日本列島のほぼ中央に位置する岐阜県は、7つの県に囲まれた日本有数の内陸県で、御嶽山、乗鞍岳、奥穂高岳など、標高3000メートルを超える山々が連なる飛騨地域から平野部まで、標高差の大きい地形が特徴のひとつだ。
木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)をはじめとする豊富な水資源を誇り、水力エネルギーは全国1位となっているほか、県土に占める森林の割合は全国2位と、豊かな自然環境に恵まれている。
また、白川郷を代表とする歴史ある建築の残る地域や、過去最高気温を記録した多治見市など、地形意外にもバラエティに富んだ特徴を持つ。
加えて、都市機能が発達した市街地も抱えることや、製造業が中心的な産業であること、東海・北陸・関西を結ぶ交通の要衝であるといった点から、地域ごとに求められる建設技術や役割は大きく異なっている。
山間部では、道路・橋梁・トンネル整備に加え、豪雪対策・治山・砂防、河川改修といった防災インフラの整備が重要なテーマとなっている。
同時に、幹線道路や物流関連施設の整備が継続的に行なわれているほか、住宅、商業施設、工場、公共施設などの建築需要も安定して存在している。
本記事では、そんな岐阜県の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1924年に創業した大日本土木は、1980年にはエジプトの工業用タンク設置で海外進出、1997年にはツインリンクもてぎ完成、2000年にはキリバス共和国の国会議事堂工事など、岐阜県に本店を置きながら世界規模の事業を展開する総合建設業者だ。
土木事業では、道路、鉄道、橋梁、トンネル、港湾、河川、ダム、水道など多岐の領域にわたって工事を手がけ、既存インフラの長寿命化や災害に強いインフラの整備にも積極的に取り組んでいる。
(画像元:大日本土木WEBサイトより引用)
近年では、志摩エリアにおけるアウトドア体験型複合施設建設工事、北陸新幹線の越前三ツ屋高架橋工事などを施工してきた。
建築事業では、計画・設計・施工からメンテナンスに至るまで、庁舎、オフィス、教育施設、医療施設、生産施設、店舗、住宅などに幅広く対応。
公立大学法人奈良県立医科大学畝傍山キャンパス、岐阜県庁舎などの実績がある。
また、アフリカや中東、中央アジア、大洋州の開発途上国を中心に展開する海外事業では、日本のODAによる無償資金協力分野へ積極的に取り組んでいるところだ。
1845年に創業したTSUCHIYAは、岐阜県に本社・本店、加えて東京本社も構える企業だ。TSUCHIYAグループ全社で1,203億円の受注高(2025年7月期)を持つ。
国内事業、海外事業、航空事業、環境事業の4つを重点事業と位置付けている。
(画像元:TSUCHIYA WEBサイトより引用)
技術提案型企業を目指す国内事業では、設計から施工、維持修繕まで対応する建築、DXを駆使した施工に取り組む土木、3本目の柱として拡大中の不動産、災害対策・環境対策・BCP対などを提案する建設コンサルティング、そしてICTやAI、ロボット、新工法技術などの技術研究開発を行っている。
世界16ヶ国の建設実績を持つ海外事業でも同様に、各国現地の駐在日本人スタッフ・現地社員が全業務をサポートする体制を築き、建築、土木、不動産、建設コンサルティングを展開している。
実績として、2025年に開催された万博での日本国際博覧会施設整備事業(PW北東工区)、東京アクアティクスセンター、名古屋市科学館、駒沢オリンピック公園総合運動場、岐阜関ヶ原古戦場記念館などがある。
岐阜県大垣市に本社を置く岐建は、500名を超える従業員を抱える総合建設会社。
1903年に宮大工を軸とした木村工務店として創業後、寺院や学校などの建築工事を数多く手がけ、1955年には土木事業に本格参入した。
1946年には法人化を果たし、120年以上にわたり、地元地域の社会基盤整備を担い、堅実な企業基盤を築いてきた。
(画像元:岐建WEBサイトより引用)
一世紀以上の時間をかけて培ってきた地域の信頼と技術力を強みとして、土木・建築工事では、道路新設、橋梁、トンネル、舗装、公園・広場整備といった暮らしを支える工事、公共施設、医療・福祉施設、工場、商業施設、オフィスなどの建築を幅広く手がけている。
創業以来の地域密着の姿勢は、まちの暮らしの安心・安全を支える礎として評価され、近年では、岐阜県の本巣市新庁舎、岐阜県総合医療センター南棟、都市計画道路神田神戸線の道路改良工事、牧田川烏江護岸工事などの大型公共案件にも実績を重ねている。
イビデングリーンテックは、1959年、揖斐川電気工業(現イビデン)などが出資し、複合肥料の製造販売を目的として設立された企業を前身とする。
その後、法面事業、造園事業に参入し、道路・鉄道などのインフラ整備のニーズが拡大していく時代にあわせ、日本各地へと事業フィールドを広げてきた。

独自の法面・造園・建設技術を基盤に、人と自然が共生する環境づくりを掲げている企業だ。
斜面安定・落石防止・緑化工事など自然災害対策に関わる法面事業を中心に成長しており、景観に配慮した「GTフレーム工法」など環境負荷の少ない技術が評価されている。
造園事業では公園や商業施設の緑地整備、屋上緑化・外構工事まで対応し、都市空間の質向上にも貢献している。
近年ではEXPO2025大阪・関西万博ベルギー館や東京ミッドタウン日比谷といった都市部での造園・建築施工例も公表されているほか、歴史民俗資料館の外壁改修や工場屋根改修など、多様な実績を積み重ねているのが特徴だ。
建築事業本部を設けており、設計から施工・管理まで一貫して対応するワンストップサービス体制や、国家資格保有者を多数擁する技術力の高さも強みとなっている。
環境保全と災害対策を両立させる企業として、地域と都市の双方で求められる技術を提供している。
岐阜県岐阜市に本社を置く安部日鋼工業は、1949年の創業以来、プレストレストコンクリート(PC)の技術を活かして事業を展開してきた。
PCタンクの建設工事、PCマクラギの製造では国内1位のシェアを誇る。
安部日鋼工業が施工するPC橋梁は、一般のコンクリート橋に比べ、耐久性に優れており、長スパン化・軽量化、さらに多彩な橋梁形式への対応が可能なことが特徴。

全国各地で、道路橋、鉄道橋、歩道橋などを数多く手がけてきた実績がある。
PCタンクは、日本国内で初となるPC容器構造物を1957年に設計施工し、これまでに4,000基を超える実績を持つ。
鉄道軌道に用いられるPC製の枕木は、国内最初期から、新幹線をはじめ多くの鉄道に提供しており、現在では海外にも展開しているところだ。
1950年創業の市川工務店は、土木工事・建築工事に幅広く対応する総合建設会社だ。
土木では、舗装、橋梁、下水処理場、トンネル、道路新設、護岸、ダム、トンネルなどの維持修繕、シールド・推進、排水機・樋管などを手がけている。
建築では、公共施設、教育・体育施設、福祉・医療施設、博物館・美術館、商業施設、工場・倉庫のほか、免震・耐震補強工事、住宅工事やリフォーム工事まで行う。
(画像元:市川工務店WEBサイトより引用)
公式サイトでは施工現場からの最新レポートを発信しており、156号岐阜東BP岩田地区橋梁下部工事岐阜県県民ふれあい会館昇降機設備改修工事といった事例について、工事概要とともに従業員による解説を読むことができる。
また、ユニークな取り組みとして、施工管理シミュレーションゲーム「セコカン!」を自社で企画制作しており、高校への出張講座などで建設業界や施工管理の仕事内容・魅力を知ってもらうために活用している。
1935年に創業した金子工業は、岐阜県下呂市を拠点に、総合建設業、一級建築士事務所、宅地建物取引業、砕石製造販売などに取り組む企業だ。
戦後には、農林省が行っていた上野平の開墾事業を農林省直轄として引き継ぎ、何万mもの規模だった大型の開墾事業を完了させた歴史を持つ。
(画像元:金子工業WEBサイトより引用)
長年にわたり地域の公共土木を支える企業として根付いており、今後も岐阜県の社会基盤整備の一翼を担う存在として活動が期待される企業だ。
土木工事では、道路の維持管理や舗装、橋梁工事、トンネル、砂防、ダム、河川の護岸工事を国や自治体からの受注で行うほか、用水の整備や圃場の整備などの農業土木、さらには工業団地や宅地の造成工事といった民間の工事も手がけている。
建築工事では、教育施設や行政機関、商業施設や工場、病院、福祉施設などを協力会社と連携を図りながら施工している。
また、住宅の設計や施工も行なっており、高山、岐阜、名古屋、本社の4拠点をベースに対応している。
代表的な実績として、岐阜県から発注を受けたカラ谷(ワラビノ谷)堰堤工事、小鷹利トンネル新設工事、下呂市内の谷敷病院新築工事や萩原小学校屋内運動場改築工事がある。
1912年の創業から110年以上の歴史を持つ篠田製作所は、鋼製橋梁と各種プラント機器・設備の設計から施工までを手がける企業だ。
自社工場には、最大30tのクレーン(揚程10m、スパン28m)と広大な敷地、ステンレス専用建屋を備えており、大型製品にも対応できることを強みとしている。

中部地域を中心に、道路橋・歩道橋などを数多く手がけており、新設橋梁だけでなく、長寿命化を図るための維持修繕工事にも取り組んでいる。
これまでの実績として、岐阜県の鵜飼い大橋、岐阜駅デッキ、安八高架橋、名古屋高速道路(橋長363.7mのうち65.1mを担当)などがある。
吉川工務店は、1937年に創業し、岐阜県中津川市の本社に加え、県内と隣接する長野県内に営業所や生コン工場、砂利工場を複数構えている。
総合建設業をはじめ、生コンクリート製造販売、鋼構造物設計製作、砂利採取販売を展開する企業だ。
(画像元:吉川工務店WEBサイトより引用)
土木事業では、道路や橋梁といったインフラ工事から、災害復旧工事まで幅広く対応している。
近年では、木曽川水系の地獄谷除石工事、町~斧戸線特殊舗装工事など、本社を置く中津川市の案件を中心に数多くの実績を重ねている。
建築事業では、一般住宅から商業施設、病院、公共施設、工場・倉庫まで、多様なプロジェクトを展開しており、中津川市にある松源寺改修工事、瑞浪市民体育館改修工事などを手がける。
さらに、自社で鉄骨の設計・製作や、生コンクリートの製造・販売、高品質な砂利を採取・加工を行っていることが特徴で、密な連携体制と資材の安定的な供給により、工事以外の場面でも地域の発展に大きく貢献している。
青協建設は、公共工事・民間工事の双方を手がける地域密着型の総合建設業者として成長してきた。
1959年、関市誕生と同時に関市連合青年団OBによって結成された関市推進青年協議会をルーツとして創業した。
協議会結成の1ヶ月後に局地的な豪雨が発生し、復旧作業を行う「災害処理班」を発足。その後も災害時に度々活動していたことから、関市から「建設工事を支援する体制を」との要望を受け、青協建設の前身となる青協建設班がつくられた。
(画像元:青協建設WEBサイトより引用)
2019年に完成した社屋には、災害時に近隣住民を受け入れる設備を導入しているほか、民間企業としては初めて岐阜県と「災害時における広域防災拠点」の協定を締結するなど、防災への注力が目立つ。
UAV(ドローン)を使った測量に県内でもいち早く着手するなど、測量・設計・施工の全工程でICT活用を推進しており、測量によって得たデータの解析から3次元設計データの作成まですべて社内で行うほか、マシンコントロール(マシンガイダンス)システムを搭載したICT建設機械の活用、モニターで3次元設計データや衛星からの位置情報を確認しながら作業ができるバックホウやブルドーザーといったICT建機も導入し、省力化・効率化、事故やミスを防止できる現場づくりに取り組んでいる。
主な実績として、関市民球場改修工事、刃物ミュージアム回廊整備工事、瑞浪恵那道路釜戸地区道路建設工事などがある。
総合建築業を営むヤマシタ工務店は、1974年の創業以来、住宅建築を中心に、一般建築から、道路や河川といった環境土木工事まで地域の住環境づくりに取り組む工務店だ。

住宅、リフォームにおいては、岐阜県の気候風土を踏まえた断熱性・耐震性への配慮や、生活動線を意識した設計など、実用性を重視した提案力も強み。地域に根ざした工務店として、身近な相談先であり続けることを重要視にしている。
一般建築では、公共建築物をはじめ、商業施設、介護施設、医療施設、工場、賃貸マンションを手がけており、実績として国登録有形文化財である郡上市八幡町の旧越前屋での耐震補強・復元改修の工事、木造平屋建で施工した本巣郡北方町の北方町こども児童館などがある。
2025年には、第7回郡上市景観賞の建築物部門において八幡町新町の「八幡信用金庫本店」が受賞を遂げるなど、褒賞も数多い。
岐阜県郡上市を拠点とする髙垣組は、建築、土木、住宅の3事業を柱として、1947年に創業した企業だ。創業100年を見据え、2021年12月にはAMGホールディングス(東証スタンダード市場/名証メイン市場)グループに参画している。
(画像元:髙垣組WEBサイトより引用)
年間平均500件以上の施工を行なっており、その受注の8割以上を占める建築事業では、岐阜市のいわのだこどもの森、郡上市総合スポーツセンター、郡上市民病院、郡上八幡まちなみ交流館といった施工実例がある。
土木事業では、直近2025年にも郡上土木事務所・長良川上流河川開発工事事務所管内で発表される令和7年度県土整備部・都市建築部の優良工事施工者表彰で郡上土木事務所長賞を受賞するなど、高い評価を積み重ねている。
また、公式サイトでは稼働中の現場の進捗状況を月1回配信したり、発注者に対して概算見積協力方式と競争相見積方式の選択肢を整備して解説を行なったりと、積極的で枠にとらわれない情報発信にも特色がある企業だ。
「関ヶ原を支える建設会社」を銘打つ吉田組は、岐阜県・関ヶ原を中心として、道路・河川整備から民間工事まで幅広く対応している。
1969年の創業以来、「地域の安心を守る」という揺るぎない使命を持ちながら、地域密着型企業として、地元の課題に向き合いながら事業を展開している点も特徴だ。
(画像元:吉田組WEBサイトより引用)
橋脚工事、舗装工事、除雪、側溝補修、道路修繕、道路維持、草木処分、獣害フェンス設置といった公共工事を多数手がけている。
また、公共工事で培った技術力を活かし、民間工事も幅広く請け負っており、基礎工事、造成工事、解体工事、除草工事、除雪工事などを行なっている。
「地域に役立つ仕事がしたい」「誰かのありがとうがやりがいになる」といったメッセージを掲げて若手人材の募集を行なっており、地域の暮らしを支える次世代の担い手の育成にも存在感を持つ企業だ。
1950年創業の丸ス産業は、岐阜県加茂郡白川町を拠点に建設関連事業を展開する企業だ。調査・測量・設計・施工・メンテナンスまで一貫したフォローアップを行う体制と、緊急な災害や落石にも柔軟にスピーディーに対応できる地元に根付いた機動力が強みだ。


特徴となる技術を3つに分類しており、道路・河川・砂防・治山工事といった「創る」技術、土砂災害や落石を防ぎ、環境に配慮した「守る」技術、橋・トンネル・道路・農業用水などを「再生する」技術を、それぞれ最新のテクノロジーも取り入れながら駆使している。
毎年、優良工事者の表彰を受け続けており、令和4年度には可茂農林事務所長表彰、公益社団法人岐阜県山林協会表彰、高山国道事務所長表彰、岐阜県知事表彰「優秀施工者」表彰に輝いている。
ユニークな活動として、地域での生活に役立つ情報をまとめた「てんこもり新聞」を2007年から制作しているほか、採用に特化した特設サイトを開設して各職種の説明やインタビューを発信している。
1959年に創業した大西組は、岐阜県郡上市を拠点として事業を展開する総合建設業者だ。
1989年から着手した深礎工事では、自社の保有建設機械と機械器具を用いた直営施工を基本としており、現在でも特殊技術の研鑽を続けている。

例えば、橋脚などの重量を支持層に伝えるための杭を地中深く施工する大口径深礎工事では、耐震基準の改定に合わせて、一般的だったライナープレートによる土留めを見直し、吹付けコンクリートとロックボルトや鋼製支保工を併用した土留め構造を採用。
公式サイトでは、具体的な施工サイクルを技術紹介とともに掲載している。
一般土木工事では、道路や橋梁、トンネル、河川、砂防、治山、林道、水道・下水道など幅広い工事を手がけており、近年では令和4年度156号為真地区歩道整備工事や岐阜県郡上市内での通常砂防事業などがある。
木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)をはじめとする豊富な水資源を誇り、水力エネルギーは全国1位となっているほか、県土に占める森林の割合は全国2位と、豊かな自然環境に恵まれている。
また、白川郷を代表とする歴史ある建築の残る地域や、過去最高気温を記録した多治見市など、地形意外にもバラエティに富んだ特徴を持つ。
加えて、都市機能が発達した市街地も抱えることや、製造業が中心的な産業であること、東海・北陸・関西を結ぶ交通の要衝であるといった点から、地域ごとに求められる建設技術や役割は大きく異なっている。
山間部では、道路・橋梁・トンネル整備に加え、豪雪対策・治山・砂防、河川改修といった防災インフラの整備が重要なテーマとなっている。
同時に、幹線道路や物流関連施設の整備が継続的に行なわれているほか、住宅、商業施設、工場、公共施設などの建築需要も安定して存在している。
本記事では、そんな岐阜県の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 大日本土木
1924年に創業した大日本土木は、1980年にはエジプトの工業用タンク設置で海外進出、1997年にはツインリンクもてぎ完成、2000年にはキリバス共和国の国会議事堂工事など、岐阜県に本店を置きながら世界規模の事業を展開する総合建設業者だ。
土木事業では、道路、鉄道、橋梁、トンネル、港湾、河川、ダム、水道など多岐の領域にわたって工事を手がけ、既存インフラの長寿命化や災害に強いインフラの整備にも積極的に取り組んでいる。
(画像元:大日本土木WEBサイトより引用)近年では、志摩エリアにおけるアウトドア体験型複合施設建設工事、北陸新幹線の越前三ツ屋高架橋工事などを施工してきた。
建築事業では、計画・設計・施工からメンテナンスに至るまで、庁舎、オフィス、教育施設、医療施設、生産施設、店舗、住宅などに幅広く対応。
公立大学法人奈良県立医科大学畝傍山キャンパス、岐阜県庁舎などの実績がある。
また、アフリカや中東、中央アジア、大洋州の開発途上国を中心に展開する海外事業では、日本のODAによる無償資金協力分野へ積極的に取り組んでいるところだ。
2. TSUCHIYA
1845年に創業したTSUCHIYAは、岐阜県に本社・本店、加えて東京本社も構える企業だ。TSUCHIYAグループ全社で1,203億円の受注高(2025年7月期)を持つ。
国内事業、海外事業、航空事業、環境事業の4つを重点事業と位置付けている。
(画像元:TSUCHIYA WEBサイトより引用)技術提案型企業を目指す国内事業では、設計から施工、維持修繕まで対応する建築、DXを駆使した施工に取り組む土木、3本目の柱として拡大中の不動産、災害対策・環境対策・BCP対などを提案する建設コンサルティング、そしてICTやAI、ロボット、新工法技術などの技術研究開発を行っている。
世界16ヶ国の建設実績を持つ海外事業でも同様に、各国現地の駐在日本人スタッフ・現地社員が全業務をサポートする体制を築き、建築、土木、不動産、建設コンサルティングを展開している。
実績として、2025年に開催された万博での日本国際博覧会施設整備事業(PW北東工区)、東京アクアティクスセンター、名古屋市科学館、駒沢オリンピック公園総合運動場、岐阜関ヶ原古戦場記念館などがある。
3. 岐建
岐阜県大垣市に本社を置く岐建は、500名を超える従業員を抱える総合建設会社。
1903年に宮大工を軸とした木村工務店として創業後、寺院や学校などの建築工事を数多く手がけ、1955年には土木事業に本格参入した。
1946年には法人化を果たし、120年以上にわたり、地元地域の社会基盤整備を担い、堅実な企業基盤を築いてきた。
(画像元:岐建WEBサイトより引用)一世紀以上の時間をかけて培ってきた地域の信頼と技術力を強みとして、土木・建築工事では、道路新設、橋梁、トンネル、舗装、公園・広場整備といった暮らしを支える工事、公共施設、医療・福祉施設、工場、商業施設、オフィスなどの建築を幅広く手がけている。
創業以来の地域密着の姿勢は、まちの暮らしの安心・安全を支える礎として評価され、近年では、岐阜県の本巣市新庁舎、岐阜県総合医療センター南棟、都市計画道路神田神戸線の道路改良工事、牧田川烏江護岸工事などの大型公共案件にも実績を重ねている。
4. イビデングリーンテック
イビデングリーンテックは、1959年、揖斐川電気工業(現イビデン)などが出資し、複合肥料の製造販売を目的として設立された企業を前身とする。
その後、法面事業、造園事業に参入し、道路・鉄道などのインフラ整備のニーズが拡大していく時代にあわせ、日本各地へと事業フィールドを広げてきた。

(画像元:イビデングリーンテックWEBサイトより引用)
独自の法面・造園・建設技術を基盤に、人と自然が共生する環境づくりを掲げている企業だ。
斜面安定・落石防止・緑化工事など自然災害対策に関わる法面事業を中心に成長しており、景観に配慮した「GTフレーム工法」など環境負荷の少ない技術が評価されている。
造園事業では公園や商業施設の緑地整備、屋上緑化・外構工事まで対応し、都市空間の質向上にも貢献している。
近年ではEXPO2025大阪・関西万博ベルギー館や東京ミッドタウン日比谷といった都市部での造園・建築施工例も公表されているほか、歴史民俗資料館の外壁改修や工場屋根改修など、多様な実績を積み重ねているのが特徴だ。
建築事業本部を設けており、設計から施工・管理まで一貫して対応するワンストップサービス体制や、国家資格保有者を多数擁する技術力の高さも強みとなっている。
環境保全と災害対策を両立させる企業として、地域と都市の双方で求められる技術を提供している。
5. 安部日鋼工業
岐阜県岐阜市に本社を置く安部日鋼工業は、1949年の創業以来、プレストレストコンクリート(PC)の技術を活かして事業を展開してきた。
PCタンクの建設工事、PCマクラギの製造では国内1位のシェアを誇る。
安部日鋼工業が施工するPC橋梁は、一般のコンクリート橋に比べ、耐久性に優れており、長スパン化・軽量化、さらに多彩な橋梁形式への対応が可能なことが特徴。

(画像元:安部日鋼工業WEBサイトより引用)
全国各地で、道路橋、鉄道橋、歩道橋などを数多く手がけてきた実績がある。
PCタンクは、日本国内で初となるPC容器構造物を1957年に設計施工し、これまでに4,000基を超える実績を持つ。
鉄道軌道に用いられるPC製の枕木は、国内最初期から、新幹線をはじめ多くの鉄道に提供しており、現在では海外にも展開しているところだ。
6. 市川工務店
1950年創業の市川工務店は、土木工事・建築工事に幅広く対応する総合建設会社だ。
土木では、舗装、橋梁、下水処理場、トンネル、道路新設、護岸、ダム、トンネルなどの維持修繕、シールド・推進、排水機・樋管などを手がけている。
建築では、公共施設、教育・体育施設、福祉・医療施設、博物館・美術館、商業施設、工場・倉庫のほか、免震・耐震補強工事、住宅工事やリフォーム工事まで行う。
(画像元:市川工務店WEBサイトより引用)公式サイトでは施工現場からの最新レポートを発信しており、156号岐阜東BP岩田地区橋梁下部工事岐阜県県民ふれあい会館昇降機設備改修工事といった事例について、工事概要とともに従業員による解説を読むことができる。
また、ユニークな取り組みとして、施工管理シミュレーションゲーム「セコカン!」を自社で企画制作しており、高校への出張講座などで建設業界や施工管理の仕事内容・魅力を知ってもらうために活用している。
7. 金子工業
1935年に創業した金子工業は、岐阜県下呂市を拠点に、総合建設業、一級建築士事務所、宅地建物取引業、砕石製造販売などに取り組む企業だ。
戦後には、農林省が行っていた上野平の開墾事業を農林省直轄として引き継ぎ、何万mもの規模だった大型の開墾事業を完了させた歴史を持つ。
(画像元:金子工業WEBサイトより引用)長年にわたり地域の公共土木を支える企業として根付いており、今後も岐阜県の社会基盤整備の一翼を担う存在として活動が期待される企業だ。
土木工事では、道路の維持管理や舗装、橋梁工事、トンネル、砂防、ダム、河川の護岸工事を国や自治体からの受注で行うほか、用水の整備や圃場の整備などの農業土木、さらには工業団地や宅地の造成工事といった民間の工事も手がけている。
建築工事では、教育施設や行政機関、商業施設や工場、病院、福祉施設などを協力会社と連携を図りながら施工している。
また、住宅の設計や施工も行なっており、高山、岐阜、名古屋、本社の4拠点をベースに対応している。
代表的な実績として、岐阜県から発注を受けたカラ谷(ワラビノ谷)堰堤工事、小鷹利トンネル新設工事、下呂市内の谷敷病院新築工事や萩原小学校屋内運動場改築工事がある。
8. 篠田製作所
1912年の創業から110年以上の歴史を持つ篠田製作所は、鋼製橋梁と各種プラント機器・設備の設計から施工までを手がける企業だ。
自社工場には、最大30tのクレーン(揚程10m、スパン28m)と広大な敷地、ステンレス専用建屋を備えており、大型製品にも対応できることを強みとしている。

(画像元:篠田製作所WEBサイトより引用)
中部地域を中心に、道路橋・歩道橋などを数多く手がけており、新設橋梁だけでなく、長寿命化を図るための維持修繕工事にも取り組んでいる。
これまでの実績として、岐阜県の鵜飼い大橋、岐阜駅デッキ、安八高架橋、名古屋高速道路(橋長363.7mのうち65.1mを担当)などがある。
9. 吉川工務店
吉川工務店は、1937年に創業し、岐阜県中津川市の本社に加え、県内と隣接する長野県内に営業所や生コン工場、砂利工場を複数構えている。
総合建設業をはじめ、生コンクリート製造販売、鋼構造物設計製作、砂利採取販売を展開する企業だ。
(画像元:吉川工務店WEBサイトより引用)土木事業では、道路や橋梁といったインフラ工事から、災害復旧工事まで幅広く対応している。
近年では、木曽川水系の地獄谷除石工事、町~斧戸線特殊舗装工事など、本社を置く中津川市の案件を中心に数多くの実績を重ねている。
建築事業では、一般住宅から商業施設、病院、公共施設、工場・倉庫まで、多様なプロジェクトを展開しており、中津川市にある松源寺改修工事、瑞浪市民体育館改修工事などを手がける。
さらに、自社で鉄骨の設計・製作や、生コンクリートの製造・販売、高品質な砂利を採取・加工を行っていることが特徴で、密な連携体制と資材の安定的な供給により、工事以外の場面でも地域の発展に大きく貢献している。
10. 青協建設
青協建設は、公共工事・民間工事の双方を手がける地域密着型の総合建設業者として成長してきた。
1959年、関市誕生と同時に関市連合青年団OBによって結成された関市推進青年協議会をルーツとして創業した。
協議会結成の1ヶ月後に局地的な豪雨が発生し、復旧作業を行う「災害処理班」を発足。その後も災害時に度々活動していたことから、関市から「建設工事を支援する体制を」との要望を受け、青協建設の前身となる青協建設班がつくられた。
(画像元:青協建設WEBサイトより引用)2019年に完成した社屋には、災害時に近隣住民を受け入れる設備を導入しているほか、民間企業としては初めて岐阜県と「災害時における広域防災拠点」の協定を締結するなど、防災への注力が目立つ。
UAV(ドローン)を使った測量に県内でもいち早く着手するなど、測量・設計・施工の全工程でICT活用を推進しており、測量によって得たデータの解析から3次元設計データの作成まですべて社内で行うほか、マシンコントロール(マシンガイダンス)システムを搭載したICT建設機械の活用、モニターで3次元設計データや衛星からの位置情報を確認しながら作業ができるバックホウやブルドーザーといったICT建機も導入し、省力化・効率化、事故やミスを防止できる現場づくりに取り組んでいる。
主な実績として、関市民球場改修工事、刃物ミュージアム回廊整備工事、瑞浪恵那道路釜戸地区道路建設工事などがある。
11. ヤマシタ工務店
総合建築業を営むヤマシタ工務店は、1974年の創業以来、住宅建築を中心に、一般建築から、道路や河川といった環境土木工事まで地域の住環境づくりに取り組む工務店だ。

(画像元:ヤマシタ工務店WEBサイトより引用)
住宅、リフォームにおいては、岐阜県の気候風土を踏まえた断熱性・耐震性への配慮や、生活動線を意識した設計など、実用性を重視した提案力も強み。地域に根ざした工務店として、身近な相談先であり続けることを重要視にしている。
一般建築では、公共建築物をはじめ、商業施設、介護施設、医療施設、工場、賃貸マンションを手がけており、実績として国登録有形文化財である郡上市八幡町の旧越前屋での耐震補強・復元改修の工事、木造平屋建で施工した本巣郡北方町の北方町こども児童館などがある。
2025年には、第7回郡上市景観賞の建築物部門において八幡町新町の「八幡信用金庫本店」が受賞を遂げるなど、褒賞も数多い。
12. 髙垣組
岐阜県郡上市を拠点とする髙垣組は、建築、土木、住宅の3事業を柱として、1947年に創業した企業だ。創業100年を見据え、2021年12月にはAMGホールディングス(東証スタンダード市場/名証メイン市場)グループに参画している。
(画像元:髙垣組WEBサイトより引用)年間平均500件以上の施工を行なっており、その受注の8割以上を占める建築事業では、岐阜市のいわのだこどもの森、郡上市総合スポーツセンター、郡上市民病院、郡上八幡まちなみ交流館といった施工実例がある。
土木事業では、直近2025年にも郡上土木事務所・長良川上流河川開発工事事務所管内で発表される令和7年度県土整備部・都市建築部の優良工事施工者表彰で郡上土木事務所長賞を受賞するなど、高い評価を積み重ねている。
また、公式サイトでは稼働中の現場の進捗状況を月1回配信したり、発注者に対して概算見積協力方式と競争相見積方式の選択肢を整備して解説を行なったりと、積極的で枠にとらわれない情報発信にも特色がある企業だ。
13. 吉田組
「関ヶ原を支える建設会社」を銘打つ吉田組は、岐阜県・関ヶ原を中心として、道路・河川整備から民間工事まで幅広く対応している。
1969年の創業以来、「地域の安心を守る」という揺るぎない使命を持ちながら、地域密着型企業として、地元の課題に向き合いながら事業を展開している点も特徴だ。
(画像元:吉田組WEBサイトより引用)橋脚工事、舗装工事、除雪、側溝補修、道路修繕、道路維持、草木処分、獣害フェンス設置といった公共工事を多数手がけている。
また、公共工事で培った技術力を活かし、民間工事も幅広く請け負っており、基礎工事、造成工事、解体工事、除草工事、除雪工事などを行なっている。
「地域に役立つ仕事がしたい」「誰かのありがとうがやりがいになる」といったメッセージを掲げて若手人材の募集を行なっており、地域の暮らしを支える次世代の担い手の育成にも存在感を持つ企業だ。
14. 丸ス産業
1950年創業の丸ス産業は、岐阜県加茂郡白川町を拠点に建設関連事業を展開する企業だ。調査・測量・設計・施工・メンテナンスまで一貫したフォローアップを行う体制と、緊急な災害や落石にも柔軟にスピーディーに対応できる地元に根付いた機動力が強みだ。


(画像元:丸ス産業WEBサイトより引用)
特徴となる技術を3つに分類しており、道路・河川・砂防・治山工事といった「創る」技術、土砂災害や落石を防ぎ、環境に配慮した「守る」技術、橋・トンネル・道路・農業用水などを「再生する」技術を、それぞれ最新のテクノロジーも取り入れながら駆使している。
毎年、優良工事者の表彰を受け続けており、令和4年度には可茂農林事務所長表彰、公益社団法人岐阜県山林協会表彰、高山国道事務所長表彰、岐阜県知事表彰「優秀施工者」表彰に輝いている。
ユニークな活動として、地域での生活に役立つ情報をまとめた「てんこもり新聞」を2007年から制作しているほか、採用に特化した特設サイトを開設して各職種の説明やインタビューを発信している。
15. 大西組
1959年に創業した大西組は、岐阜県郡上市を拠点として事業を展開する総合建設業者だ。
1989年から着手した深礎工事では、自社の保有建設機械と機械器具を用いた直営施工を基本としており、現在でも特殊技術の研鑽を続けている。

(画像元:大西組WEBサイトより引用)
例えば、橋脚などの重量を支持層に伝えるための杭を地中深く施工する大口径深礎工事では、耐震基準の改定に合わせて、一般的だったライナープレートによる土留めを見直し、吹付けコンクリートとロックボルトや鋼製支保工を併用した土留め構造を採用。
公式サイトでは、具体的な施工サイクルを技術紹介とともに掲載している。
一般土木工事では、道路や橋梁、トンネル、河川、砂防、治山、林道、水道・下水道など幅広い工事を手がけており、近年では令和4年度156号為真地区歩道整備工事や岐阜県郡上市内での通常砂防事業などがある。
WRITTEN by
國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。
建設土木のICT活用など、
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