
飛島建設は、山岳トンネルの鋼製支保工建込み時の作業員の切羽への立入りをゼロ人にして肌落ち災害を根絶するため、クイックジョイントと頭付きアンカーを事前に設置する試験施工を実施し、成功したと発表した。
標準的な鋼製支保工建込み作業では、鋼製支保工を把持したエレクタ一体型吹付け機が切羽へ据え付けられた後、天端継手板の締結作業、つなぎ材設置作業、金網取付作業、建込み位置の調整・固定作業時に作業員が切羽へ立ち入る。

切羽へ立ち入る前に一次吹付けや鏡吹付けを行い、天端からの崩落や切羽からの肌落ちがないかを切羽監視責任者が監視しながらの作業となるが、脆弱な地山では吹付け直後のコンクリートが地山もろとも急に落下し、切羽監視責任者による退避指示が間に合わずに作業員へ衝突し、被災する懸念がある。
今回試験施工を実施したのは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構北海道新幹線建設局の「北海道新幹線、札樽トンネル(富丘)」工事。

今回適用した取組として、まずクイックジョイントがある。
標準的な鋼製支保工の天端継手部は、左右の継手板を切羽直下で作業員がボルト・ナットにより締結するが、クイックジョイントは、メス側とオス側の治具を事前に継手板へ固定し、エレクタ操作のみで締結可能な構造となっている。

今回の試験施工では、クイックジョイントを初めて使用するオペレータでも、エレクタ操作のみで天端継手板をスムーズに締結できることが確認できた。
次に頭付きアンカーがある。

標準的な鋼製支保工の建込み方法では、建込み後から吹付けコンクリートによって固定されるまでの間、鋼製支保工相互を連結して転倒を防止するために、建込み後の切羽直下で作業員がつなぎ材を設置する必要がある。

これを解消するため、つなぎ材の代わりに頭付きアンカーを建込み前の鋼製支保工へ事前に設置しておき、エレクタで鋼製支保工を把持したまま頭付きアンカーを吹付けコンクリートに埋め込み、固定を確認してからエレクタを取り外すことで、切羽直下でのつなぎ材設置作業を省略する。

今回の試験施工では、切羽後方に設置したトータルステーションと、鋼製支保工の左右脚部と天端の計3箇所に設置したマグネット式の特殊プリズムにより座標を確認しながら、頭付きアンカーが設置された状態の鋼製支保工を目標位置へ誘導を行った。
事前に設置した頭付きアンカーの固定位置は計10本設置し、目標位置へ建込み後、プリズムを取り外し、脚部の頭付きアンカーを埋め込むようにコンクリートを吹き付け、脚部の固定を確認後にエレクタを取り外したが、動くことなく固定できていたことを確認した。

鋼製支保工の建込みと二次吹付け終了後、切羽の安全を確認したうえで鋼製支保工の位置を計測して目標位置との誤差を確認した結果、従来の方法による建込み精度は一般的にプラスマイナス50ミリメートル程度と言われており、今回の施工では最大誤差が36ミリメートルであったため、従来の方法と同等以上の精度で建て込めたことを確認できた。
また、建込み作業中は切羽の天端から45度の範囲へ誰一人立ち入ることなく作業でき、安全性の向上効果が確認できた。
クイックジョイントと頭付きアンカーで天端継手板締結とつなぎ材設置を排除
標準的な鋼製支保工建込み作業では、鋼製支保工を把持したエレクタ一体型吹付け機が切羽へ据え付けられた後、天端継手板の締結作業、つなぎ材設置作業、金網取付作業、建込み位置の調整・固定作業時に作業員が切羽へ立ち入る。

切羽へ立ち入る前に一次吹付けや鏡吹付けを行い、天端からの崩落や切羽からの肌落ちがないかを切羽監視責任者が監視しながらの作業となるが、脆弱な地山では吹付け直後のコンクリートが地山もろとも急に落下し、切羽監視責任者による退避指示が間に合わずに作業員へ衝突し、被災する懸念がある。
今回試験施工を実施したのは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構北海道新幹線建設局の「北海道新幹線、札樽トンネル(富丘)」工事。

今回適用した取組として、まずクイックジョイントがある。
標準的な鋼製支保工の天端継手部は、左右の継手板を切羽直下で作業員がボルト・ナットにより締結するが、クイックジョイントは、メス側とオス側の治具を事前に継手板へ固定し、エレクタ操作のみで締結可能な構造となっている。

今回の試験施工では、クイックジョイントを初めて使用するオペレータでも、エレクタ操作のみで天端継手板をスムーズに締結できることが確認できた。
次に頭付きアンカーがある。

標準的な鋼製支保工の建込み方法では、建込み後から吹付けコンクリートによって固定されるまでの間、鋼製支保工相互を連結して転倒を防止するために、建込み後の切羽直下で作業員がつなぎ材を設置する必要がある。

これを解消するため、つなぎ材の代わりに頭付きアンカーを建込み前の鋼製支保工へ事前に設置しておき、エレクタで鋼製支保工を把持したまま頭付きアンカーを吹付けコンクリートに埋め込み、固定を確認してからエレクタを取り外すことで、切羽直下でのつなぎ材設置作業を省略する。

今回の試験施工では、切羽後方に設置したトータルステーションと、鋼製支保工の左右脚部と天端の計3箇所に設置したマグネット式の特殊プリズムにより座標を確認しながら、頭付きアンカーが設置された状態の鋼製支保工を目標位置へ誘導を行った。
事前に設置した頭付きアンカーの固定位置は計10本設置し、目標位置へ建込み後、プリズムを取り外し、脚部の頭付きアンカーを埋め込むようにコンクリートを吹き付け、脚部の固定を確認後にエレクタを取り外したが、動くことなく固定できていたことを確認した。

鋼製支保工の建込みと二次吹付け終了後、切羽の安全を確認したうえで鋼製支保工の位置を計測して目標位置との誤差を確認した結果、従来の方法による建込み精度は一般的にプラスマイナス50ミリメートル程度と言われており、今回の施工では最大誤差が36ミリメートルであったため、従来の方法と同等以上の精度で建て込めたことを確認できた。
また、建込み作業中は切羽の天端から45度の範囲へ誰一人立ち入ることなく作業でき、安全性の向上効果が確認できた。
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