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デジコン編集部 2025.12.22

建設現場の65%が「将来の住宅品質低下」を懸念。人手不足と技術継承の停滞が深刻化。X Mile社調査

X Mile(クロスマイル)株式会社は、全国の建設業従事者500名を対象に実施した実態調査の結果を発表した。

調査によると、現場の8割以上が人手不足を実感しており、7割以上が「技術継承が順調でない」と回答。資材高騰も相まって、将来的な住宅品質の低下を懸念する声が多く上がっている。

大工・左官が足りない、外国人材への依存度増す


調査では、回答者の83.8%が現場の人手不足を「実感している」と回答した。特に不足感が強い職種は「大工(51.6%)」、「左官(40.6%)」、「土木作業員(39.8%)」といった専門技術を要する職人が上位を占めた。



こうした中、外国人労働者と働く機会が「増えた」と回答した人は56.4%に達しており、現場における外国人材の存在感が増している実態も浮き彫りとなった。

「見て覚える」余裕なし? 技術継承に黄信号


日本の建設品質を支えてきた技術継承についても、危機的な状況が明らかになった。「技術継承が順調でない」と感じている人は71.8%に上り、特に経験年数21年以上のベテラン層では74%が危機感を抱いている。



その背景には教育時間の不足があり、約6割が「業務時間内で技術を教える・教わる時間が不足している」と回答。人手不足による多忙さが、若手育成の足かせとなっている悪循環がうかがえる。

資材高騰と品質低下の懸念


また、約9割が資材価格の高騰を感じており、65%が「将来的に住宅品質が下がる可能性がある」と回答した。



業界が求める対策としては、「適正な工事価格の確保(25.4%)」と「若手の積極採用・育成(24.6%)」が上位に挙がった。


X Mile代表の野呂寛之氏は、「人手不足、技術継承の停滞、資材高騰が複合的に進行しており、消費者にとっても無視できない影響を及ぼす恐れがある」と警鐘を鳴らしている。

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