ニュース
デジコン編集部 2025.3.5

清水建設グループがGNSS衝突危険警報システム「クレーンアシスト」を実用化。月額12.5万円でレンタル提供開始

清水建設グループの株式会社エスシー・マシーナリは、クレーン作業の安全性を高めるGNSS衝突危険警報システム「クレーンアシスト」を開発・実用化し、月額12.5万円でレンタル提供を開始すると発表した。

日本版GPS「みちびき」活用でセンチメートル単位の測位精度を実現、複数クレーン稼働現場や作業制限空間での事故防止に貢献


クレーンアシストは、全球測位衛星(GNSS)で取得する高精度な3次元座標データから、クレーンのブームの位置と向きをリアルタイムに検出するシステムである。

複数のクレーンが稼働する現場や、送電線・通信用電波の送信ルートなどにより作業空間が制限される現場では、クレーン同士の接触事故やインフラ設備との接触による大規模事故のリスクが存在する。

この新システムは、こうした事故防止を目的に開発されたブーム位置測位システムで、日本版GPS「みちびき」の機能を利用して12cm以下の誤差でセンチメートル単位の高精度測位を行う。

システムの構成機器は、ブームの先端と下端付近にそれぞれ設置するGNSSアンテナと受信機、キャビン(運転室)内に設置するルーターボックスとタブレットの計4点からなる。

測位の仕組みは、クレーンのブーム先端と下端の2点の「緯度」「経度」「高さ」を0.2秒間隔で連続的に測位し、現場敷地内におけるブームの位置と向きを検出するものである。

検出結果は現場敷地の座標が入力されているタブレット画面上にリアルタイムで表示される。

複数クレーンが稼働する現場では、各クレーンに同システムを設置することで、自機のブーム先端と最寄りのクレーンのブームとの最短距離を常時モニタリングできる。

タブレット画面上では、自機と他機の位置関係、各機のブームの向きが連動して表示され、ブーム間の距離が設定値以下になると危険レベルに応じて画面背景色が「黄」「橙」「赤」と変化する。




同時に警報音量も危険レベルに応じて増大し、オペレーターに事故の危険性を視覚的・聴覚的に伝える仕組みとなっている。

作業空間に制限がある現場では、制約を受ける空間の境界面の座標を予めシステムに入力することで、ブーム先端と境界面の最短距離を検出し、同様の警告表示と警報音でオペレーターに注意喚起する。

このシステムの導入により、視界不良や他のクレーン位置の把握が難しい状況でも、ブーム同士の接触事故や送電線等との接触による大規模事故を未然に防止することが期待できる。

エスシー・マシーナリでは、クレーン作業の安全性向上ニーズに応えるため、本システムを月額12.5万円のレンタル料金で提供することとしている。


参考・画像元:株式会社エスシー・マシーナリプレスリリースより


印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。