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デジコン編集部 2025.6.24

NTTコミュニケーションズが東京港埠頭でドローンポート実証実験に成功。Starlink活用で1.6km先を災害時確認

NTTコミュニケーションズが東京港埠頭の敷地において、ドローンポート「Skydio Dock for X10」を活用した災害時における迅速な状況確認の実証実験に成功した。

Skydio X10のズーム機能を使うことで、海上を渡ることなく1.6km先の対岸エリアの状況確認が可能となり、災害対応における有用性が明らかになった。

49万5700平米の広大敷地で職員移動時間と二次災害リスクを解決


東京港埠頭は東京湾をまたがる広大な敷地を管理しているため、災害時には埠頭の対岸状況を迅速に確認する必要がある。

これまでは約49万5700平米に及ぶ敷地の対岸状況を職員が現場に向かい確認していたが、移動に時間を要してしまうことや、災害時に現地へ向かうことで起こりうる二次災害の危険性が課題となっていた。

大雨や地震などの発生時における通信手段の確保も課題となっていた状況である。



これらの課題解決のため、本実証では高性能なズーム機能を有するSkydio X10と自動離着陸および自動給電が可能なドローンポート「Skydio Dock for X10」を活用した。

地上の状況に左右されず災害時でも高速・低遅延な通信を可能とする「Starlink Business」を通信回線として採用している。

災害時に十分なネットワーク環境が準備できないことを想定した設定となっている。

実証実験は東京港埠頭にて5日間で合計63フライトを実施した。

操作画面上では、ドローンに搭載されたカメラの高精細な映像を通じて現地の状況をリアルタイムに確認でき、高性能なズーム機能を用いて海上を渡ることなく明瞭に約1.6km離れた対岸の様子を把握することができた。


(左:1.6km先の対岸を等倍で撮影した画像/右:1.6km先の対岸をズーム機能で撮影した画像)

羽田空港に近接し人口密集地に位置する東京港埠頭での実証により、災害対応における実用性が検証された形となっている。

今後は実運用に向けてさらなる検証を進めるとともに、災害時や緊急時における迅速な状況確認だけでなく、現場におけるその後の的確な意思決定を支える計画である。



他の港湾施設への展開を図り、全国の広域災害対応や港湾DXの推進に貢献していく方針となっている。

通信基盤のさらなる強化に向けては、「LTE上空利用プラン」のオプションとして2025年夏ごろに提供開始を予定しているパケット優先制御機能を活用する。

混雑環境下においても安定した映像品質を確保し、ドローンによる状況把握の高度化を図る取り組みが進められている。





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