KENTEM、切削オーバーレイ3Dデータ作成ソフト「SiTE-Overlay」を6月16日リリース。点群データから道路中心線形を自動抽出しICT舗装工に対応

KENTEMは、既設路面の点群データを活用して高精度な縦横断設計を行う切削オーバーレイ3Dデータ作成ソフト「SiTE-Overlay」を2025年6月16日にリリースすると発表した。



同ソフトは道路舗装工事におけるICT施工対応の3次元モデル生成機能を搭載し、設計から施工管理まで一貫したデジタル化を実現する。

レーザースキャナー点群から単曲線・緩和曲線を抽出し3次元設計データを自動生成

「SiTE-Overlay」の中核機能は、レーザースキャナー等による3次元測量で取得した既設路面の点群データから、道路中心線の線形データを自動抽出する技術にある。

従来の測量データ処理では線形データの作成に多大な時間と専門技術が必要だったが、同ソフトでは点群データから道路端部、施工範囲、座標を自動的に登録できる機能を実装している。

線形データの作成において、単曲線と緩和曲線、さらに折れ線をシミュレーション機能で処理することが可能になった。


プレビュー表示を確認しながら線形データの数値を調整し、シミュレーション精度を段階的に向上させることで、高精度な切削オーバーレイ用設計データの作成を実現している。

この機能により、従来は熟練技術者による手作業に依存していた線形データ作成プロセスが大幅に効率化される。

システム連携機能では、同社製品である「SiTE-Scope」および「SiTE-Scope ICTオプション1（舗装工）」との統合運用を可能にしている。「SiTE-Overlay」で作成した3次元設計データと計測点群データを基に、i-Construction対応の出来形評価集計とヒートマップ表示データを自動生成する仕組みを構築した。

ICT舗装工における出来形管理機能として、点群データと設計データを活用した各層ごとの厚さ測定と標高較差による面管理に対応している。

これにより、従来の点的な測定から面的な品質管理への転換が可能となり、工事品質の向上と管理効率の改善を同時に達成できる体制が整備された。

切削オーバーレイ工法は既設舗装面を一定深度で切削除去し、新たなアスファルト層を敷設する舗装修繕工法として広く採用されている。

従来の施工管理では、測量から設計、施工管理まで各段階で個別のシステムや手法が用いられており、データの連携不足による非効率性が課題となっていた。

「SiTE-Overlay」の技術的特徴として、現場測量で取得した点群データを普段使いデータとして活用できる汎用性を確保。特定の工事案件に限定されることなく、継続的な現場データ管理と蓄積が可能となる設計思想を採用している。

製品価格は1ライセンスあたり90万円（税抜）に設定され、年間保守費用は9万円となっている。企業規模や導入形態に応じたライセンス体系により、中小建設会社から大手ゼネコンまで幅広い導入を想定した価格戦略を展開している。