アクティオ、トンネル発破の安全性を飛躍的に向上。無線電子雷管対応の爆薬装填装置を開発

総合建設機械レンタル大手のアクティオは、大成建設と共同開発した爆薬装填装置「T-クイックショット」を無線電子雷管対応型に機能拡張したと発表した。   この革新的な装置により、山岳トンネル工事における発破掘削の安全性と生産性が大幅に向上する見込みだ。

切羽作業のリスクを大幅に低減

新型「T-クイックショット」の最大の特徴は、爆薬の供給から装薬孔への装填まで完全に機械化したことにある。   これにより、これまで作業員が切羽近傍で行っていた爆薬の結線作業が不要となり、危険な近接作業をゼロにすることが可能となった。


装置は切羽から1.5m離れた位置から操作でき、圧縮空気を用いて爆薬を装薬孔に圧送する。この方式により、空隙の少ない密な装填が実現し、爆薬のエネルギーを効率的に岩盤に伝達できるという。

無線電子雷管の採用で作業効率が向上

今回の機能拡張では、日油の協力を得て無線電子雷管「ウィンデットⅡシステム」を搭載した。これにより、親ダイ（雷管付き爆薬）と増ダイ（補助爆薬）を同時に遠隔操作で装填することが可能となった。

操作はリモコンとタブレットPCの連携により簡単に行え、1回の装薬作業にかかる時間は充電時間を含めて約1分で完了するという。

また、親ダイと増ダイを同時に装填する「親ダイモード」と増ダイのみを装填する「増ダイモード」を切り替えることで、様々な地質条件に対応できる。

アクティオの小沼直人社長は「この装置の開発により、山岳トンネル工事の安全性と生産性が飛躍的に向上する。国が推進するi-Construction2.0の目標達成に大きく貢献できると確信している」とコメントしている。

今後、アクティオと大成建設は装薬作業の完全自動化を目指し、さらなる技術開発を進めていく方針だ。