熊谷組は、山岳トンネル工事の発破掘削において、切羽の撮影・3次元モデル化から地山評価、最適な発破パターンの判定までを全自動・リアルタイムで行う「リアルタイム発破パターン自動判定システム(RAPID-BLAST)」を開発したと発表した。
同社がすでに発表した「重機搭載カメラによる自動3次元モデル作成システム TufmoS-HMC」「マルチモーダル・ゼロショット切羽AI判定(MZ切羽AI判定)」「トンネル発破AI支援システム」という3つの要素技術を統合したものである。
発破パターンとは、切羽のどこに、何本の穴をあけ、それぞれにどれだけ火薬を入れるかという設計だ。
とりわけ、仕上がり面をつくる外周孔の配置と火薬量が、掘り上がりの形を大きく左右する。
岩の性質は数メートル進むだけで変わることがあるため、発破パターンは本来、切羽ごとに見直すべきものである。
火薬が多すぎれば、設計した断面より外側まで岩が掘れる「余掘り」が生じる。
余掘りは、余分に掘れた岩の運搬・処分や、空いた分を埋め戻す吹付けコンクリートを増やし、費用・工期・CO2排出量・重金属含有土などの処理量のすべてに響く。
それでも切羽ごとの最適化が難しかった最大の理由は、時間だ。
切羽を観察し、地山を評価し、発破パターンを検討し直す作業を、掘削サイクルの限られた合間に人手で行うのは大きな負担だった。
しかも、切羽の撮影・計測には掘削作業を止める必要があり、止めればサイクルが延びる。
加えて、切羽観察も発破パターンの選定も熟練技術者の経験と勘に依存する部分が大きく、判断の個人差や、高齢化・人材不足に伴う技術伝承の困難さという課題も抱えていた。
本システムの要は、判定を作業のすきまに押し込むのではなく、もともと動いている作業の中に溶け込ませた点にある。
まず切羽の撮影・3次元モデル化では、ズリ出しに使うバックホウやホイールローダーなどの建設重機そのものに360度カメラを搭載。

重機はもともとズリ出しのために切羽と後方を往復するため、その動きをそのまま撮影に使うことで、撮影のための時間はかからない(撮影時間は実質ゼロ)。
得られた3次元モデルからは、前回の発破でどれだけ余掘りが出たかを定量的に評価する。
次に、ズリ出し中に取得した切羽写真を生成AI(大規模言語モデル)が解析し、地山評価点・地山等級を即時に判定する。
このAI判定には技術者の知見が介在する「ヒューマン・イン・ザ・ループ」型のワークフローを採用し、AIと人が協働して判断品質と安全を担保する。

そのうえでAIは、地山評価の結果と目標とする余掘り量から、火薬量・穿孔本数・外周孔の配置といった次の発破パターンを算出・提示する。
発破後に再び切羽を撮影して施工結果をシステムに戻すことで、AIはその現場の岩のクセを学び、精度を高めていく。
最大の特長は、掘削サイクルを止めない点だ。
撮影から発破パターン予測までを自動化し、ズリ出しおよび支保作業中に次切羽の発破設計が完了する。

次の削孔を始める時点で「どこに、何本、どれだけ」がすでに決まっているため、判定のために新たな時間を確保する必要がない。
また、全工程を通じて技術者が切羽近傍に立ち入って計測・観察する必要がなく、落石・肌落ちなどのリスクにさらされる時間も大幅に削減する。
効果として、切羽ごとの最適な発破により余掘り量の低減と施工品質の向上が期待され、運搬に伴うCO2や埋め戻すコンクリート、重金属含有土の処理量の削減にもつながる。
同社がすでに発表した「重機搭載カメラによる自動3次元モデル作成システム TufmoS-HMC」「マルチモーダル・ゼロショット切羽AI判定(MZ切羽AI判定)」「トンネル発破AI支援システム」という3つの要素技術を統合したものである。
発破パターンは切羽ごとに見直すべきもの。時間と熟練の壁が最適化を阻む
発破パターンとは、切羽のどこに、何本の穴をあけ、それぞれにどれだけ火薬を入れるかという設計だ。
とりわけ、仕上がり面をつくる外周孔の配置と火薬量が、掘り上がりの形を大きく左右する。
岩の性質は数メートル進むだけで変わることがあるため、発破パターンは本来、切羽ごとに見直すべきものである。
火薬が多すぎれば、設計した断面より外側まで岩が掘れる「余掘り」が生じる。
余掘りは、余分に掘れた岩の運搬・処分や、空いた分を埋め戻す吹付けコンクリートを増やし、費用・工期・CO2排出量・重金属含有土などの処理量のすべてに響く。
それでも切羽ごとの最適化が難しかった最大の理由は、時間だ。
切羽を観察し、地山を評価し、発破パターンを検討し直す作業を、掘削サイクルの限られた合間に人手で行うのは大きな負担だった。
しかも、切羽の撮影・計測には掘削作業を止める必要があり、止めればサイクルが延びる。
加えて、切羽観察も発破パターンの選定も熟練技術者の経験と勘に依存する部分が大きく、判断の個人差や、高齢化・人材不足に伴う技術伝承の困難さという課題も抱えていた。
ズリ出し用重機に360度カメラ、撮影時間は実質ゼロ。作業の中に判定を溶け込ませる
本システムの要は、判定を作業のすきまに押し込むのではなく、もともと動いている作業の中に溶け込ませた点にある。
まず切羽の撮影・3次元モデル化では、ズリ出しに使うバックホウやホイールローダーなどの建設重機そのものに360度カメラを搭載。

重機はもともとズリ出しのために切羽と後方を往復するため、その動きをそのまま撮影に使うことで、撮影のための時間はかからない(撮影時間は実質ゼロ)。
得られた3次元モデルからは、前回の発破でどれだけ余掘りが出たかを定量的に評価する。
次に、ズリ出し中に取得した切羽写真を生成AI(大規模言語モデル)が解析し、地山評価点・地山等級を即時に判定する。
このAI判定には技術者の知見が介在する「ヒューマン・イン・ザ・ループ」型のワークフローを採用し、AIと人が協働して判断品質と安全を担保する。

そのうえでAIは、地山評価の結果と目標とする余掘り量から、火薬量・穿孔本数・外周孔の配置といった次の発破パターンを算出・提示する。
発破後に再び切羽を撮影して施工結果をシステムに戻すことで、AIはその現場の岩のクセを学び、精度を高めていく。
ズリ出し・支保作業中に次の設計が完了。余掘り低減と技術伝承に貢献
最大の特長は、掘削サイクルを止めない点だ。
撮影から発破パターン予測までを自動化し、ズリ出しおよび支保作業中に次切羽の発破設計が完了する。

次の削孔を始める時点で「どこに、何本、どれだけ」がすでに決まっているため、判定のために新たな時間を確保する必要がない。
また、全工程を通じて技術者が切羽近傍に立ち入って計測・観察する必要がなく、落石・肌落ちなどのリスクにさらされる時間も大幅に削減する。
効果として、切羽ごとの最適な発破により余掘り量の低減と施工品質の向上が期待され、運搬に伴うCO2や埋め戻すコンクリート、重金属含有土の処理量の削減にもつながる。
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