大林組。CO2排出量予測システム「カーボンデザイナー」を機能拡張。計画初期段階から4項目入力でホールライフカーボンを即時予測

大林組は建物のCO2排出量予測システム「カーボンデザイナー」の機能を拡張し、建物の仕様が未確定な計画初期段階からホールライフカーボンの算出と削減取り組み効果のシミュレーションを可能にした。

政府が2025年4月に策定した基本構想への対応を早期段階から支援する。

建物用途など4項目で即時予測。解体段階まで予測範囲を拡大し削減シミュレーション機能を強化

システムは建物用途、延床面積、工事請負金額、工期の4項目を入力するだけで、大林組の施工実績や算定ノウハウ、公的データによりホールライフカーボンの即時予測を実現する。


着工から解体までの時系列での排出予測も可能で、必須4項目以外の詳細情報を追加入力すれば検討進捗に応じて予測精度を高められる仕組みだ。

削減取り組みメニューとしてクリーンクリートなどの低炭素型資材採用、軽油代替燃料の使用などを設定すると、ホールライフカーボン削減効果を自動計算しグラフ化する機能を搭載している。



アップフロントカーボン、オペレーショナルカーボン、エンボディドカーボンといった各カテゴリにおける削減効果も同様に算出できる。

資材製造から施工段階のCO2排出量予測方法を見直し、項目拡充により予測精度を向上させた。


予測範囲を解体段階まで拡大させ、ホールライフカーボン全体を網羅する仕様に進化している。

削減シミュレーション機能では、資材製造、施工、使用、運用におけるメニューを拡充し、シミュレーション可能な軽油代替燃料の種類増加やBEI目標値の入力対応を新たに追加した。

基準建物との比較を自動計算する機能を強化することで、さまざまな組み合わせによる削減取り組みの効果を即時予測できる。

削減量を直感的に把握できる見える化を実現し、計画初期段階からホールライフカーボン削減に取り組みやすい環境を提供する。

大林組は本システムを積極的に活用し、長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」で掲げる脱炭素社会の実現に貢献していく方針だ。