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デジコン編集部 2025.6.23

千葉県で蓄光プレート活用の夜間安全対策プロジェクト。佐倉市と習志野市で同時期スタート

千葉県内の2つの地域で、蓄光素材を活用した夜間の安全対策プロジェクトが始動している。

佐倉市では高校生の通学路の安全確保を目的とし、習志野市では再開発エリアの仮設通路対策として、それぞれ異なる主体が主導してナイトコンシェルジュ2Dが導入された。

高校生の要望から生まれた佐倉市の取り組み


佐倉市のプロジェクトは、千葉県立佐倉南高校の定時制に通う生徒たちの「夜の通学路が暗くて不安だ」という声がきっかけとなった。

千葉大学発の一般社団法人Spiceがこの声を受け、クラウドファンディングと地域企業5社(フジクラ、黒澤製作所、岩渕薬品、常磐植物化学研究所、三協リール)の協賛により資金を調達した。

同法人は高校の教員や生徒とワークショップを重ね、足跡や車椅子マークなどのオリジナルデザインを蓄光プレートに展開している。

歩道に沿って目安となる歩幅をガイドする配置により、歩行による健康増進も企図したユニークなデザインとなっている。


一方、習志野市では鷺沼地区の再開発エリアにおいて、竹中土木が仮囲いに囲まれた仮設通路の夜間安全対策として導入を決定した。

習志野市の人気ご当地キャラクター「ナラシド♪」を蓄光で描き、連続するプレートや立体3Dキューブが夜道で発光する仕組みを採用している。

使用されている高輝度蓄光デザインプレートは、防災・避難標識などに使われてきた蓄光素材を創造的に活用したものである。


従来の蓄光素材のパフォーマンスを大幅に向上させた最新技術により、電気代、メンテナンス、電気工事が全て不要で半永久的に使用できる特徴を持つ。

国土交通省のモデル事業として社会実験が実施され、9割の利用者から継続設置を希望する声が上がり、2023年に実用化されている。

夜間における心理リスク、犯罪リスクは明るい時と比較すると50%増加し、特に薄暮時間帯や日没直後の小学生の交通事故率は日中の4倍となることが各機関の調査で判明している。

これらの課題に対し、ナイトコンシェルジュ2Dは日中もサインとして稼働できる暗闇対策のコミュニケーションツールとして機能する。

道路空間、公共施設、アウトドア・天文施設、イベント会場、工場内施設、またアミューズメントやメディア活用など、安全、自然、バラエティの主要3カテゴリーでの展開が進められている。

今後は全国の小中学校や行政・自治体、地域関係者、施設管理事業者との協力を進め、より多くの地域での導入を目指すとしている。




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