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デジコン編集部 2024.10.7

安藤ハザマ、CO₂固定型コンクリートのプレキャスト製品製造試験を開始。建設業界の脱炭素化に新たな一手

安藤ハザマは、CARBON POOLコンクリート(CPコンクリート)を用いたプレキャスト製品の製造試験を開始したと発表した。この取り組みは、建設業界の脱炭素化に向けた画期的な一歩として注目を集めている。

CO₂固定と排出削減を同時に実現


CPコンクリートは、コンクリート1㎥あたり120kg以上のCO₂固定を目標としている。

このコンクリートは、従来は産業廃棄物として扱われてきた材料にCO₂を固定し、原材料として再資源化する革新的な技術を用いている。

〈CO₂固定化仮設備(CO₂ガス+噴霧方式)〉

今回の製造試験では、安藤ハザマ興業株式会社の菊川工場に設置されたCO₂固定化仮設備を使用して、「炭酸化再生骨材」と「炭酸化スラッジ粉末」を製造し、これらをCPコンクリートの材料として使用する。

〈CO₂固定化仮設備(アルカリ炭酸塩浸漬方式)〉

さらに、製造されたプレキャスト製品に対しても脱型後に炭酸化処理を施すことで、CO₂固定量を最大化する。

同時に、低炭素型セメントの使用によりCO₂排出量を310kg/㎥以上削減することも目指している。

大阪・関西万博での実証実験


本製造試験で製造されたプレキャスト製品のベンチは、大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」に設置される予定だ。ここで、各種の耐久性能の測定が行われ、実用化に向けたデータが収集される。

安藤ハザマの国谷一彦社長は、「CPコンクリートの開発と実用化は、建設業界のカーボンニュートラル実現に向けた重要な取り組みの一つです。今回の製造試験を通じて、技術の確立と普及を加速させていきたい」とコメントしている。

この技術が実用化されれば、建設業界のCO₂排出量削減に大きく貢献することが期待される。


参考・画像元:安藤ハザマプレスリリースより
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デジコン編集部

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