建設機械の超遠隔操縦に成功。ソリトンシステムズの映像伝送技術で市街地からダム現場までをLTE回線で制御

ソリトンシステムズは、戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）における大成建設株式会社の実証実験において、建設機械の超遠隔操縦に成功したことを発表した。

実験は福岡県朝倉市の寺内ダムと千葉県市原市の高滝ダムの2か所で実施され、市街地からダム現場に設置された油圧ショベルの遠隔操作に成功している。

従来の建設機械の遠隔操縦は特定小電力無線を使用し、数百メートル程度の範囲に限られていた。

独自技術「マルチリンク」で不安定な通信環境を克服

同社が開発した映像伝送システム「Zao SDK」は、複数のキャリアLTE回線を同時に使用する独自技術「マルチリンク」を搭載している。

これにより、電波状況が不安定な建設現場においても、高品質な映像伝送と制御信号の安定した送受信を実現した。


西尾レントオールの遠隔操縦式油圧ショベルに本システムを搭載し、ダム堆砂処理作業の遠隔操作実験を実施。

国土交通省が推進する「i-Construction 2.0」が目指す建設現場の生産性向上に向けて、特に通信環境の厳しい山間部での遠隔操作への活用が期待されている。