行政・政策
デジコン編集部 2021.11.30

国土交通省、建設事業者の生産性向上の取組を、入札時に総合評価する試みを開始

国土交通省では、建設現場の生産性を向上させるi-Construction の推進に加え、新型コロナウイルス感染症対策を契機とした非接触・リモート型の働き方への転換をはじめとした、インフラまわりのデジタル化・スマート化を図るためのインフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進に取り組んでいる

今般、企業の生産性向上に関する取組が工事により一層活かされるよう、入札時の総合評価において、企業が提出する技術提案施工計画に、ICT 活用等による生産性向上に関する取組を記載してもらう取組みを試行することを発表した。

  • 技術提案評価型S型では、ICT活用等による生産性向上の取組に関する技術提案を求める試行
  • 施工能力評価型Ⅰ型では、ICT活用等による生産性向上の取組について施工計画に記載を求める試行


技術提案評価型S型 


■目的
生産性向上の推進のため、工事の品質確保等に関する複数の評価項目のうち、ICT活用等による生産性向上に関する技術提案を設定し提案を求めて評価していく。(※既に一部の地方整備局では、本主旨に沿った試行を実施)

■対象工事
技術提案評価型S型で発注する工事のうち、下記のいずれかに該当するもの
  • 入札参加者が多く見込まれる工事
  • 同一工種の施工量が大きく生産性向上の効果が大きいと想定される工事

■実施方法
テーマ(課題)に対して複数求める提案のうち1つを、生産性向上に資する提案として設定

<従来>
  • 総合的なコストの縮減に関する技術提案
  • 工事目的物の性能、機能の向上に関する技術提案
  • 環境対策等、特に配慮が必要な事項への対応に関する技術提案
<試行>
複数求める提案のうち1つを、
  • 施工の効率化、省力化に関する技術提案
  • 労働環境の改善に関する技術提案
  • 情報通信技術(ICT)の活用等による生産性向上に関する技術提案 等
に係る提案として求める。

■評価方法(例)
提案について、生産性向上の効果について、段階的評価(本省ガイドラインと同様)を実施

  • 高い効果が期待できる 満点
  • 効果が期待できる 50%
  • 一般的事項のみの記載となっている 0点 


施工能力評価型Ⅰ型



■目的
ICT活用等による生産性向上とその普及につなげるため、不確定要素が少なく生産性向上を図りやすい工事を中心に、ICT活用等による生産性向上について施工計画に記載を求めて評価していく。

■対象工事
施工能力評価型Ⅰ型で発注する発注者指定型のICT活用工事

■実施方法
Ⅰ型で提出を求める施工計画について、「施工の効率化や新技術の活用による生産性向上について」を特に配慮すべき事項として入札説明書に示し、記載を求める

<従来>
発注者が示す仕様に基づき施工する上でどういう点に配慮して工事を施工するか(施工上配慮すべき事項)について、特に重要と考えられる工種に係る施工方法について記述を求める。又は、これに代えて、環境対策等、特に配慮すべき事項について記述を求める。



<試行>
施工の効率化や新技術の活用による生産性向上 等の記述を求める

■ 評価方法(例)
記載内容の妥当性の有無を確認(1、2いずれかに該当する場合には妥当性「有」として評価)
  1. ICT活用工事における実施内容について妥当な内容が記載されているか。
  2. ICT活用工事における実施内容以外で施工の効率化や新技術の活用による生産性向上の取組として妥当な内容が記載されているか。

※以上の方法を基本とするが、施工計画を点数化して評価している事例もあることから、
記述された内容に応じて点数化して評価することも可能。





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デジコン編集部

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