設けて石川県デジタル化推進計画を立てており、土木・建設分野では、ICT技術のさらなる普及と促進を図ることが目指されている。
具体的には、公共土木施設の維持管理にAIやドローンを活用したり、3次元測量データを活用した簡易型ICTの導入を推進することで、業務の効率化と高度化を図るといった取り組みが進められているところだ。
本記事では、そんな石川の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 真柄建設
1907年に宮大工として創業した真柄組から続く真柄建設は、国指定の重要文化財である尾山神社の神門、金沢城の二の丸御殿の築城にも関わるといった石川県土に根付いた歴史を持つ。
主な事業展開として、建設事業、リニューアル事業、総合エネルギー事業を掲げ、伝統的な木造・文化財建築から、インフラ整備、都市開発まで、幅広く手がけている。「ベル・ミクロ工法」など独自技術の開発で、安全・安心な構造物づくりにも注力している。
(画像元:真柄建設WEBサイトより引用)また、ICT/DX領域においても、2024年にはインフラDX認定建設会社の認定を受け、現場のデジタル化にも先進的に取り組んでいる。
直近では、大阪万博2025バーレーン王国パビリオン、東京都の善福寺川整備工事などの実績があり、北陸三県のみならず、全国政令都市での多数の施工実績を誇る。
2. 北川ヒューテック
北川ヒューテックは、1927年に石川県金沢市で北川アスファルト工業所として創業し、昭1947年に法人化して以来、道路網の整備に一貫して貢献してきた。
金沢市に加え、東京にも本社機能を持ち、全国25箇所以上を拠点に事業を展開している。
(画像元:北川ヒューテックWEBサイトより引用)売り上げの7割余りを占める道路事業では、コンクリート舗装とアルファルト舗装の長所を合わせ持つ「半たわみ性舗装」や、排水性や透水性に優れた舗装を多数手がけている。自社の技術研究所を所有することで、施工だけでなく、技術創造にも力を入れている。
また、主軸の道路事業に加え、スポーツ施設事業では、道路舗装で培ったノウハウを活かし、陸上競技場やテニスコート、野球場やサッカー場などで、天然土タイプから全天候型、各種スパイク対応などさまざまな舗装を行っている。
建築事業では、金沢港機能強化整備(クルーズターミナル)建設工事、金沢美術工芸大学建設工事、さらにはオフィスビル、商業施設、生産施設、一般住宅と、金沢市内を中心に幅広いニーズに対応している。
各種工事には、ICT技術をいち早くから導入しており、すべての建設機械にICT技術を採用しているほか、石川県として初となるICT建機を活用した「県道宇出津町野線小間生バイパス」の施工などを行っている。
3. 豊蔵組
豊蔵組は、石川県金沢市を本拠地に、1952年に創業し、1964年に法人化して以来、土木、建築事業を営む総合建設業者として地域に貢献してきた。
主な事業領域は、土木部では、公共インフラとなる河川、ダム、橋梁、道路、上下水道、公共施設などの土木工事、建築部では新築、増築、改修から解体工事までを手がけている。
また、公務部では、一次業者として建設現場に入り、仮設工事・土工事・躯体工事を請負っているほか、豊蔵組一級建築士事務所では建築企画を担当している。
(画像元:豊蔵組WEBサイトより引用)主な実績として、津幡町新庁舎・福祉センター、石川県内の森林公園屋内木育施設建設工事、白山総合車両所ビジターセンターなど、地域に根差したプロジェクトが並ぶ。
月に数回の1day会社説明・現場見学会を開催しており、私服参加可、昼食付、交通費補助ありと、参加のハードルを下げながら求職者との接点をつくる取り組みも行っている。
4. ウィルビー
ウィルビーは、1977年に石川県金沢市で創立された総合建設・建材企業だ。建築事業本部では、物流センター・倉庫・工場・商業施設などサプライチェーンを支える大規模構築物を設計から施工、メンテナンスまで一貫して手がけており、日鉄物産システム建築や横河システム建築の代理店という強みも持つ。
(画像元:ウィルビーWEBサイトより引用)建材事業本部では、体育館・プールなどのスポーツ施設専門工事、オリジナルフローリングKATTENAや無垢三層フローリングALPEATなどを通じて、内装・床・環境分野においても幅広く事業展開している。
所在地を金沢市に置きながら北陸、中部、関西地域も施工エリアを広げ、 機能性やコスト意識の高い施工提案を実現している。
5. 白山建設
1974年に会社を設立した白山建設は、石川県白山市に本社を、本社とは別に白山市南営業所を構える建設会社だ。
長年にわたり道路整備・河川改修・橋梁工事など公共インフラの構築を主要事業とし、地域防災と暮らしの安心を支えてきた。
建築分野では、プラント、商業施設、オフィス、公共施設、官公庁施設といった幅広い施工実績を持ち、システム建築、鋼板内蔵薄肉コンクリート部材による外付け耐震補強工法であるピタコラム工法など、技術を駆使して地域のニーズに応えている。
(画像元:白山建設WEBサイトより引用)具体的な施工実績としては、白山ろくテーマパーク公園センター、白嶺小中学校屋内運動場棟、石川ウッドセンターなどがあり、白山エリアに根付いた企業であることがうかがえる。
6. 兼六建設
1951年に創業した兼六建設は、医療・社会福祉施設、商業施設、公共事業、そして不動産開発を営む総合建設業者だ。
郷土とともに発展を遂げてきた歴史の中で、石川県庁、石川県政記念しいのき迎賓館、金沢海みらい図書館、金沢城内の休憩所「玉泉庵」といった県を象徴する建築を数多く担当してきた。
(画像元:兼六建設WEBサイトより引用)近年の主な施工事例としては、金沢美術工芸大学、いしかわ特別支援学校高等部、津幡町住吉公園屋内温水プール「アザレア」、石川県外では和歌山県のとれとれビレッジV期建設工事などを手がけている。
公式ウェブサイトでは若手社員のインタビューを掲載するなど、新たな人材の育成と発掘にも力を注いでいる。
7. 大日土建
大日土建は、石川県金沢市に本社、白山市に営業所を置き、土木・建築両面で地域インフラの整備を担う総合建設企業だ。
道路や河川の築造、下水道・ガス管・水道管といった都市インフラの整備から、山間部の砂防工事まで、幅広い土工を手がけている。
(画像元:大日土建WEBサイトより引用)施工実績として、石川県立中央病院外構、金沢市を象徴する河川である犀川の河道堀削などがある。
建築分野では、公共施設や住宅・集合住宅をメインに手がけており、石川県立図書館キャノピー、鳥越中学校武道館、旧一の宮駅舎といったプロジェクトを手がけている。
多数の実績で培った技術力、施工力での地域貢献に加え、地域密着型の企業であることにも重きを置いており、災害対応として川の氾濫に備えて常時1000袋の土のう袋を用意し、24時間体制で応急対策に臨む体制を整えている。
8. トーケン
1970年に創立されたトーケンは、県内有数の規模を誇る企業として地域の発展に貢献している企業だ。
建設事業を基盤に据えつつ、不動産開発事業、賃貸マンション事業、屋上緑化の企画や施工を行う環境関連事業、そして地域のニーズを組んだ高齢者介護施設紹介事業を展開しており、建設総合サービス業の立ち位置を自認している。
(画像元:トーケンWEBサイトより引用)工場・倉庫、社屋、公共・教育文化施設、医療・福祉施設、アパートマンション、商業施設、PFI事業などを幅広く手がけており、石川県かほく市にある日本最大級の産業観光施設KAJI FACTORY PARKや、石川県立中央病院、北陸新幹線小松駅の高架下観光交流センターなどの施工実績がある。
人材育成・働き方改革にも力を入れており、これまで、石川県経営者協会主催の「かがやきカンパニー大賞」をはじめとする受賞や優良法人としての認定を多数受けている。建築から環境、不動産、福祉にまでわたる暮らしを支える複合サービス企業として今後も注目される存在だ。
9. 辰村道路
特定建設業者として県知事の許可を受けた辰村道路は、1972年に創業した企業だ。本社を金沢市に構え、県内の津幡町、七尾市に営業所、工場を置いている。
舗装工事、土木工事に加え、アスファルト合材の製造と販売、アスファルト廃材中間処理兼収集、運搬の事業に取り組んでいる。
(画像元:辰村道路WEBサイトより引用)自社のアスファルト合材生産施設は、ラッシュ時には1時間あたり200トンの出荷能力を持っており、リサイクルプランとは1時間最大60トンのリサイクル製造に対応しているなど、持続可能な施工体制を確立している。
また、薄層舗装やエスマック舗装(排水層+不透水層)などの高機能型舗装、さらには、フットサル場やテニスコート、グラウンドなどスポーツ関連施設の施工も手がけている。
10. 山﨑組
1951年に創業した山﨑組は、石川県白山エリアを中心に建設業を営む地域密着型の企業だ。
1989年には、電気工事、水道施設管工事、コンクリートポンプ圧送など幅広い事業を展開する山﨑商事が立ち上がり、YAMAZAKIグループとして地域の生活基盤を支え続けてきた。
山﨑組は、公共工事を中心とした土木工事業を展開しているほか、太陽光発電・地熱調査事業を展開している。
グループ会社である山﨑商事と密に連携を取り、土木工事、電気工事、設備工事、コンクリート製造、運輸業、コンクリート圧送業など、各部門のノウハウを集約させた高い技術力を発揮できるのが強みだ。
(画像元:山﨑組WEBサイトより引用)近年の実績として、令和2年度ふるさと林道整備事業として取り組んだ白山線応急対策工事、令和元年度の林道災害復旧事業として取り組んだ同じく白山線の災害復旧工事などがあり、防災や応急対策工事を特に数多く手がけている。
11. 小山組
小山組は、石川県加賀市に本社を置き、1949年の創業以来、地域のインフラ整備を担ってきた総合建設会社である。
土木・建築の両分野を軸に、道路・橋梁・河川の整備、公共施設の建設、民間の建築工事まで幅広い領域を手がけ、加賀エリアを中心に長年にわたり地域の暮らしを支えてきた。
特に、地元行政からの信頼が厚く、入札工事での実績も豊富。地域の防災・減災を見据えた河川改修や道路の維持管理など、生活基盤を守る取り組みに力を注いでいる。
(画像元:小山組WEBサイトより引用)建築分野では、庁舎や学校、医療・福祉施設といった公共性の高い建物の実績が多く、地域利用者の目線に立った丁寧な設計・施工が特徴。
現場管理では、安全・品質・工程の徹底に取り組み、長年の実績で培われた確かな施工力を誇っている。また、社員教育にも注力し、資格取得支援や若手の育成環境の整備によって、未来の地域建設を担う人材育成を推進している。
「地元とともに歩む建設会社」として、時代の変化に向き合いながら、誠実な仕事を積み重ねてきた小山組。加賀エリアの持続可能なまちづくりに欠かせない存在として、その役割を着実に広げている。
12. 創真建設
「真心をもって創造する」とモットーとする創真建設は、石川県金沢市を本社として、2008年に設立された総合建設会社だ。地域密着型の施工体制と、確かな技術力を強みに事業を展開している。
医療・福祉・教育施設、店舗・商業施設、マンション・共同住宅、工場・社屋、住宅建築を幅広く手掛けており、自社社屋自体も第38回金沢都市美文化賞を受賞するなど、景観への配慮や建築的な美を追求したものづくりにも高い評価を受けている。
(画像元:創真建設WEBサイトより引用)そのほかの施工実績としては、金沢市内の金城樓改装(宿泊室増設)計画、金沢市武蔵町の老人ホーム新築工事などがあり、関西や首都圏での実績もある。
また、地域の企業として、地元人材の雇用や若手育成にも注力しており、社員が長く安心して働ける体制づくりにも取り組んでいる。
13. 日本海建設
1950年に創業した日本海建設は、金沢港の浚渫から事業をスタートさせ、その後、石川県内にある各港湾の建設に携わってきた企業だ。
現在では、造成工事、道路、橋、下水道などの土木工事を中心として、幅広く実績を重ねている。
施工実績には、地域を象徴する建築が多数並ぶ。例えば、金沢市から発注を受けた金沢21世紀美術館(企業体の一員として受注)、石川県から発注を受けた金沢城公園いもり堀の整備工事などだ。

(画像元:日本海建設WEBサイトより引用)
さらに、土木分野では、山側環状御所高架橋、内灘海浜橋、石川県小松市の海岸人口リーフ、金沢市を代表する河川である犀川の改修などがある。
施工管理者、重機オペレーターともに未経験者や新卒の募集を行っており、住みよい環境づくりを目指す企業として、次世代の育成にも取り組んでいる。
14. 宏州建設
宏州建設は、1963年に創業し、建築、住宅、不動産、リフォームを手広く手がけている。不動産賃貸管理や修繕、土地開発事業などを軸とするコーワ商事をグループ会社に持つことも強みのひとつだ。
建築事業では、金沢市立中央小学校や金沢市役所耐震改修工事、石川県総合スポーツセンターといった公共工事から、店舗などの商業空間、オフィスなどのビジネス空間、アパート・マンションの工事を行なっている。
(画像元:宏州建設WEBサイトより引用)木造住宅ブランド「コーワの家」を通じて、耐震・制震仕様やZEH(ゼロエネルギーハウス)対応など最新の技術を導入し、木のぬくもりと安心の住まいづくりを提供しているほか、
リフォーム事業では PanasonicリフォームClub 加盟企業として、水回りから大規模改修まで、幅広いニーズに応えるサービスを展開している。
近年では能登半島地震の復興支援として、木造応急仮設住宅の建設に取り組んだり、県産材を活用した住まいの推進など、地域の防災・環境課題にも積極的に応えており、技術・サービス・社会責任において一歩先を見据える姿勢が特徴である。
15. 城東建設
城東建設は、1924年に注文住宅を手がける大工としてはじまり、1944年には、第二次世界大戦の最中に飛行機の部品をつくる会社として会社設立を迎えたという変遷をたどってきた。その後、1957年に城東建設として新たなスタートを切った。
石川県内を中心に、北陸3県をフィールドに事業を展開しており、公共施設をはじめ一般建築の木造住宅にいたるまで、最新の技術と創造力を駆使した工事が強みだ。
(画像元:城東建設WEBサイトより引用)手がけてきた施工実績の中でも、石川県林業試験場展示館は、中部建築賞、建築業協会賞、公共建築賞受賞と多数の表彰に輝いた代表的な事例となっている。
また、歴史をさかのぼると、石川県の礎を築いた前田家の移設を請け負った経緯もあり、伝統建築との結びつきも深く、現在では、金沢城公園の建築・復元工事に携わっている。
WRITTEN by
國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。
建設土木のICT活用など、
デジコンからの最新情報をメールでお届けします