若築建設とイクシスが吊荷事故防止システム「WIT 3rdEYE」を共同開発。AIで吊荷形状に応じた安全離隔を自動監視

若築建設株式会社は、株式会社イクシスと共同で、クレーン作業時における吊荷と作業員の接近を監視する新システム「WIT 3rdEYE（ウィット サードアイ）」を開発した。

AI画像認識で吊荷サイズに応じた警戒範囲を自動調整し、合図者専用リモコンによる指示伝達機能も搭載

クレーン作業における主な事故として、吊荷の落下、吊荷との衝突、クレーンの倒壊の3種類がある。

このうち吊荷の落下と衝突による事故は、吊荷周辺からの人払いが徹底されれば防止できる可能性が高い。

これまでのシステムでは、あらかじめ固定の警戒範囲を設定し、その範囲内に作業員が侵入すると警報が発信される仕組みだった。

しかしこの方法では、吊荷の大きさに関わらず警戒範囲が一定であるため、大型の吊荷に合わせた範囲を設定すると、小型の吊荷作業時にも頻繁に警報が発信されるという問題があった。

過剰な警報は作業員の警報に対する注意力低下を招き、安全確保の効果が薄れるリスクがある。



今回開発された「WIT 3rdEYE」は、これらの課題を解決するために、AI画像認識技術を活用して吊荷と作業員の外形を同時に認識し、両者の離隔距離をリアルタイムで算出する機能を備えている。

この算出された離隔距離が、あらかじめ設定した安全距離を下回った場合に、クレーンオペレーターと作業員へ警報を発信する仕組みとなっている。

システムの大きな特徴は、吊荷の形状や寸法に応じて警戒範囲を自動的に調整することで、吊荷のサイズに関わらず適切なタイミングで警報を発することができる点である。

さらに、合図者専用のリモコンを介して吊上げ開始や停止の指示を伝達する機能も組み込まれており、合図者以外からの誤った指示によるリスクも軽減している。

これらの機能により、吊荷と作業員の安全な離隔確保の確実性が向上し、オペレータの安全確認が単純化されることで、安全性確保と作業効率の両立が期待できる。




参考・画像元：若築建設株式会社プレスリリースより