ニュース
デジコン編集部 2025.11.25

熊谷組、超高密度ナノバブルで建設機械の燃料消費量低減効果を実証。大切畑ダム堤体復旧工事で検証

熊谷組は、建設機械の燃料に超高密度ナノバブルを混入させることで、燃料消費量の低減効果を実証したと発表した。

本実証試験は、安斉管鉄(神奈川県横浜市)、東京システムズ(東京都渋谷区)、丸紅エネルギー(東京都千代田区)の協力のもと、熊本県発注の大切畑ダム堤体復旧工事にて実施された。

1mLあたり10億個以上の超高密度で燃焼効率が向上


近年、気候変動対策としてカーボンニュートラルの実現が国際的な共通目標となっている。

建設業界においても、地球温暖化の原因とされるCO2排出量の削減は喫緊の課題だ。

特に、建設現場で使用される重機やクレーンなどの大型建設機械から排出されるCO2の削減が強く求められている。

ナノバブルによる燃料の燃焼効率改善や燃料消費量の低減効果は、一部分野で確認されていたが、装置の複雑さやコストが普及の障壁となっていた。



そこで同社は、安価で簡素な超高密度ナノバブル発生装置に着目し、建設機械での燃料消費量の低減効果を検証するために本実証実験を行った。

一般的な水中の泡は直径100μm(マイクロメートル)程度だが、ナノバブルは特殊な装置で生成された直径50μm以下の微細な泡が、自己収縮して50から300nm(ナノメートル)サイズになったものを指す。

今回使用した技術の最大の特長は、ナノバブルの密度にある。従来の装置では最高1mLあたり1億個が限界だったが、この技術では1mLあたり10億個以上という超高密度を実現した。





この超高密度ナノバブルを燃料に溶け込ませることで、燃料の粘性を低減させ、燃焼効率が向上する。結果として燃料消費量の改善とCO2排出量の削減が期待できるという。

大切畑ダム堤体復旧工事現場において、1.4m³バックホウ、0.8m³バックホウ、45kVA発動発電機の3機種に超高密度ナノバブル発生装置を設置し、燃料消費量の比較試験を実施した。


その結果、全ての試験機械において、超高密度ナノバブル発生装置を使用した場合に燃料消費量の低減効果が確認された。

今後は脱炭素化に向けた建設機械の燃料消費量の低減によるCO2排出量の削減のため、超高密度ナノバブル技術を積極的に他工事に展開する予定だ。




印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木のICT活用など、
デジコンからの最新情報をメールでお届けします

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。