TOMPLA社。屋内点検ドローン共同開発プラットフォーム「Small Doctor Build」提供開始。能美防災と煙感知器試験用ドローンを開発

TOMPLAは、顧客と共に新たなユースケースを創出する共同開発プラットフォームドローン「Small Doctor Build」の提供を開始したと発表した。

現場課題に合わせた個別開発に対応し、顧客との共創を実現する。

VIO技術で非GNSS環境でも安定した機体制御を実現

同社は神奈川県川崎市幸区に本社を置き、2024年5月に「Small Doctor 02」を提供開始し、工場や建設現場、倉庫、住宅などでの屋内設備点検における活用が広がってきた。

導入企業からは「現場ごとの環境や用途に合わせた個別開発を行いたい」との声を多くいただき、このニーズに応える形で本プラットフォームドローンを立ち上げた。


本プラットフォームドローンを活用して、能美防災と共同で煙感知器試験用ドローンを開発するなど、現場課題に合わせた個別開発に対応し、顧客との共創を実現している。

Small Doctor Buildの特徴として、まず屋内環境でも安定した機体制御が可能である。
衛星測位が困難な環境下でも、VIOであるVisual Inertial Odometry技術により高精度な自己位置推定が可能なため、機体安定性に優れる。

多様なデバイス搭載を可能とするペイロードも保有している。

深度カメラ、MEMSマイク、臭気センサー、Raspberry Pi Zeroボードなど企業が独自開発するデバイスなどを自由に搭載することで屋内環境でドローンを飛行させ、多種多様なデータの取得を目指す。

50センチメートル以下の小型サイズで30分以上の飛行時間を実現。

プラットフォームドローンの飛行用部材の軽量化により長時間の飛行を実現している。
複数のシリアル通信インターフェースを保有しており、SPI、UART、I2Cなど複数の通信方式でドローン本体と外部センサーの連動を可能としている。

ハードウェア・アプリケーション連動型のシステム開発が可能で、操縦アプリケーションに搭載ペイロードのオンオフ機能を搭載させるため、操縦者のインターフェースに合わせて、エッジ側で処理を行う搭載センサーと機体搭載のCPUボード側のカスタムを同社のテクニカルチームが開発対応する。

ワンストップ支援として、機能要件の整理からハードウェア・ソフトウェアの開発検証、実地での運用検証、機体製造、現場スタッフへの実装支援、機能拡張まで、単なる受託開発に留まらず、一貫したサポートの提供ができる。

採用事例として、能美防災は煙感知器用加煙試験器搭載ドローンを開発・提供開始している。

高所やアクセスが困難な場所に設置された煙感知器の加煙試験を、従来よりも安全かつ効率的に行うことを目的に運用されている。

今後は建設業界での工事現場や施設内でのVisual SLAMによる自動巡視、製造業での工場設備の保全・異常検知への応用、研究開発での独自開発される各種センサーをドローンに搭載してデータ計測などが想定される。