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デジコン編集部 2025.7.29

オプティムと九電ドローンサービス、枯れ木検知AIサービス開発。可視画像とNDVI画像で枯れ木自動検出、倒木被害未然防止

オプティムと九電ドローンサービスは、従来九電ドローンサービスが提供していた「枯れ木検知サービス」に、オプティムのAI解析技術を組み合わせた「枯れ木検知AIサービス」を新たに開発した。

枯れ木をAIで自動検出することで、枯れ木調査業務の更なる高度化・効率化を目指し、枯れ木による倒木被害の未然防止に貢献する。

JR西日本エリアで実証実験実施、断面図自動生成と標高図データ反映で高精度解析


近年豪雨や台風などの自然災害が頻発かつ激甚化している傾向にあり、これまで想像されていなかったような土砂流入や倒木事故による災害が相次いで発生している。

九電ドローンサービスは立ち枯れ樹木を早期に発見し、倒木事故の未然防止に貢献できる従来サービスを開発していたが、対象エリアが広範囲に及ぶ場合は枯れ木の検出に多くの時間と労力を要することが課題となっていた。

こうした課題に対応するため、オプティムのAI解析技術を組み合わせることで管理ソフト上で枯れ木の自動検出が可能な同サービスを新たに開発した。




主な機能として、可視画像とNDVI画像を活用した枯れ木AI検知により、ドローン空撮により取得した可視画像とNDVI画像に基づき、管理ソフト上で画像解析による枯れ木箇所の自動検知及び地図上での可視化を実現する。

2点間距離測定機能では、管理ソフト上において2点間を指定することで、オルソ画像の高さ情報と国土地理院の高さを比較し、傾斜角や枯れ木の高さを算出することが可能である。

国土地理院地図の標高図データ反映により、オルソ自動生成のタイミングで、AI解析結果と合わせて標高図データを反映する。

実フィールドを用いた検証として、西日本旅客鉄道は基幹事業である鉄道の安全を最重要課題として取り組んでおり、倒木対策では従来人力により枯れ木調査を実施し計画的に伐採作業を実施していた。





2022年度から実フィールドで従来サービスによる枯れ木調査業務の効率化の検証を開始し、2024年度から同サービスにて引続き検証について取り組んでいる。

2025年度の現地検証は6月12日から13日にかけてJR西日本エリアにおける鉄道沿線で実施された。

垂直離発着固定翼ドローン「Trinty Pro」やVTOLマルチスペクトラルカメラ「MicaSense Altum-PT」、回転翼ドローン「Phantom4 Multispectral」などを使用し、ドローンによる沿線樹木撮影と枯れ木検知AIサービスによる解析を行った。

具体的には可視画像とNDVI画像の自動生成、可視画像による枯れ木判定、NDVI画像による樹木活性度判定、枯れ木対象のリスク判定(断面図を用いた距離計算)を実施した。



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