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デジコン編集部 2025.6.20

加賀市と米Wisk Aero。パリ航空ショー2025で空飛ぶクルマ実装基本合意書締結発表。国内初パイロット不要機体実証飛行準備着手

石川県加賀市は、米国Wisk Aero(ウィスク エアロ)及びJALエンジニアリング(JALEC)と、日本における無操縦者航空機の社会実装と関連法制度確立に向けた実証飛行に関する基本合意書を締結したことを、2025年6月16日、パリ航空ショーにて発表した。

本締結により、JALECの航空運送事業と航空機整備に基づく技術的知見と、世界最大の航空宇宙機器開発メーカーであるボーイング社の子会社として自律飛行の空飛ぶクルマの機体開発において世界を牽引するWiskの技術、および国家戦略特区に認定され実証フィールドを提供する加賀市の取り組みとが連携することで、地方創生に向けた新産業創出を図る。

2023年5月JAL・JALEC・Wisk基本合意から発展。加賀市次世代エアモビリティコンソーシアム設立・エアモビリティ・ベースin加賀立ち上げ経て三者連携実現


Wisk社が開発する機体はパイロットが搭乗せず、自律的に飛行する空飛ぶクルマであり、パイロット不足の課題解決や、移動の自由度を大幅に拡大させるものとして、特にパイロット確保が困難な地方において実装が期待されている。

一方で、運航形態が従来の航空機とは大きく異なるため、社会実装のためには、関連する法整備および運航環境の確立が不可欠な状況となっている。

そこで今回、国家戦略特区の加賀市を舞台に実証飛行を行い、技術的なエビデンスを積み上げることで制度設計の加速につなげること、および空の産業エコシステムの構築に向けて三者間で連携して取り組むことに合意した。


直近の主な動向として、2023年5月にJAL、JALEC、Wiskの間で無操縦者航空機の日本での社会実装を目指す基本合意書を締結した経緯がある。

2024年10月には、加賀市とJALの間で包括連携協定を締結している。

2024年11月には、加賀市次世代エアモビリティコンソーシアムを設立した。

2025年5月には、パイロット・プロジェクト「エアモビリティ・ベースin加賀」の立ち上げを行っている。

そして2025年6月に、加賀市、JALEC、Wiskの三者間で基本合意書を締結するに至った。

加賀市の宮元陸市長は、加賀市はWiskの日本展開の第一弾として、事業拠点の設立を強力に支援するとともに、JALECと連携し、AAM(次世代空モビリティ, Advanced Air Mobility)の運用モデルの構築を支援すると表明している。


加賀市は北陸で唯一の国家戦略特区の認定を受けており、大胆な規制改革の提案を行うことが可能な立場にある。

東京や大阪のような大都市ではないものの、研究開発に挑戦できる環境の自由度が比較的高く、ルールメイキングをともなう新規事業開発への創造的挑戦を受け入れる方針となっている。

また同市の基幹産業の一つである部品メーカーを中心とするものづくり産業と融合した新しい産業構造への変革にも期待を示している。




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