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デジコン編集部 2025.10.30

中日本航空とNTTドコモビジネス、セルラードローンで空港滑走路の夜間点検を実証。約3000個のライト状態を効率確認

中日本航空とNTTドコモビジネスは大阪国際空港(伊丹空港)において、日本で初めてセルラードローン「Skydio X10」を利用した夜間の滑走路点検の実証実験を実施した。

滑走路付近のライト状態確認が可能となり、国内空港における滑走路の効率的な維持管理にドローンと測量技術が貢献できる可能性を確認した。

従来夜間に人が実施していた点検作業をドローンに置き換え作業時間削減へ


大阪国際空港(伊丹空港)では365日、空港滑走路内に設置された約3000個のライトの点灯状態を点検し、また滑走路上等の異物や路面異常が無いかの状況確認を行っている。

この点検作業は高頻度かつ広範囲にわたるにもかかわらず、職員が目視で確認しながら滑走路内を移動する必要があり、効率化が課題となっている。

また点検作業は悪天候でも行われるため、夜間と悪天候に対応した点検手法の確立が求められており、候補の一つとしてドローンが見出された。


本実証実験は、空港内でのドローン飛行経験が豊富であり、航空機使用事業免許を保有している中日本航空が主導し、大阪国際空港(伊丹空港)を管理運営する関西エアポートの協力のもとで実施された。

ドローンによるライトチェックだけでなくFOD(滑走路異物)検知の可能性についても検証するため、レーザ点群取得とSkydio X10による撮影を実施。Skydio X10の飛行にあたっては、航空法に基づく飛行許可申請、飛行計画の作成、飛行の運用をNTTドコモビジネスが担った。


実証の結果、Skydio X10により滑走路沿いに設置されたライトの点灯状態を確認できること、レーザ計測機により滑走路上の異物の検知が可能なことが確認された。

従来夜間に人が実施していた点検作業をドローンに置き換えることで点検作業時間の削減が期待される。

本実証実験の結果を踏まえ、中日本航空とNTTドコモビジネスは大阪国際空港(伊丹空港)のドローン点検手法の確立に向け、適切な撮影条件を明確にするなどの支援を継続していく。

また、撮影データに画像解析AIを活用するなど、さらなる空港滑走路点検の効率化を目指す。



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