コラム・特集
デジコン編集部 2025.1.17

土工機械の種類を紹介!〜 建設現場の作業効率を支える土工機械の特徴を解説 〜

CONTENTS
  1. 土工事を支える作業機械の全貌
  2. ショベル系掘削機械
    1. バックホウ
    2. クラムシェル
    3. トラクターショベル(ホイールローダー)
  3. 掘削・運搬・敷均し機械
    1. ブルドーザ
    2. モーターグレーダ
    3. モータースクレイパ
  4. 締固め機械
    1. タイヤローラ
    2. 振動ローラ
  5. まとめ
建設現場において、土工機械は工事の効率化と品質確保に欠かせない存在である。

近年の技術革新により、これらの機械はより高性能かつ環境に配慮したものへと進化を遂げている。本記事では、土工機械の基本的な種類と特徴について解説していく。

土工事を支える作業機械の全貌


土工事には、地盤の掘削から運搬、整地、締固めまで、様々な工程が存在する。

まず、工事着手時には樹木や根を取り除く伐開徐根作業が行われ、その後、掘削、積込み、運搬、敷均し、整地、溝掘りと続く一連の作業工程が実施される。

これらの作業を効率的に進めるため、それぞれの工程に適した専用機械が使用されている。

ショベル系掘削機械


バックホウ


バックホウは最も一般的な掘削機械である。アームの先端に取り付けられたバケットを用いて、オペレーターの後方を掘削する。

クローラ式(履帯式)とホイール式(タイヤ式)があり、クローラ式は不整地での作業に適し、ホイール式は移動時の機動性に優れている。

(画像:canva)


【用語解説】
クローラ式:鉄製の履帯(クローラ)を使用した走行方式。不整地での安定性に優れる


クラムシェル


クラムシェルは、二枚貝のような形状のバケットを持ち、主に深い垂直掘削に使用される。港湾工事や深い基礎工事での掘削作業に活躍する。

トラクターショベル(ホイールローダー)


トラクターショベル(ホイールローダー)は、前方のバケットで土砂を掬い上げ、ダンプトラックへの積込みを行う機械である。特に大量の土砂を扱う現場で重宝される。

(画像:canva)


掘削・運搬・敷均し機械


ブルドーザ


ブルドーザは、前面に装着された大きなブレード(排土板)で土砂の押土や整地を行う。

多くの機種には後部にスカリファイヤー(リッパー)が装備されており、硬い地盤の掘り起こしにも対応できる。

(画像:canva)

【用語解説】
スカリファイヤー(リッパー):硬い地盤を掘り起こすための爪状の装置

モーターグレーダ


モーターグレーダは、車体中央部に取り付けられたブレードで土砂の敷均しや整形を行う。道路工事での路盤整形に欠かせない機械である。

(画像:Canva)

モータースクレイパ


モータースクレイパは、掘削から運搬、敷均しまでを1台でこなせる多機能な機械である。広大な敷地での土工事に適している。

締固め機械


タイヤローラ


タイヤローラは、重量のあるタイヤの自重と転圧により土を締め固める。タイヤの後部にはバラスト(重り)を搭載可能で、現場条件に応じて転圧力を調整できる。

【用語解説】
バラスト:機械の重量を増すために搭載する重り。主に鉄やコンクリートが使用される

振動ローラ


振動ローラは、円筒形のドラムに振動装置を内蔵し、振動と自重により効率的な締固めを実現する。道路工事や造成工事での転圧作業に広く使用される。

(画像:canva)


まとめ


土工機械は、それぞれが特定の作業に特化した性能を持ち、建設現場の効率化に大きく貢献している。

近年は、ICT技術の導入により自動制御や施工管理の高度化が進んでおり、さらなる進化が期待される。

また、環境負荷の低減や安全性の向上も重要な課題となっており、電動化や自動運転技術の開発も活発に行われている。




参考:1. 日本建設機械施工協会:建設機械施工ハンドブック(2021)/2. 土木学会:土木工事標準示方書(2020)/3. 国土交通省:建設機械等損料算定表(2023)
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デジコン編集部

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