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デジコン編集部 2025.9.12

鹿島、高速道路高架橋の耐震補強にUHPFRC初適用。岡谷高架橋でRC橋脚基部の耐震性能が飛躍的向上

鹿島は中日本高速道路発注の「長野自動車道岡谷高架橋改良工事」におけるRC橋脚の耐震補強に、超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を適用した。

高速道路高架橋の耐震補強にUHPFRCを用いたのは今回が初めてである。

橋脚断面積や自重を大きく増やすことなく耐震性能を飛躍的に強化


大規模地震への備えとして、従来の耐震補強工法と併用し、地震で損傷しやすいRC橋脚基部のかぶりコンクリートの一部にUHPFRCを適用することで、橋脚の断面積や自重を大きく増やすことなく耐震性能を飛躍的に高めることができる。


本工法は、高速道路などの橋梁の耐震補強として、RC橋脚基部のかぶりコンクリートの一部をUHPFRCで構築するものである。

大規模地震が発生した場合でも、UHPFRCを適用した部位の損傷が抑制されるため、橋脚に大きな変形が生じても地震の揺れに対する抵抗性を保持できる。




UHPFRCによる補強部分を地震で損傷しやすいRC橋脚基部のかぶりに限定できるため、補強範囲を最小限に抑えつつ耐震性能を飛躍的に高めることが可能となっている。

本工事は、耐震補強を実施する全19基のRC橋脚に対し、橋脚の周囲を鉄筋コンクリートで巻き立てる従来の耐震補強工法と併用して実施されている。



2024年に1基目、2025年8月末までに計2基の耐震補強が完了している。

中央構造線に隣接する岡谷高架橋の架橋条件を考慮し、大規模地震に対する復旧性を更に向上させるために、試験的に併用することになった。

UHPFRCは水結合材比が15%程度で極めて緻密なセメント系材料を繊維で補強したもので、本工事で適用したUHPFRCの規格値は圧縮強度150N/mm2となっている。





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