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デジコン編集部 2025.10.9

建機シミュレータ「メタトレ」を共同開発。2026年製品版全国販売へ。ワールドエリアネットワーク社

ワールドエリアネットワークスは、建設・土木業界の人材育成と安全管理をDXで支援する次世代トレーニングプラットフォーム「メタトレ」β版の開発を完了し、パートナー企業3社と製品版に向けて共同開発を開始する。

3DCGと物理シミュレーション技術で実機さながらの操作訓練を実現


「メタトレ」は、最先端の3DCGと物理シミュレーション技術を活用して建設現場をリアルに再現し、建機の操作訓練や安全教育を総合的に支援するシステムだ。

ユーザーはバーチャル空間の中で、実際の建機操作に限りなく近い体験をしながら練習できるため、効率よく技術を身につけると同時に、安全への意識を高めることができる。

主な機能として、360度デジタルツインで再現された建設現場で、建機の操作や作業手順を安全に学習できる。操作データを集計し、習熟度を分析することで、個人ごとの進捗はダッシュボードで確認できる。



法面走行など危険が伴う場面を繰り返し体験することで、事故を防ぐ意識を育てる。天候や障害物などを自由にカスタマイズでき、臨機応変な判断力を養う。専用設備は不要で、PCやヘッドマウントディスプレイがあればすぐに利用可能だ。

建設業界では、熟練オペレーターの高齢化が進むなか、年間約8万人規模の人材不足が続き、現場の担い手が急速に減少している。しかし若手の育成には3から5年もの時間と労力がかかり、即戦力の確保は簡単ではない。

その一方で、労働災害による死亡事故は毎年300件を超え、全産業の約3割を占めるなど、命に関わる深刻なリスクが依然として現場に存在している。

同社は、長年の3DCG/XR開発実績を生かし、安全な環境で実機さながらの操作訓練ができるバーチャルシミュレーターを開発した。



2024年11月のXR・メタバース総合展や2025年7月のDXソリューションフェアではβ版が高く評価され、「操作の質感がリアル」「新人研修に活用できる」といった声を多数得た。

本プロジェクトには建設・土木業界の専門3社が参画し、それぞれの専門分野でメタトレの実証と販路拡大に協力している。ジツタ中国、田上重機開発、山口の3社が開発パートナーとなり、各現場での実証から得た知見を集約し、CSPI-EXPO 2026にて製品版を販売開始予定だ。

建設機械の操作は、本来であればベテランの指導を受けながら時間をかけて習得する必要があり、若手の育成には大きな負担と時間がかかってきた。

メタトレは、仮想空間の中で繰り返し練習を行うことができ、ベテランが常に付き添わずとも、短期間で技術を習得できる。




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デジコン編集部

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