コラム・特集
デジコン編集部 2022.7.11

年に一度の大型イベント『CSPI-EXPO 2022』をレポート!3日間で3万6千人以上が来場!【7/11更新】

2022年5月25日(水)〜27日(金)の3日間に渡り幕張メッセで開催された「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2022)」。建設機械や測量機器BIM/CIMをはじめとするソフトウェアサービス企業など、次世代の土木・建設業界を担う数々の企業が一堂に会し、大盛況のうちに幕を閉じた。

昨年度よりも規模を大きくした同イベントでは、3日間で計36,000人以上の業界関係者が訪れた。


本記事では、出展ブースのなかから、大きな注目を集めた企業や気になる最新プロダクトを発表した企業・団体などを、複数回に分けて紹介していく。

有人ヘリコプターによる測量サービスを今秋から提供予定 【ARS-tech】


ドローン系企業のAce-1、ラポーザ、スカイジョイントの新会社「ARS-tech」。同社は今秋(2022)より有人ヘリコプターによるレーザー・空中写真測量サービスをスタートする。Ace-1、ラポーザ、スカイジョイントの3社は2016年にドローン(UAV)測量を開始して以来、全国で1000案件以上の実績を積んできた。


しかし、ドローンでは飛行時間が有限であったり、法規制により飛行が制限されていたりと様々な課題に直面していた。そこでARS-techではそれらの課題を解決するために有人ヘリコプターを活用していく。




また従来だと有人の航空機やヘリコプターでの飛行測量は費用面や小規模現場での非効率さがネックになっていたが、同社のサービスはこれらの課題もクリアしていくという。



GNSS自動変位観測システム「DANA」【古野電気】


古野電気の「DANA」は、地盤の変位や人工構造物の変位をミリメートル単位で3次元計測。長期にわたりその状態を遠隔で自動監視できる定点連続計測システムだ。




2019年4月からはマルチGNSS(GPS、QZSS、GLONASSオプション)での測位にも対応し、測位の安定性がさらに向上しているという。


もうひとつ同社が出展したのが通信インフラ「ウェーブガイドLAN」。ケータイが繋がらない高層階や地下でも、単管パイプを利用した本システムを利用すれば、Wi-Fi環境を簡単に構築できる。

例えば、高層階での作業中にスマホで外部とテレビ会議を行いたい場合や地下に設置したクラウド型カメラでリモート監視を行いたい場合などに使うことができる。


ネットワーク型GNSSデータ配信サービス 【ジェノバ】


GNSS衛生を活用して測位することが当たり前となっている昨今。しかし、衛生から(単独測位)の情報のみではメートル級の誤差が生じてしまう。ジェノバが提供する配信データサービスを利用することで、その誤差を補正。


センチメートル級の高精度な位置情報が取得可能になるという。位置の補正方法は、リアルタイム補正を行う「ネットワーク型RTK方式」と「後処理方式」があるが、ジェノバのネットワーク型RTK方式においては、基準局に物理的な施設・設備を使用しない「仮想基準点方式」を活用しているという。


仮想基準点にすることで、設置コストや管理コストが不要になるだけでなく、風雨など天候の影響に左右されることもなくなる。測量や土地家屋調査ICT施工はもちろん、モビリティやロボット、スマート農業の分野でも利用が可能だ。


【以下、6月27日更新】

現場写真管理サービス「カエレル」で生産性向上【小田島組】


「カエレル」は、施工現場で撮影される大量の現場写真の管理を、遠隔で代行するサービスだ。撮影画像をパソコンに保存し、クラウドにアップロードすれば、残りの整理・管理作業は「カエレル」が代行して行う。




工期中は、カエレルの専属のスタッフが遠隔で現場監督を密にサポートする。人材を派遣するイメージだ。

手が足らず、残業が常態化している事業所や、人を増やすことが難しい事業所であっても、残業時間を削減するため大いに貢献するサービスなのではないだろうか。


「カエレル」を提供する岩手の小田島組は、i-Constructionの推進はもちろん、若手社員を積極的に雇用し育成している企業として、岩手はもちろん全国に名を轟かせている。デジコンでも昨年(2021)、新人社員おふたりに小田島組で働く魅力を語ってもらった。こちらのインタビュー記事もあわせてご覧いただきたい。


【以下、7月11日更新】

土留め材を安心して引き抜ける日本で唯一の工法 【協同組合Masters GEOTETS工法研究会】


「土留部材引抜同時充填工法」は、土留め杭や既成杭を安心して引抜くことを可能にしたオンリーワンの工法だ。




鋼矢板6枚に対して1本の割合で、引抜開始までに予め専用充填管を埋設しておく。引抜くと同時に毎分30~60Lの充填材を低圧で連続的に送ることにより、負圧となった空隙に向かって充填材は吸い込まれる。




埋設方法は鋼矢板に溶接固定して打ち込む方法とボーリングマシンで設置する方法を選択できる。


近接施工における確実な沈下抑制、堤防施工における水みち対策での採用実績が多い。この他、充填材は難透水性の遮水壁として地中に残るため土壌汚染対策にも用いられている。



注目の企業、ソリューションについて、本ページにて今後も随時更新していく。



取材・編集・文:デジコン編集部 / 写真:佐藤ゆたか
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