一般社団法人日本建設業連合会(日建連)は2026年3月、「建設工事を発注する民間事業者・施主の皆様に対するお願い」をはじめとする4種類の最新データ(2026.3月版)を公表した。
世界的な原材料・エネルギー価格の高騰と円安を背景に建設工事コストは2021年比で平均28〜32%上昇しており、改正建設業法の全面施行(2025年12月)とあわせて適正な価格転嫁・工期確保に向けた発注者側の理解と協力を強く求める内容となっている。
2024年6月14日に公布された改正建設業法等が2025年12月12日に全面施行された。
この改正では、受注者が資材高騰等の「おそれ情報」を発注者に通知した場合、実際に価格変動が生じた際には発注者が「変更方法」に基づく請負代金変更の協議申出に誠実に応じる努力義務が明記された。
「誠実に協議に応じていないと思われる例」として、
といった行為が具体的に例示されており、事前通知がなかったことのみを理由に協議を拒むことはできないとされている。
工期変更協議においても同様に、見積交付等のタイミングで「おそれ情報」を通知し、実際に工期変更が必要となった場合には発注者への協議申出と誠実な協議対応が求められる。
改正法では、発注者と受注者の設計条件認識のミスマッチへの対応も強化された。
受注予定者が設計・施工条件の疑義や相違を発注者に通知した場合、発注者は契約締結前に十分に確認することが求められる。
また発注後に設計図書と工事施工環境の乖離により工期に影響が生じた場合は、契約の定めに従って適切に設計・請負代金・工期に関する変更協議を行うことが必要となった。
日建連が公表した最新の建設資材データ(2026年3月版)によると、建設資材物価は2021年1月と比較して建設全体平均で39%上昇している。

内訳は土木部門の資材価格が平均43%上昇(前月比+1pt)、建築部門が平均38%上昇(前月比+1pt)となっており、いずれも高止まりが続いている。
材料費割合を50〜60%・労務費率30%と仮定すると、この61か月間で仮設費・経費などを含めた全建設コスト(平均)は28〜32%上昇しており、100億円の建設工事では請負代金が80〜90億円のところ現在は108〜122億円相当となっている。
ほぼすべての工事で2021年1月当時の契約金額相当額を「労務費+原材料費」のみが上回る状況だ。
資材ごとの詳細を見ると、上昇幅の大きさが際立つ品目が多数ある。
600Vビニル絶縁電線は2021年1月比で141%上昇と最も大きく、アルミ地金が125%(+16pt)、鋼板中厚板が66%、生コンクリートが69%、コンクリート型枠用合板が45%に達している。

鉄鋼系では異形棒鋼が56%、H形鋼が43%、鋼矢板が42%、配管用炭素鋼鋼管が73%上昇。板ガラスが83%、ストレートアスファルトが50%(+6pt)、硬質ポリ塩化ビニル管が45%と、構造材から設備材まで幅広い品目で高騰が続いている。
なお資材価格高騰とは別に、設備関連や一部建設資材では納期遅延が発生し工期にも影響が出ており、代替品調達や追加工事のコスト増も招いている。
建設技能者の賃金相当として積算される公共工事設計労務単価(全国の労働市場の実勢価格をもとに毎年政府が決定)は、2021年1月と比較して全国全職種単純平均で27.8%引き上げられている。

国土交通大臣と日建連を含む建設関係4団体は、2021年から毎年行ってきた賃金上昇の申し合わせにおいて、2026年は「おおむね6%の上昇」を目指すこととし、国土交通省からその実現に向けた御指導をいただいている。

職種別では特に設備系の上昇が大きく、ダクト工が35.0%(+2pt)、電工が34.5%(+7pt)、交通誘導警備員Aが32.3%(+2pt)、配管工が31.4%(+7.0pt)に達している。
仕上げ系では塗装工29.0%(+7pt)、防水工27.8%(+7pt)、内装工24.2%(+5pt)、躯体系では型わく工26.9%(+5pt)、溶接工26.2%(+4pt)、鉄筋工22.5%(+4pt)と、ほぼすべての職種で2割超の上昇となっている。
建設業では他産業と比べ賃金が低く労働時間も長いという構造的な課題を背景に、就労者数は減少を続けている。

日建連は「労務費見積り尊重宣言」による技能労働者の処遇改善、「週休二日実現行動計画」や「適正工期確保宣言」に基づく適正な工期設定、「生産性向上推進要綱」に基づく生産性向上への各種施策を推進しており、発注者に対しても受注者への適正な価格転嫁と工期確保へのご理解と協力を呼びかけている。
世界的な原材料・エネルギー価格の高騰と円安を背景に建設工事コストは2021年比で平均28〜32%上昇しており、改正建設業法の全面施行(2025年12月)とあわせて適正な価格転嫁・工期確保に向けた発注者側の理解と協力を強く求める内容となっている。
建設業法が2025年12月に全面施行。「協議に応じない」発注者行為は法令違反になる
2024年6月14日に公布された改正建設業法等が2025年12月12日に全面施行された。
この改正では、受注者が資材高騰等の「おそれ情報」を発注者に通知した場合、実際に価格変動が生じた際には発注者が「変更方法」に基づく請負代金変更の協議申出に誠実に応じる努力義務が明記された。
「誠実に協議に応じていないと思われる例」として、
- 協議の開始自体を正当な理由なく拒絶する、
- 協議の申出後に合理的な期間以上協議開始を遅延させる、
- 受注者の主張を一方的に否定または十分に聞かずに打ち切る
といった行為が具体的に例示されており、事前通知がなかったことのみを理由に協議を拒むことはできないとされている。
工期変更協議においても同様に、見積交付等のタイミングで「おそれ情報」を通知し、実際に工期変更が必要となった場合には発注者への協議申出と誠実な協議対応が求められる。
設計図書と工事施工環境の乖離にも新たなルール。受注者からの通知義務と発注者の確認義務が明確化
改正法では、発注者と受注者の設計条件認識のミスマッチへの対応も強化された。
受注予定者が設計・施工条件の疑義や相違を発注者に通知した場合、発注者は契約締結前に十分に確認することが求められる。
また発注後に設計図書と工事施工環境の乖離により工期に影響が生じた場合は、契約の定めに従って適切に設計・請負代金・工期に関する変更協議を行うことが必要となった。
建設資材物価は2021年1月比で平均39%上昇。全建設コストは最大32%増に
日建連が公表した最新の建設資材データ(2026年3月版)によると、建設資材物価は2021年1月と比較して建設全体平均で39%上昇している。

内訳は土木部門の資材価格が平均43%上昇(前月比+1pt)、建築部門が平均38%上昇(前月比+1pt)となっており、いずれも高止まりが続いている。
材料費割合を50〜60%・労務費率30%と仮定すると、この61か月間で仮設費・経費などを含めた全建設コスト(平均)は28〜32%上昇しており、100億円の建設工事では請負代金が80〜90億円のところ現在は108〜122億円相当となっている。
ほぼすべての工事で2021年1月当時の契約金額相当額を「労務費+原材料費」のみが上回る状況だ。
主要資材の価格上昇率。絶縁電線は141%・アルミ地金は125%・鋼板中厚板は66%高騰
資材ごとの詳細を見ると、上昇幅の大きさが際立つ品目が多数ある。
600Vビニル絶縁電線は2021年1月比で141%上昇と最も大きく、アルミ地金が125%(+16pt)、鋼板中厚板が66%、生コンクリートが69%、コンクリート型枠用合板が45%に達している。

鉄鋼系では異形棒鋼が56%、H形鋼が43%、鋼矢板が42%、配管用炭素鋼鋼管が73%上昇。板ガラスが83%、ストレートアスファルトが50%(+6pt)、硬質ポリ塩化ビニル管が45%と、構造材から設備材まで幅広い品目で高騰が続いている。
なお資材価格高騰とは別に、設備関連や一部建設資材では納期遅延が発生し工期にも影響が出ており、代替品調達や追加工事のコスト増も招いている。
公共工事設計労務単価は2021年比で27.8%引き上げ。2026年はさらに「おおむね6%上昇」を目指す
建設技能者の賃金相当として積算される公共工事設計労務単価(全国の労働市場の実勢価格をもとに毎年政府が決定)は、2021年1月と比較して全国全職種単純平均で27.8%引き上げられている。

国土交通大臣と日建連を含む建設関係4団体は、2021年から毎年行ってきた賃金上昇の申し合わせにおいて、2026年は「おおむね6%の上昇」を目指すこととし、国土交通省からその実現に向けた御指導をいただいている。

職種別では特に設備系の上昇が大きく、ダクト工が35.0%(+2pt)、電工が34.5%(+7pt)、交通誘導警備員Aが32.3%(+2pt)、配管工が31.4%(+7.0pt)に達している。
仕上げ系では塗装工29.0%(+7pt)、防水工27.8%(+7pt)、内装工24.2%(+5pt)、躯体系では型わく工26.9%(+5pt)、溶接工26.2%(+4pt)、鉄筋工22.5%(+4pt)と、ほぼすべての職種で2割超の上昇となっている。
処遇改善・価格転嫁・働き方改革の三位一体で「持続可能な建設業」へ
建設業では他産業と比べ賃金が低く労働時間も長いという構造的な課題を背景に、就労者数は減少を続けている。

日建連は「労務費見積り尊重宣言」による技能労働者の処遇改善、「週休二日実現行動計画」や「適正工期確保宣言」に基づく適正な工期設定、「生産性向上推進要綱」に基づく生産性向上への各種施策を推進しており、発注者に対しても受注者への適正な価格転嫁と工期確保へのご理解と協力を呼びかけている。
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建設土木のICT活用など、
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