国交省、水防災オープンデータに水害リスクラインを追加。200メートルごとの洪水危険度を10分間隔で提供開始

国土交通省は河川情報の利活用の促進を目的に実施している河川水位等のデータ提供サービスにおいて、2025年11月より取り扱う情報を追加すると発表した。

これまでに提供してきた河川水位や雨量のデータに加え、新たに水害リスクラインデータ（氾濫の危険度情報）を追加する。

民間防災アプリを通じて地域住民一人ひとりへ情報提供し氾濫被害の低減へ

水防災オープンデータ提供サービスとは、国が観測したレーダ雨量、雨量・水位等や47都道府県所管の雨量・水位、洪水予警報（洪水予報）等の河川情報を、配信事業者（河川情報センター）を通じて、民間事業者など受信希望者に対して有償（実費相当額を賄う程度）で配信する事業である。

水害リスクラインは、観測または縦断的に河川水位を計算により推定し、左右岸それぞれ200メートルごとの洪水の危険度分布を示したもの。

国土交通省が管理している河川では、数キロメートルから数十キロメートルの予報区域を対象に発表する洪水予報等に加えて、縦断的な水位（水面形）を計算により推定し、左右岸それぞれ概ね200メートルごとの洪水の危険度分布を5段階のレベル情報として、10分間隔で提供している。

概ね200メートルごとに推定した水位が、堤防等の高さを超過し氾濫している可能性のある箇所を黒色（警戒レベル5相当情報）で表示するなど、各箇所の危険度をきめ細かく把握できることから、避難情報発令の参考にすることができる。

今回の追加により、民間開発の防災アプリ等を通じて、洪水の危険が迫っている地域住民一人ひとりに対して情報提供することで、氾濫による人的被害の低減が期待される。

水防災オープンデータ提供サービスは、国や都道府県が観測したレーダ雨量、テレメータ雨量・水位、危機管理型水位計、河川カメラ画像（簡易カメラ、CCTVカメラ）、国が発令する洪水予報等、水害リスクラインの河川情報数値データを、受信希望者に対して有償（実費相当額を賄う範囲内）で配信する事業である。

国土交通省は今後とも、広く民間事業者に利活用してもらうことで国民に河川情報が提供できるように、ニーズに合わせたデータ提供の充実に取り組んでいく方針だ。

事業の詳細やデータ受信を希望する場合は、配信事業者である河川情報センターのホームページで確認できる。