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デジコン編集部 2024.7.3

富士通、ドローンとAIで「鉄塔の劣化度評価」を実現

富士通は、ケーネスと共同で、国土交通省が保有する通信用鉄塔の点検業務において、ドローンAIによる画像解析技術を活用した新たな点検の実証実験を、2023年10月から2024年3月まで実施した。

通信や道路、電気など社会インフラ設備の老朽化が問題となっており、設備の維持管理のための予算や担い手不足への対応が求められている。

また、通常の鉄塔点検は、作業員がロープなどでぶら下がりながら、ボルトのゆるみ、さびや亀裂の状態などを目視で判別する高所作業が主となっており、労働人口減少に伴う高所技術者の担い手不足や、安全管理面でも点検業務の改善が課題となっている。

同実証では、高所での危険を伴う点検業務の負担軽減を目的に、鉄塔の劣化度判定におけるドローンとAIの有用性を検証した。

実証実験は、2023年10月~2024年3月、国土交通省 関東地方整備局管内の通信用鉄塔を対象に実施。


ドローン搭載の高解像度カメラを用いて通信用鉄塔の外観を撮影。

富士通のAIによる画像解析技術でドローン画像からさびの箇所を抽出し、建設電気技術協会が定める点検要領規定の基準により劣化度を4つのレベルに区分した。

鉄塔を本柱・腹材・二次部材に分類して部材ごとの劣化度を示し、鉄塔全体の劣化度評価を実現。通常の目視による点検と遜色なく判定できていることを確認した。

社会インフラの点検記録を管理し維持管理の最適化を支援する「Fujitsu維持管理ソリューション」を活用して、点検結果を地図上にマッピングするとともに、3Dモデル上にさび検知結果を連携して管理することによって、効率的な状況把握を実現する。

従来の目視点検のみでは困難だった、鉄塔全体の劣化度の定量的な評価を実現。これらのデータを活用することで、将来的な劣化進行予測も可能になることが期待される。



参考・画像元:富士通プレスリリース
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デジコン編集部

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