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デジコン編集部 2026.3.5

塗り壁に“吸音”を組み込む。ピクシーダストテクノロジーズと四国化成建材、意匠と「閑さ」を両立する新技術

CONTENTS
  1. 「貼る」から「組み込む」へ。見えない吸音材
  2. 保育空間の騒音課題と、左官文化の継承
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(東京都中央区)と四国化成建材(香川県丸亀市)は2026年3月4日、四国化成建材の塗り壁材に、ピクシーダストテクノロジーズの組み込み型吸音モジュール「iwasemi OC-β」を組み合わせる共同開発を開始したと発表した。

空間の意匠や素材感を損なうことなく、塗り壁の内部に「吸音」という新たな機能価値を付与し、近年問題視されている子ども施設の室内騒音環境の改善を目指す。

「貼る」から「組み込む」へ。見えない吸音材


従来の吸音対策は、壁の上に吸音パネルを「後付けで貼る」手法が主流であり、空間のコンセプトや内装の世界観を損ねてしまうというデザイン上の課題があった。

本共同開発では、音響メタマテリアル技術を応用し、人の会話音の中心帯域(500〜1000Hz)の反響を抑えるモジュール「iwasemi OC-β」を、内装部材の構成要素として壁に「組み込む」アプローチをとる。

これにより、表面は美しい塗り壁の質感(吸湿・消臭機能含む)を保ちながら、目に見えない裏側で優れた吸音性能を発揮する。

保育空間の騒音課題と、左官文化の継承


保育園や認定こども園などの施設において、室内で響き渡る子どもの声や生活音は、保護者や職員にとって大きな心理的・身体的負担となっている。

2025年末には日本建築学会がこども家庭庁へ改善要望書を提出するなど、音環境の整備は急務だ。

(左官文化の継承に向けた体験型アプローチ)

両社はこの課題解決に加え、子どもたちが実際に塗り壁材に触れる「体験キット」の開発も進めている。

音環境の改善という機能的価値を提供するだけでなく、子どもたちが自分の手で素材を塗る体験を通じて、職人不足が嘆かれる「左官文化」の魅力を次世代へつなぐという社会的意義の深いプロジェクトとなっている。





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デジコン編集部

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