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デジコン編集部 2025.5.28

大成建設と伊藤忠エネクスが国内建設現場で環境配慮型燃料「RD40」を初導入。軽油代替でCO2排出量40%削減を実現

大成建設と伊藤忠エネクスは、「本町四丁目プロジェクト」の建設現場で軽油に代わる環境配慮型燃料「RD40」の使用を開始した。

国内建設現場として初の試みで、建設機械や車両のCO2排出量を約40%削減できる取り組みとなっている。

バイオ燃料40%含有で軽油と同様の取り扱いが可能。大阪府貝塚市に配送拠点設置でタンクローリー巡回給油開始


「RD40」は、再生可能な油などから作られるバイオ燃料「リニューアブルディーゼル(Renewable Diesel、RD)」を40%含んだ燃料である。

使用するだけでCO2排出量を40%削減できる環境配慮型燃料で、「RD40」の導入が進むことで建設機械・車両の燃料に由来するCO2排出量の大幅な削減が期待されている。

伊藤忠エネクスは、「RD40」を安定供給するため配送拠点を大阪府貝塚市に設け、タンクローリーによる巡回給油サービスを同時に開始した体制を整えている。


大成建設では、施工時のCO2排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボン・コンストラクション」に取り組んでおり、さまざまな軽油代替燃料の導入を進めている状況である。

今回導入した「RD40」は、法律上、軽油と同様に取り扱うことが認められており、「RD40」を給油した車両は都道府県知事への事前申請や譲渡証の携行などの特別な手続なしで公道を走行することが可能となっている。

また、軽油と混ぜて使うことができるため、建設現場間の移動や給油拠点の制限などがなく、適用範囲の大幅な拡大が期待されている利点がある。

さらに、「RD40」は排ガス中のNOx(窒素酸化物)、PM(浮遊粒子物質)も軽油より少なく、施工中の作業環境や周辺環境への影響を軽減する効果も備えている。

建物ライフサイクルにおけるCO2排出量の40%以上削減を目指す「本町四丁目プロジェクト」(事業主:大成建設、学校法人相愛学園)では、この取り組みが脱炭素建設の重要な要素となっている。

従来の軽油を使用した場合と比較して、建設機械や車両から排出されるCO2を大幅に削減できることから、建設業界における環境負荷軽減の新たな選択肢として注目される。

今後、大成建設と伊藤忠エネクスは、関東圏での導入も視野に入れながら、全国の建設現場で「RD40」を活用できる体制づくりを進めていく方針である。




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デジコン編集部

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