竹中工務店がシンガポール企業と協業しAI建物検査システムを日本展開。外壁・屋内点検でドローン撮影から自動レポート作成まで対応

竹中工務店は、H3 Zoom Pte Ltdと共同で、AIを活用した建物検査における問題箇所の自動抽出及びレポート作成システム「Façade Inspector」（外壁点検用）及び「Interior Inspector」（屋内点検用）を日本で展開する。

シンガポールで4,000件以上の建物において問題個所の検知実績があるシステムに日本語対応機能を追加し、日本での利用を開始した。

海外5,000件以上の建物実績をベースに日本の基準に対応

このシステムは、あらゆる建物の検査対象箇所を画像または動画で撮影し、AI解析による問題箇所の自動抽出及びレポートの作成を行う技術である。

検査対象箇所の画像と動画は、手動による撮影だけでなく、ドローン等を用いての自動撮影にも対応している。

高層ビルの外壁点検時に足場やゴンドラを設置することなく、問題箇所の自動抽出及びレポートの作成が可能だ。

システムは屋外、屋内のどちらにも対応しており、既にシンガポールを中心に海外で5,000件以上の建物と35,000件以上の検知実績を持つ。

（左：撮影動画から点検箇所の自動MAP生成／右：点検部位を自動チェック）


検知が可能な問題箇所については、錆、汚れ、ひび割れなど幅広い項目に対応している。

従来はユーザーインターフェースと検査レポートが英語のみでの対応だったが、今回の開発により日本語での対応が可能になった。

また、日本の基準で必要とされる問題箇所の検知に関しても、自動抽出及びレポートの作成ができるように開発された。

今回のシンガポールのスタートアップとの協業は、東南アジアの同社オープンイノベーション拠点「COT-Lab®シンガポール」を活用して、DX技術を日本で社会実装させたものである。

日本展開窓口はジザイエが担当し、ドローンなどのカメラ映像を高速かつ高画質で圧縮・伝送・保存する独自技術を有している。

H3 Zoom社の高度なAI点検ソリューションと組み合わせることで、日本のインフラ点検現場に最適な形での導入が可能となる。